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『死香探偵 -尊き死たちは気高く香る』(喜多喜久著)感想

 『死香探偵』は『Mr.キュリー』シリーズに続く、喜多喜久さんの中公文庫で2つ目のシリーズです。

『死香探偵 尊き死たちは気高く香る』は、その第一作目です。

<このミステリーがすごい!大賞>優秀賞を受賞したデビュー作『ラブ・ケミストリー』以来の喜多喜久のファンとしては、『死香探偵』の評判が良くて嬉しいです


『死香探偵 尊き死たちは気高く香る』

喜多喜久・著 2018.1.23発売 カバーイラスト・ミキワカコ カバーデザイン・西村弘美


死香探偵 尊き死たちは気高く香る あらすじ

桜庭潤平は就活に失敗し、特殊清掃員のアルバイトで生計を立てている。

彼は、その仕事をするうちに死者がはなつ死臭が、食べ物の匂いに変換されてしまう特殊能力を身につけてしまう。

おかげで死臭に変換された本物の食べ物が食べられず、空腹に耐える日々。

そんな時、ある現場で大学の准教授で『犯罪捜査に用いる分析技術の研究』をしている風間由人と出会う。

潤平の特殊能力に目をつけた風間は、未解決の殺人事件の現場に潤平を連れ回し……。



死香探偵 尊き死たちは気高く香る 感想

実は、この小説を読むまで「特殊清掃」とは何かよく知りませんでした

遺体によって汚染された部屋の掃除……

なかなかハードな仕事ですよね

小説の中では3つのグループに分かれて仕事をしています。

先遣班、実務班、復元班。

潤平くんは最もハードな復元班所属です。

超高齢化社会、こういう仕事はどんどん増えていくのでしょうね



結構社会派な背景ながら、「死臭から犯人を追跡する」なんてファンタジーですよね

小栗旬主演のドラマ『BORDER』で幽霊が見える刑事が事件を解決する為に、様々な手段で証拠をでっち上げていました。

誰かに話しても信用してもらえませんものね、幽霊に教えてもらったじゃ

『死香探偵』も同じ。

「この現場にはカツオダシの匂いがする」「その匂いは容疑者Aから漂っている」なんて言っても説得力がありません

その為に、分析化学のスペシャリスト風間の存在が必要なのだと思います。

ただし、この小説では証拠のでっち上げはしていませんよ

データ第一です



この『死香探偵』は若干BLっぽさを感じるかもしれませんねぇ

主人公の桜庭潤平は25歳、身長158㎝、細身のSサイズ、女子高校生のようなルックス

対して風間由人は、大会社の社長の息子で会社の役員兼大学の准教授。

30代前半、身長180㎝以上、そしてイケメン

ぱっと見、めっちゃ男前とめっちゃ美少女の組み合わせなのです。

でも、実際男同士なので、風間が潤平をお姫様だっこしたりするとBLっぽくなっちゃうのです

なんせ潤平くん、食事がまともにとれない為、わりとフラフラなのです



特殊能力で死臭をかぎ分ける潤平くんは、お話が進むにつれて食べられない食品が増えていきます。

・たきたてご飯
・カツオダシ
・バニラ
・アップルパイ
・ベーコン

1冊お話が終わるまでにこれだけの食品が食べられなくなりました

第1話にして和食OUTですからね

これは辛い

ごはん派の私には耐え難い食生活



最初潤平くんは、専門家である風間に協力する代わりに、自分の辛い状況を解決する策を出してもらおうと考えていました。

 でも、事件に関わるうちに「自分にできることをやろう」とする責任感が生まれてきます。

人間、目的や目標を見つけると急に成長するものですね



正直言って、『死香探偵』がシリーズ化するとは思っていませんでした

「ドラマ化やアニメ化を考えたら、死臭を追うっていうのはどうなんだろう?」と思ったからです

 しかし、今月22日頃に新刊『死香探偵 連なる死たちは狂おしく香る』が発売されます
 
 
潤平くんが更に食べられなくなったらどうすんの

そろそろ潤平くんにまともに食事をしてほしい

そう思いながらも楽しみです 



ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

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