24〔49〕 キリスト教徒は、教皇の恩赦へ、たとえ信頼を置いていなくても、効果は有益だと教えられるべきである。しかし、それによって神への畏れを失うのなら、それは全くもって有害である。
訳は当方
贖宥状による救済(恩赦)は、その当時のローマ教皇の権威を高めるものであったが、ルターは、それによって神の権威が減少することを批判していたということである。しかし、実際には神への畏れを忘れること無く、自分自身の罪を償うにしても、それは神を相手に願うべきであって、現実界のローマ教皇相手ではないのである。教皇はあくまでも、「代理人」に過ぎないのである。
【参考文献】
・Works of Martin Luther:Adolph Spaeth, L.D. Reed, Henry Eyster Jacobs, et Al., Trans. & Eds.(Philadelphia: A. J. Holman Company, 1915), Vol.1, pp. 29-38
・マルティン・ルター著/深井智朗氏訳『宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」』講談社学術文庫・2017年
・L.チヴィスカ氏編『カトリック教会法典 羅和対訳』有斐閣・1962年
・菅原裕二氏著『教会法で知るカトリック・ライフ Q&A40』ドン・ボスコ新書・2014年
・ルイージ・サバレーゼ氏著/田中昇氏訳『解説・教会法―信仰を豊かに生きるために』フリープレス・2018年
・田中昇氏訳編『教会法から見直すカトリック生活』教友社・2019年
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