司馬遼太郎作品が一時期好きで、項羽と劉邦をはじめ、「国盗り物語」の斎藤道三と織田信長、「世に棲む人々」の吉田松陰と高杉晋作、「花神」の大村益次郎、「燃えよ剣」の圡方歳三(たまたまNHKの番組でみた新撰組の巻き物に、僕と同じ“圡”が使われてたのを見つけた)などの歴史小説を読み漁っていた。
しかし、友だちから見舞いでもらった「峠」の河井継之助の話を読んだとき、「こんな凄い漢が日本にいたのか」と感動したものだったけど、大河ドラマと同じで必ずしも史実どおりじゃなく、フィクションも交えたエンタメ作品だったんだと気づいてからは、しばらく司馬遼太郎からは離れていた。
そんなときにKindle Unlimitedで見つけたのが歴史学者・磯田道史の著作「司馬遼太郎で学ぶ日本史」。果たしてエンタメ小説から日本史を学べるのかと思ってザッと読んでみた。だけど、NHK出版から出た本だからなのか、作家を敬称で呼ぶのも不自然だし(先生と呼ぶよりマシか)、全文敬体なのも気になる。と思ってたら、最後に「『司馬遼太郎スペシャル 2016年3月(100分de名著)』の内容に加筆した上で、再構成したものです」と書いてあった。