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実写映画ノベライズ『思い、思われ、ふり、ふられ』あらすじネタバレ感想

咲坂伊緒原作の『思い、思われ、ふり、ふられ』実写映画ノベライズあらすじ・ネタバレ感想。
大人の都合に振り回される悩める4人の高校生達のアオハル物語。
咲坂伊緒さんの『ストロボ・エッジ』『アオハライド』に続く青春三部作の最終章。


『思い、思われ、ふり、ふられ』

実写映画ノベライズ
『思い、思われ、ふり、ふられ』感想 tataraworks
原作:咲坂伊緒 / 著者:阿部暁子
発行:株式会社集英社
(集英社オレンジ文庫)

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『思い、思われ、ふり、ふられ』あらすじ・ネタバレ感想


☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:

『思い、思われ、ふり、ふられ』登場人物

●市原由奈(いちはら・ゆな)
 内気で奥手な女の子
 子供の頃から大好きな絵本の王子様が理想
 理央に一目惚れしてしまう

●山本朱里(やまもと・あかり)
 市原家と同じマンションに最近越してきた
 あることがきっかけで由奈と仲良くなる
 理央の義理の姉

●山本理央(やまもと・りお)
 親の再婚で朱里と姉弟になった
 イケメンでモテる
 家族の秩序を乱したくないと悩んでいる

●乾 和臣(いぬい・かずおみ)
 由奈とはちびっ子の頃からの幼なじみ
 映画が好きで本当は映像関係へ進みたい
 親のレールを踏み外せないことで悩む

●朱里の実母
 義理の息子の理央と朱里の距離を気にする
●理央の実父
 転勤話が持ち上がる

●乾 聡太(いぬい・そうた)
 和臣の兄で成績優秀だった
 演劇の世界に進む為に大学中退
 父母のケンカの原因にもなっている
●乾の両親
 ケンカが絶えない

●理央の友達・柴(しば)
●理央の友達・我妻(あがつま)
 由奈のことを好きになる

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『思い、思われ、ふり、ふられ』あらすじ

市原由奈は、最近同じマンションに引っ越して来た山本朱里と、ある事をきっかけに仲良くなった。
運良く朱里と同じクラスにもなれ、ぼっち弁当の淋しい高校生活のスタートを切らなくてすんだ。
だが、内気で気弱で人見知りの由奈は、学校では朱里以外のクラスメイトとうまくコミュニケーションがとれない。


そんな由奈は、マンションのエレベーター付近で王子様に一目惚れしてしまう。
歳は由奈と同じくらいだろうか。
その男の子は、由奈が幼い頃から大好きな絵本の王子様にそっくりなのだ。
すれ違っただけの男の子のことを朱里に話すだけで十分満足な由奈。
だが、本心では、由奈の幼なじみの乾和臣とも初対面ですぐに打ち解けてしまう朱里のコミュ力を羨ましくも思っている。


引越の荷物がすっかり片付いた朱里は、由奈を一緒に数学の課題をしようと家に呼ぶ。
由奈が山本家の玄関チャイムを鳴らすと出てきたのは…王子様だった!

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『思い、思われ、ふり、ふられ』ネタバレ感想

山本家は再婚同士で子供達はそれぞれの連れ子だ。
朱里と理央は同じ中学の同級生だった。
しかも、理央は朱里のことが好きだった。
だが、告白しようとしたその日に父親の再婚相手が朱里の母親だと知った。
朱里のことは好きだけど、姉弟になった以上、家族の秩序は乱せない。


一番好きな人が一緒に生活している状態で気持ちを抑え込むのは辛いだろう。
しかも、朱里の母親はやたらと子供達の距離を気にするのだ。
若い男女、他人同士。
いや、分かるけども、気になるのは。
だけど、そんなに神経とがらせるなら最初から結婚しないでほしい。
子供達は親の都合に従って同じ家に暮らしているだけなのに。
理央は、自分のせいで家族を壊したくなくて、何より朱里を傷つけたくなくて弟の役目に徹する。


由奈は、自分から人に話しかけたりできないくらい内気な女の子だった。
ところが、理央と出会って性格が少しずつ変わっていく。
性格的に告白などできるタイプではなかったはずなのに、理央に思いを告げる。
それは、理央の朱里への気持ちを知った上で彼の背中を押す為の告白だった。
女の子同士でもなかなか自分から声をかけられないような子が、好きな人を応援する為に勇気を振り絞るなんて、恋は凄いエネルギーを生み出すなぁと思う。
そして、友達を守る為に捨て身の行動をとれる由奈は、内気でも恥ずかしがり屋でも弱虫ではないんだと思う。


子供達はみんな、自分の都合や感情を優先するより、親の思いを敏感に察知して行動している。
そこに親が気づかないのが腹立たしい。


乾家の両親は子供を押さえつけるタイプで、こういう親の元では子供達も息がし辛かっただろうと思う。
兄の聡太は親の望む大学へ入り、ひとり暮らしを始めると我が道を進み始めた。
きっと「親が満足する大学合格」を自分の我慢のゴールに決めていたんだろう。
ここまでは親に付き合うと。
おかげで残された弟・和臣はよりいっそう重苦しい環境に置かれることになる。


朱里は、親の都合で何度も転校を繰り返すうちに、親の顔色を見たり周囲の人間の空気を読むことがうまくなり、その結果、明るくコミュ力高いキャラを生み出した。
本当はしんどかったのだ。
やっと、空気を読まなくても友達でいられる由奈という友達ができ、もう転校なんかしたくないと願っていた。


朱里が望んでいたのは“安定”だった。
まだ高校生なのに、一番求めているものが安定なんて、よほど環境の変化の繰り返しに疲れていたのだろう。
しかし、結局、朱里は空気を読む。
自分が我慢することで周りが幸せであることを優先した捨て身の判断だ。
そして、やっぱり両方の親は彼女の真意に気づかない。


10年後、この子達がどうなったのか、凄く知りたい。
朱里が望む人間関係がそこに存在すればいいけれど。

☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:

ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

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