今さらながら世は短歌ブームで、NHKの『阿佐ヶ谷アパートメント』では“ホスト短歌”というのをやってた。ところで、なぜ“短歌”と言うのかというと、別に“長歌”というものがあるから。最近読んでる『井沢式「日本史入門講座」③天武系VS天智系~』に「万葉集は世界の非常識」という章があって、『万葉集』はアンソロジー(詞歌集)で、天皇から防人まであらゆる階層の人の歌が載っているのが世界でも異例ということらしい。
で、“長歌”とは何かとググってみると、五七を三回以上繰り返し最後に七音を加える形式で、“反歌”を伴うのが特徴らしい。『万葉集』に多く『古今和歌集』の頃にはなくなっていたそうで、例えば山上憶良(筑前守として大宰府にも赴任していた)の有名な歌 「子等を思ふ歌」
瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものぞ 眼交に もとなかかりて 安眠し寝さぬ
反歌 銀(しろかね)も 金(くがね)も玉も 何せむに まされる宝 子にしかめやも
というのが代表的なものらしい。
ちなみに“連歌”というのもあって、これで有名なのが明智光秀が「本能寺の変」の前に詠んだクーデターの決意表明の発句(連歌のスタートの歌)
時は今 雨や下しる 五月哉(本能寺の変は旧暦の6月)
詳しい解説は『井沢式「日本史入門講座」③天武系VS天智系~』を読んでください。