
◯ 利用シーンに応じて賢く制御する方法。
今回は、パソコンの動作が「重く」感じる要因の解消や、ノートパソコンのバッテリー駆動時間を延ばすといった、パフォーマンス調整について解説する。Windowsの設定が中心だが(図1〜図4)、Edgeの機能や(図5)、マイクロソフト製のアプリ「PC Manager」も紹介する(図6)。
図1、自動起動するアプリを止めることで、CPUへの負荷を減らし、メモリーを空ける効果が期待できる
図2、電源関連の設定を変更すると、必要に応じてパフォーマンスとバッテリー持続時間(省エネ)のバランスを調整できる。
図3、長時間移動の多いノートパソコンユーザーは、手動で休止状態に移行させる設定も試してみよう。
図4、10月に一般提供が開始されたバージョン24H2では、電源関連の設定がいくつか改良されている、
図5、Edgeには、複数のタブを開いたまま使用する際に、消費リソースを低減する機能がある。同様の機能はChromeにも搭載されている。
図6、マイクロソフト公式のメンテナンスアプリ「PC Manager」にも、パフォーマンスに関わる調整機能がある。
バージョン24H2で電源設定の改良が進む。
パソコンの動作が「重い」と感じる大きな理由は、同時に動いているプログラムが多すぎること。CPUが処理すべき内容が増え、メモリーが不足して一部の内容をストレージに移す「仮想メモリー」が使われるからだ。バッテリー消費を増やす一因でもある。
これを改善するには、同時に使うプログラムを減らすのが一番だ。システムトレイにアイコンを出す常駐型のアプリから、使わないものを止めよう(図7)。「設定」アプリで不要なアプリが自動起動しないように調整するのも効果的だが(図8)、アプリの更新などで、勝手に設定が変わることもあるので、ときどき確認しよう。「設定」アプリからバックグラウンドでの動作を抑制できるアプリもある(図9、図10)。
Θ システムトレイで確認。
図7、タスクバー右のボタンをクリックすると(1)、隠れている常駐型プログラムの存在を確認できる。各アイコンを右クリックして表示されるメニューで終了させられるものも多い(2)(3)。
Θ アプリの自動起動を制御。
図8、「設定」アプリで「アプリ」から「スタートアップ」の画面を開く(1)。自動起動するアプリが一覧表示される。不要なアプリのスイッチを「オフ」にすると起動しなくなる(2)。
Θ バックグラウンドでの動作を制御できるアプリも。
図9、「設定」アプリの「アプリ」のカテゴリーから「インストールされているアプリ」を開く(1)。各アプリの右側の「…」をクリックしてメニューを開き(2)、「詳細オプション」の項目があれば選択しよう(3)。
「バックグラウンドアプリのアクセス許可」を変更
図10、アプリごとの詳細オプションの画面。「バックグラウンドアプリのアクセス許可」という項目で(1)、バックグラウンド動作中の負荷を調整できる。推奨(標準)の設定は「電力最適化」になっている(2)。
省電力設定で、CPUの動作周波数などが抑制されるのもパフォーマンスに影響する。「設定」アプリで「電源モード」を変更すると、パフォーマンスを落として省エネするか、電力を使って高パフォーマンスを維持するかを切り替えられる(図11)。同じ画面で、自動で画面が消えたり、スリープになったりするまでの時間を調整しておくと、意図しない作業の中断を防げる。
図11、「設定」アプリの「システム」から「電源とバッテリー」を開く(1)。「電源モード」で、電力消費とパフォーマンスのバランスを調整可能だ(2)。その上の部分で、画面オフとスリープまでの時間を調整できる(3)。
ノートパソコンでは、バッテリー残量の低下時に自動で負荷を下げる「バッテリー節約機能」が働くことも覚えておこう(図12、図13)。
Θ「バッテリー節約機能」で動作時間を延ばす。
図12、バージョン23H2までは、「電源とバッテリー」画面に「バッテリー節約機能」の項目がある(1)。バッテリー残量20%以下で機能が有効になるが、手動での有効化や(2)、有効化する残量の変更も可能(3)。
図13、「バッテリー節約機能」が使える場合、システムトレイの音量などのアイコンをクリックして表示されるクイック設定に(1)、機能の有効/無効を手動で切り替える項目がある(2)。
バッテリー消費を抑える工夫としては、ユーザー操作で「休止状態」に切り替えられるようにしておく方法がある(図14〜図16)。休止状態は、メモリーの内容をストレージに記録して電源を切る省電力機能で、通常は、スリープ後一定時間で移行する。その時間を節約することで、わずかでもバッテリー消費を減らせる可能性がある。ただし、短時間で作業を再開するなら、通常のスリープのほうが省電力だ。
