〇 部屋のドアを閉めると遅くなる?Wi-Fiの速度をテストで明らかに。
Wi-Fiの環境をつくる際に難しい点は、通信可能なエリアの全域で同じ速度が得られるわけではないことだ。一般にWi-Fiルーターから離れるほど通信速度は落ち、障害物やほかの電波との干渉といったさまざまな要素の影響を受ける。コンクリートは電波を通しにくいなど、家の作りによっても条件は異なる。そのため適切な環境づくりはどうしてもケース・バイ・ケースになってしまう。ただ、同じ速度が得られるかは別として、テスト結果の傾向は参考になるはずだ。
今回は都内の住宅街にある3階建ての一軒家でテストした。図1は大まかな間取りだ。1階は半分が車庫となっており、廊下の突き当りに部屋がある。2階にはリビングとキッチン、3階には2部屋と都内では一般的な3LDKの建物だ。ここから計測用の地点として4カ所を選び、条件を変えながら速度を計測した(図2~図5)。2階のフロアに仕切りやドアはなく、1階から3階まで通り抜けられる構造(図6)。各部屋の入り口のドアは、後述の一部の実験を除き、開けて計測した。
Θ 3階建ての一軒家でWi-Fi 6の実力をテスト。
図1、Wi-Fiは周囲の環境の影響を受けるため、基本的に理論値通りの速度は得られない。どんな場合に速度が落ちやすいか、実際に3階建ての一軒家でテストした。A~Dのポイントは、計測に使用した場所だ。
Θ ポイントA。
図2、できるだけ家の中央に配置するため、Wi-Fiルーターは2階のダイニングテーブルに置いた。
Θ ポイントB。
図3 ポイントBは3階の部屋。家の端になるため、遮る壁の数や距離の点で通信環境としては少し不利になる
Θ ポイントC。
図4、ポイントCはリビングのテーブルの上。Wi-Fiルーターと最も近く、速度が得やすい。
Θ ポイントD。
図5、ポイントDは1階の奥の部屋。Wi-Fiルーターを1階に移す際にもこの部屋を使った。
Θ 各階を隔てるドアはない。
図6、ドアは各個室の入り口のみで、リビングや階段はそのまま通れる構造。途中で目立った障害物はない。
Wi-Fiルーターは基本的に2階の中央付近に置いているが、テスト内容によっては移動させている。理想的な場所に置けない場合や、見えない場所に隠しておきたいという人もいるからだ。