『麺や 彩～iro～』川越市

　"彩"という字を”aya”と読ませず、"iro"と読ませることの”彩り”を主題として感じ取れる物語性が、
ラーメンをこの上なく愛し、美味いラーメンが食べたいという欲求のみで行動をしている
ラーメンオタクに、その胸の奥にでも脳みそにでも、どれだけ響いてくるのかはわからない。
それでも、店内に入っての印象からすぐに伝わるカウンターの清潔感溢れる白さを見たときの
期待感に僕は胸を躍らされずにはいられない。



出てきた塩そばの透き通ったスープに浮かぶ紫玉ねぎやレアチャーシューの色合いなどは、
なるほど見た目にも鮮やかで、香油が何気に艶っぽさを湛えたスープをレンゲに掬って
口にした瞬間に、鶏の旨みが俄然その心地良さを舌に広げてみせるところなどは
もうこれでハイレベルな出来栄えのラーメンだと誰もが確信するだろう。

鶏の旨みとはこういうものなのか…と高いカウンターに隠れるようにして、
恥ずかしげもなく頷いてしまう自分がいたりして。



テーブルに置かれたレモン酢や柚子胡椒、にんにくやブラックペッパー、
一味などの豊富な味の調整ツールは、ある程度食べた段階で、
食べる側に自由に許された味の色付けなのは言うまでもない。
おすすめは何かというと、やはりやさしい塩そばにはやさしい柚子胡椒が合うのだろう。

麺や 彩～iro～ （ラーメン / 川越駅、本川越駅、川越市駅）
夜総合点★★★☆☆ 3.5