再起動編【運転免許センターでの検査】

「脳出血等の脳障害を受けた者は、医師の診断と運転免許センターの許可が必要」
ということも初めてしった、

　スタートから「医師の診断」が課題で、最初の救急病院の主治医は
「欠けている右下の部分が原因で、事故を起こす可能性もある。
　運転はお勧めできない。」
とダメ出しをされてしまった。
「佐原から印西は車で１時間弱。通勤できないと仕事に復帰できない。」
と、途方に暮れていたが、地元の主治医とリハビリの先生から
「徐々に回復しているから。」
と許可を頂いた。

　地元の主治医の診断書を持って、地元の警察署に行って予約をした。
　数日後、千葉市の運転免許センターでシミュレーションによる検査を行った。３０年以上前に「講習所」を卒業した私にとって「免許更新講習」が当たり前であった。「運転免許のシミュレーション」は初めてであった。
「これは嫌がらせ？！　歩行者やバイクが当たりに来る！！」
と思うくらい、通常の道路では起こり得ない事故が続いた。
「これは無理だ。怖くて運転なんてできない…。これは不合格だろう。」
と、またまた途方に暮れていたが、
「脳障害で検査に来る人は多いから、私もよくわかる。
　徐々に回復するから大丈夫。」
と太鼓判を頂いた。

「免許センターの方は優しい。」
と思ったが、交通事故者の予備軍を認めるわけがない。主治医の診断書の重さを改めて感じた経験だった。

私は今でも１時間弱の経路を自動車で通勤し続けている。
眼科で診断された通り、右目の視野が狭いせいで、
「ドキッ！　２車線道理で右側を並行している車の存在に気付いていなかった…」
と驚くこともあった。
それを補うために、私は以前にも増して左右確認をし、直進走行中でも左右を広めに確認しながら運転している。
運転を再開できるようになったこと自体に感謝しており、それは「地元の病院」のお陰である。「セカンドオピニオン」の大切さを非常に有り難く感じている。