堺屋太一は 『日本を創った12人』の中で、聖徳太子(厩戸皇子)を「神・仏習合思想の発案者」として、日本人の宗教観の「元祖」と延べている。『逆説の日本史』で知られる元報道記者の井沢元彦は『伊沢式「日本史入門」講座① 和とケガレの巻』の中で、日本人の宗教は「聖徳太子の憲法十七条の第一条にある『和』(和を以って尊しとなす)である」と書いている。どちらも日本人は無宗教ではなく、宗教観を作ったのは聖徳太子だと言っている。伊沢にいたっては「宗教は、人間の基本的な行動を決定するもの」だから、軽々しく「自分は無宗教だ」と言ってはいけないとも。
また、織田信長は比叡山を焼き打ちしているが、信長が宗教自体を弾圧した事実はないと、堺屋も井沢も言っている。いずれにしても、日本人は聖徳太子のおかげで宗教戦争とも無縁で平和に暮らせている訳だ。
井沢元彦という人は歴史モノ作家としては賛否両論あるらしいけど、こういうユニークな発想ができるライターというのが人気の秘密なんだろうなあ。