前日、土曜日は曇り、紅葉狩りは最後の日曜日と決め、嵯峨野に出かける。
TVでは、京都の紅葉の名所を度々放映しており、其の中で、ふと気になったのが、
嵯峨野にある、”厭離庵”。
嵯峨野にある紅葉の名所は、何度か訪れた事はあるが、此処は見逃していた。
道中、広沢の池は鯉があがり、北嵯峨野の山々、嵐山、小倉山、すっかり色付き、
楽しませてくれる。
今年の秋は、なんだか暖かい日が多く、のんびりしている間に、季節は早足で進んでいるのだ。
・・・・・・”見渡せ、花も紅葉のなかりけり、浦のとまやの、秋の夕暮れ”・・・・・
この歌を詠んだのが、鎌倉時代の歌人、「藤原定家」。
利休のお茶の先生、「武野紹鴎」の、お茶に対する気持ちを表現した歌として、紹介されている。
満たされた後にあるのは、物質ではなく、精神の充足・・・・と言う解釈。
藤原定家が住んだ、山荘の旧跡が”厭離庵”。
近くに住みながら、歴史もともかく、ここがあったのも知らなかった。
庭に入ると、観光客が居ても、静寂が一面に広がる。
(紅葉のじゅうたん)
(庭の石も紅葉型) (今も湧き出る、柳の井)
はるか遠~~~い昔、こんな住まいの中、後世に残る歌が読まれるのも、当然の様な気がする。
ヨ-ロッパの風景をみていると、クラシック音楽が生み出された訳もわかる気がするし・・・・。
感性を育てるのは、周りの景色、環境が大いに関係あると、納得。
庭には、大正時代に作られた、4畳向こう切りの”時雨亭”があり、一層風情を感じる。
釣瓶落としの晩秋の午後、琴線にふれた一時となった。
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