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「たたかうあるみさんのブログ」の管理者が「革命的」に「生産」「労働」と「分配」について考えるブログ

資本論の用語

2018-09-07 14:35:33 | 日記

「労働」や「生産」「分配」についていろいろ「思考実験」をする前に、おさえておきたい資本論の用語や記号についてまとめておく。

価値法則
 商品の価値の大きさがその生産のために社会的・平均的に必要な労働時間によって規定されるという法則。
この場合の労働時間は、現存の社会的に標準的な生産諸条件と、労働の熟度及び強度の社会的な平均度とをもって、ある商品を生産するために必要な社会的必要労働時間のことである。

資本の流通形式 
資本をGで、商品(生産物)をWで表す G-W-G´ただし G´=G+⊿G である。
⊿Gを「剰余価値」という。
資本主義的生産様式は、⊿Gを求めて、生産が行われるのである。

剰余価値
 1時間の労働が2000円に等しい価値をつくりだし、労働力の1日分の価値は8000円に相当するものとしよう。1日分の労働力の価値とは、労働者が1日生きてゆくために必要となる価値量のことであり、単に1日食って寝て…のみに必要な量だけでなく、一生の間に子供をもうけて育て(労働力の再生産を行う)また労働ができなくなった老後を暮らすための量、また公的セクターに支払う税金も含んだ価値量を、1日に均した価値量のことである。(実際の日本において1日8000円で足りるかという問題はまた別)
 労働力の1日分の価値が8000円であるとするならば、労働力の対価として8000円を得るために、労働者は1日4時間だけ働けばよい。ところが労働力の価値が1日8000円であること、すなわち労働者の生活を24時間維持するのに4時間の労働が必要だということは、労働者がたとえば1日8時間働労働することを決してさまたげない。だから1日の労働力の価値と、8時間労働した労働者が生み出す価値の大きさ…この場合は16000円…は異なる。この価値差額(この場合、16000円-8000円=8000円)が、剰余価値なのである。

 なお社会的にはこのことが巧妙に隠される…このケースの場合、労働者は「時給1000円で8時間労働する」という契約を資本家と結んだうえで、1日8時間労働を行い、1日8000円を得るだろう。これは合法的な契約行為として認識される。だが資本家は労働者に8000円を支払うことで、1日当たり8000円分の剰余価値を得ることができるのである。

 「剰余価値」は資本主義社会に特有のものではない。およそありとあらゆる社会において、人間が生きてゆくために必要なもの以上のものを生産することが出来るので、人類社会が発展し、「経済成長」を遂げてきたのである。この「剰余価値」分を、誰がどのように入手するのかということは社会によって決まる。原始共産制では、剰余価値分は倉庫に保管され、共同体内で分配されていたのであろう。奴隷制社会では奴隷は生きるのに最低限の衣食住が主人から与えられる他は、奴隷の行った労働の成果はすべて主人のものである。封建性社会では「年貢」あるいは「賦役」という形で、領主の取り分と労働者(生産者)の取り分は明確に分かれていた。アジア的生産様式では、皇帝のような君主と官僚機構が、封建社会と同様に「年貢」や「賦役」のような形で、剰余価値を取得していたであろう。未来社会(共産主義社会)では、なんらかの形で剰余価値分が社会的に還元されるのである。

不変資本と可変資本
 労働(生産)過程の主体的要素たる労働力と、その客体的要素たる生産手段(労働対象=原材料および労働手段=機械器具)とは、生産物の価値形成において異なった役割を演じる。労働者は労働によって労働対象に新たな価値を付加するが、生産手段はなんら新価値を付加するものではなく、すでにそれ自身に含まれている旧価値を生産物に移し込むにすぎない。
 資本のうちで生産手段に投ぜられる部分は、生産過程で価値の大きさを変えない。そこでこの資本部分は不変資本と名付けられる
 資本のうちで労働力に投ぜられる部分は、生産過程で価値の大きさを変える。この部分はそれの等価と、それを越える剰余価値とを生産する。この資本部分は可変資本と名付けられる。

剰余価値率
 不変資本をc、可変資本をv、剰余価値をmで表す…資本の構成はc+v、商品生産物の価値構成はc+v+m
となる。
 剰余価値の相対的・比較的な大きさを正確に表現するには、剰余価値を総資本とではなく、可変資本とだけ比較しなければならない。そこでマルクスはm/vを、m/(c+v)と区別し、前者を剰余価値率と名付けた。
 労働日のうち、労働者が労働力の価値の等価を生産する部分は必要労働時間と呼ばれ、この時間中に支出される労働は必要労働と呼ばれる。他方、労働者が労働日のうち必要労働時間を越えて働く部分、剰余価値を生産する部分は剰余労働時間と呼ばれ、この時間中に支出される部分は剰余労働と呼ばれる。
 剰余価値率=m/v=剰余労働時間/必要労働時間 である。

 剰余価値の説明で出した事例の場合、v=8000円、m=8000円 必要労働時間=4時間、剰余労働時間=4時間だから
 剰余価値率=8000円/8000円 = 4時間/4時間 = 100% となる。

―以 上―
 参考…世界の大思想21(資本論4)…河出書房新社 訳者 長谷部文雄 のp355以降『資本論』用語解説(宇高基輔編)より



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