多摩爺の「時のつれづれ(霜月の5)」
惜別、火の玉ストレート (阪神タイガース・藤川球児投手)
火の玉と云っても・・・
今夏、関東から東海地方の、広い範囲で目撃された火球(習志野隕石)のことではない。
11月10日、21時をちょっと過ぎた当たり、
熱気に包まれた、阪神甲子園球場で一人の投手が、惜別のマウンドに立っていた。
甲子園を湧かした高校球児から、甲子園を本拠地に持つ、阪神タイガースにドラフト1位で指名され、
火の玉ストレートを武器に・・・ 不動のクローザーとして君臨した藤川球児投手が、
期待通りピッチングを披露し、多くの歓声と拍手に包まれながら、甲子園のマウンドに別れを告げた。
球界に速球投手は数多いるが・・・ そのストレートに
「火の玉」と「炎」の称号があった投手は・・・ 球界に二人しかいない。
個人的には、日本一の豪速球投手は、かつて当ブログで触れたことがある、
阪急ブレーブスの山口高志投手で揺るぎないが、
その山口投手にしても、豪速球に「火の玉」と「炎」の称号はなかった。
その一人は、天下の読売巨人軍で、4番バッターを務めた清原和博選手にして、
「火の玉ストレート」だと絶賛し、白旗を挙げた・・・ 阪神タイガースのクローザー藤川球児投手
もう一人は、三冠王を取った絶好調のランディ・バース選手(阪神タイガース)から
ストレート1本で三振を奪い、「クレージーだ。」と称えられた、
広島カープの「炎のストッパー」津田恒実投手
燃え尽きたプロ野球選手は、数多いたと思うが、
現役時代から燃えていると賞賛された選手は・・・ この二人だけではなかろうか?
二人に共通していたのは・・・ 弱かったメンタルを、開き直りで克服したことだろう。
ともに先発投手候補として、ドラフト1位指名を受けながら、
故障などで成績が伴わず、クビ寸前だったところから、
中継ぎという、与えられた場所で開き直り、
実績を積み重ねて、不動の地位(クローザー)に上りつめている。
ある解説者は、ストレートが来ると分かってて、打てないんだから、魔球と云っていた。
そりゃそうだろう・・・ ストレートを見せ球に、
カットボールや、シュート系のボールでカウントを稼ぎ、落ちるボールで、勝負するのが主流のなか、
投げるほどに球威・球速を増し、唸りを上げるストレート1本で、
平然と三振を奪って、試合を締めくくるんだから、
ファンが溜飲を下げるだけの価値がある・・・ 納得の投手だった。
私はカープファンだが、カープ以外の選手でも・・・ 不器用で、意固地で、一本気で、
硬派な投手が大好きだ。
だから、どうしても、津田投手と藤川投手が重なって見えてしまう。
炎のストッパーが、脳腫瘍で逝ってから27年目を迎えた今シーズン
存命だったら・・・ 還暦だから、その雄姿を知らないプロ野球ファンも、
ずいぶん多くなっているだろう。
2020年11月10日
炎のストッパー(津田恒実)の後を継いだ、火の玉ストレート(藤川球児)が、
惜しまれながら・・・ マウンドを後にした。
残念だが・・・ まだ40歳
日本一の豪速球投手・山口高志ピッチングコーチが、
火の玉ストレートのクローザー・藤川球児を育てたように、
第二、第三の藤川球児を育ててほしいと・・・ 願ってやまない。
お疲れさまでした。
藤川球児投手
君の「火の玉ストレート」を忘れない。
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