図14、コントロールパネルの「電源オプション」にある「カバーを閉じたときの動作の選択」から、電源ボタンを押したときの動作や(1)、ノートパソコンのカバーを閉じたときの動作を変更できる(2)。「休止状態」も選べる。
Θ 電源メニューに「休止状態」を出す。
図15、図14の画面で「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックすると、同じ画面下で電源メニューに「休止状態」の項目を出す設定に変更できる(1)。変更を反映させるには「変更の保存」をクリック(2)。
図16、図15の設定を有効化すると、スタートボタンをクリックして表示されるスタートメニューで(1)、電源ボタンをクリックした際に表示されるメニュー(電源メニュー)に(2)、「休止状態」の項目が追加される(3)。
この10月に一般提供が始まったバージョン24H2では、「電源モード」を電源接続時とバッテリー駆動時で個別に設定したり(図17)、電源ボタン押下時とカバーを閉じたときの動作を「設定」アプリで変更したりできるように改良された(図18)。また、「バッテリー節約機能」が、デスクトップ機でも使える「省エネ機能」に変わっている。
Θ 電源モードの個別設定が可能に。
図17、バージョン24H2では、ノートパソコンで「設定」アプリの「電源とバッテリー」の画面を開くと(1)、「電源モード」の設定を電源接続時とバッテリー駆動時とで、別々に設定できるようになった(2)。
Θ 「設定」に電源ボタンとカバーの項目が追加。
図18、バージョン24H2では、図14と同様の設定を「設定」アプリの「電源とバッテリー」の画面で変更できるようになった。電源メニューに「休止状態」の項目を追加する設定項目はない。
Windows付属のウェブブラウザー、Edgeにもパフォーマンスに関わる機能が搭載されている。「ブラウザータスクマネージャー」を使うと、Edge内部でのメモリーやCPUなどの使用状況がわかる(図19)。
図19、Edgeの動作中に「Shift」キーと「Esc」キーの同時押しで「ブラウザータスクマネージャー」が開く。見出しを選ぶと(1)、負荷の高いタスクを見つけやすい(2)。
Edgeでは、バッテリー駆動時に「効率モード」という機能が有効化され、複数のタブを開いている際に、未使用タブの処理を抑制してCPUやメモリーの負荷を減らす(図20)。電源接続時にも、手動で有効化できる。
Θ 効率モードの動作をチェック。
図20、効率モードが有効なら、タブにマウスポインターを重ねた際に表示されるサムネイルに情報が追加される(1)(2)。ツールバーのハート形のボタンでサイドバーを開くと(3)、状態確認や動作切り替えができる(4)。
Edgeをあまり使っていない場合は、「設定」画面の「システムとパフォーマンス」を開き、自動起動やバックグラウンドでの動作に関わる設定を無効化しておくとよいだろう(図21)。この画面では、「効率モード」の動作も調整できる(図22、図23)。
Θ バックグラウンド動作を変更する。
図21、Edgeの「設定」画面の「システムとパフォーマンス」を開く。「システム」部分で(1)、バックグラウンドでEdgeを自動起動する設定や(2)、アプリ終了後も一部動作を継続する設定を無効化できる(3)。
Θ 効率モードの設定を調整する。
図22、図21の画面下に「パフォーマンスの最適化」の項目がある(1)。ここで、効率モードの有効/無効の切り替えや(2)、効率モードの動作の仕方を設定できる(3)。標準設定は「バランスの取れた節約」だ。
Θ 効率モードを細かく設定する。
図23、図22の画面下では、電源接続時も節約モードをオンにする設定(1)、不使用タブのバックグラウンド動作を止めるスリープ設定(2)、特定のサイトをスリープさせない設定などを調整できる(3)。
これらの機能の一部は、Chromeにも同様のものが搭載されている。
最後に、マイクロソフトが提供するメンテナンスアプリ「PCManager」を紹介しておく。メモリー上の不要なデータや一時ファイルを削除する「ブースト」機能が使える。興味があれば試してみよう(図24、図25)。不要なデータを削除する機能などもある。
Θ Microsoft Storeから入手。
図24、「PC Manager」はマイクロソフト純正のメンテナンスアプリ。無償で公開されており、Microsoft Storeアプリからインストールできる。入手画面の説明は英語だったが、アプリ自体は日本語化されている。
Θ 豊富なメンテナンス機能。
図25、アプリを起動して「ブースト」をクリックすると、不使用メモリーの解放や不要な一時ファイルの削除などが行われる(1)。下の「プロセス」からは(2)、動作中のアプリなどの確認、終了ができる(3)。バックグラウンドで動作中のアプリも見つかる。