これからの考察の舞台になる社会を設定しよう(ゲームみたいだなぁ~)
まず、計算がやりやすいように、1時間の労働が2000円に等しい価値をつくりだし、労働力の1日分の価値は8000円に相当するものとする。ただしこの社会では、1日の標準労働日は8時間労働で、労働者が1日働くと2000×8=16000円の価値を生む。しかし労働者には80000円しか賃金が支払われない…時給1000円の世界だ。これで資本家は、16000-8000=8000円の剰余価値を得ることができる。剰余労働時間は、8000円/2000円=4時間となる。剰余価値率は8000円/8000円=4時間/4時間=100%である。
また分かりやすいように、ある工場を設定する。その工場は上記の条件で資本家が労働者を100人雇い、何かを生産している。なんでもよいのだが、布地からシャツを作っているものとする。機械等を導入し、1人の労働者が1時間に2枚のシャツを完成させることができるものとする。労働過程において、労働者はシャツの原材料を加工し、1時間に2000円分の価値を原材料の布地に付加し、2枚のシャツを作るわけだ。シャツ1枚には1000円の価値が付加される。
また原材料の価値は、シャツ1枚分が500円であるとする。
一方、工場設備、建物や機械の価値も、労働過程を経てシャツに移行する。この部分もまた不変資本の一部を成す。この工場設備にあたる部分がどのくらいあるのかは、ちょっと置いておこう。計算の都合上、仮にシャツ1枚当たり10円であるとしておく。
労働者1人、1時間あたり2枚のシャツが出来る…その価値は2000円+500円×2枚+10円×2=3020円。シャツ1枚当たりでは、1510円となる。資本がこれを価値通り販売すれば、シャツ1枚1510円の現金を得ることが出来る。ところで、資本家が労働者に支払った労働の価値は、1時間当たり1000円。シャツ1枚あたり500円である。だからシャツ1枚あたりの資本の有機構成は、
不変資本:c 原材料500円+工場設備10円 =510円
可変資本:v 500円
剰余価値:m 500円
となっている。c+v+m=510円+500円+500円=1510円である。
労働者100人を使って8時間労働させると、時間あたり200枚のシャツ、1日あたり1600枚のシャツが出来る。1日当たり1510円×1600枚=2,416,000円が出来る。ただし、費やした資本は1枚あたり1010円、合計で1,616,000円…差額が剰余価値800,000円、これはシャツ1枚あたりの剰余価値500円×1600枚に等しくなるのである。また、100人の労働者を時間1000円分搾取し、8時間働かせた合計、1000円×8時間×100人とも等しい。
おまけ…岐阜駅前にある、黄金の信長像