つらつら日暮らし

マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・41

ドイツ宗教改革の発端にもなったとされるマルティン・ルターの『九十五箇条の提題』の日本語訳を学んでいく連載記事である。連載41回目である。なお、英訳された『九十五箇条の提題』を、当方で日本語訳して掲載することとした。

16〔41〕 使徒による恩赦は、主の良い愛のわざよりも好ましいと、人々が誤って考えないように、慎重に(言葉を選んで)説教されるべきである。
    訳は当方


この辺も、神や救世主、と被造物である人である使徒との違いを強調する内容だと言えようか。しかし、往々にして、人の前に立つ者は、説教の結果、自分に向けて尊崇を集めたくなるものである。上記内容は、それを否定したものであろう。説教者の無私なる立場を求めたのである。

【参考文献】
Works of Martin Luther:Adolph Spaeth, L.D. Reed, Henry Eyster Jacobs, et Al., Trans. & Eds.(Philadelphia: A. J. Holman Company, 1915), Vol.1, pp. 29-38
・マルティン・ルター著/深井智朗氏訳『宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」』講談社学術文庫・2017年
・L.チヴィスカ氏編『カトリック教会法典 羅和対訳』有斐閣・1962年
・菅原裕二氏著『教会法で知るカトリック・ライフ Q&A40』ドン・ボスコ新書・2014年
・ルイージ・サバレーゼ氏著/田中昇氏訳『解説・教会法―信仰を豊かに生きるために』フリープレス・2018年
・田中昇氏訳編『教会法から見直すカトリック生活』教友社・2019年

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