典虚てん手古舞

我が為の日々の記録! 74歳

「意欲格差」という言葉を知らなかったけれども

2008年11月19日 | <記録・雑感>教育・学校・教員
 今日も彼はノートを提出してきました。
 なにが一体、彼に起こったのか、不思議でなんですわ。

 去年なんか、彼に社会科を教えていた講師くんが、テスト前に
少しでも点数が採れるよう、熱心に個人指導していたのに、答案
用紙は〈白紙〉のままだった彼です。

 ただ座っているだけ、指示してやっと教科書を開くけれども、
そこから何も変わらない彼です。

 どんな内容の授業をしていた時だったかは定かではないですが、
「ありゃ、話に耳を傾けている」とハッとしたことがしばらく前
にありました。
 顔つきが違っていました。たぶん、インスタント・ラーメン、
あれこれ持っていって、〈生産の集中〉の授業をしたときかしら
・・・。
 いや、ただ進度がすすんでいる他の学級で使ったカップ・ラー
メンをこのクラスに持っていって、〈予告編〉をしたときだった
のかな。

 「記号で答える問題くらい、分からなくても書け」「中ること
もあるよ」とテストについて言ってきました。
 それでも彼は〈白紙〉でした。

 〈0と1〉の差は、〈1と2〉の差より大きい・・・と生徒た
ちにいっています。ゼロって、「何もない」ということでしょ。
〈壱〉てのは、「有る」ということだと私は解釈しています。
 だから、テストの採点のときは、
白紙、空欄のままの場合は、淡い色で空いている枡に大きく斜線
をひいて、〈×〉にしています。
 空欄のときは柔らかい薄い色、色鉛筆で採点する・・・。

 ああ、色鉛筆を使うのは〈ズル〉防ぎです。正解の場合は、生徒
が書いた文字の上には、○をせず、誤答のときだけ、文字に重ねて
斜線で×をします。
 ボールペンとかだったら、消して答えを書き直して「せんせい、
違っています」と訂正を見破れない場合もありますからね。

 さて、話を戻すと、テストは、ピンク、オレンジばっかりだっ
た彼の答案用紙、記号で答える問題は「赤」に変わりました。

 「お前ら、これを知っておかんと損するぞ」「ずるいヤツに
かもられるぞっ」
 そんな思いでの私の授業が 彼の心に届いていての結果だった
ら嬉しいですがね。

 〈無知の悔しさ〉は父がわたしに残してくれた遺産なんです。
「刑務所がワシの学校やった」といったオヤジのです言葉がね。
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