典虚てん手古舞

我が為の日々の記録! 74歳

済州島四・三事件と金時鐘さん

2007年03月25日 | 東アジアの片隅で 
 2000年の「済州島四・三事件52周年」は、「四・三特別法の
制定と在日の済州島四・三事件」と題して開かれた。
 第一部は「四・三特別法の制定とその意義」というタイトルでの
報告であった。
 報告者は、金英薫氏(済州島道議会副議長)と梁東允氏(済州四・三
特別法争取のための連帯会議運営委員長」のお二人だった。
 そして、第二部が「四・三と在日の恨・・・なぜ四・三を書いてき
たのか」と題した金石範・金時鐘の「対談」。

 このとき、金時鐘さんには、四・三の体験を告白する心の用意は
なかった・・・。「しかけ」といえば、しかけであった。
 金石範さんの問いかけの中で、語らざるえないような状況になり、
固く口を噤み、心の奥に閉じ込めてきた悪夢のような体験を、あたか
も切開手術をうけるかのように、
お話なされた。
 込み上げてくる涙を止めることも出来ず、グレーのハンカチで
目頭を時折押さえながら・・・であった。

 一週間後の東京・・・。
 おそらくは、必死に心や記憶の整理をなさったのだろう。B4の
紙数枚をもって、演壇に金時鐘は立った。
 長い数日間だったろうと思う。
 
 この対談をきっかけに、一年半あまりの歳月をかけて、『なぜ
書きつづけてきたか・なぜ沈黙してきたか』という一冊の本が、
文京洙の渾身の努力で、平凡社から出版された。

 もう喋りたくないという思いを抱きつつも、一方では、真実を
語り残しておかなければという相克のなかで、吹田事件について
も、金時鐘は、言葉を、心をひらいている・・・。

 http://6104.teacup.com/cheju43/bbs/

上記の掲示板には、昨年済州MBSのテレビクルーの取材を
受けられたときのことを書いた。

 この企画は、NHK大阪のS氏?
 何はともあれ、少し安堵の感もある現在である。

 今年の四・三事件の記念集会は、東京は4月20日(金)夜、
大阪は、4月21日に予定している。
 来年度は、60周年である。人間の齢で言えば、還暦だ。
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