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アマチュア無線、飛行機、鳥、猫、ドライブなど・・・。思いつくまま、気の向くまま・・・。備忘録程度に綴ります。

第一級アマチュア無線技士国家試験受験録

2021年04月10日 16時11分52秒 | アマチュア無線
 4月10日(土) 1アマ無線従事者免許の試験を受験しました。忘れないうちに受験記として残しておこうと思いまして書いてみました。

 私が子供の時、BCL(BroadCast Listening 世界中のラジオ局を受信して楽しむ趣味)やアマチュア無線が全盛期。BCLは機材があればだれでも自由に楽しめましたが、アマチュア無線は免許取得が条件になります。大人たちに負けじと免許を取得する子供たちがいました。ただ私の場合は無線よりスポーツの方に時間を割いていたので、いつかできたら面白いかもなあ、くらいでした。

 大人になって就職して、職場の仲間がアマチュア無線をやっていたのを見て久しぶりにアマチュア無線に興味を覚えたのが今から30数年前。映画「私をスキーに連れてって」の中で、トランシーバーを使って仲間とやり取りをする場面が出てきます。まだ携帯電話と呼べるようなものは一般的でなく、そのシーンに感化された若者(当時)が結構免許を取得しました。私もそんな一人です。

 最初は4級。続けて3級も取得。3級はモールス電信のリスニング実技試験があり、少しハードルは高かったのですが、モールスに興味があり、4級受かった勢いで勉強して取っちゃいました。

 でもそれ以上の資格は、自分には無縁の世界と本気で思っていましたし、実際にアマチュア無線を運用するときも3級まで持っていれば結構楽しめます。2級や1級に認められている送信パワーは実際必要ないなあ、とも思っていました。仕事も忙しいし、寝る時間を削ってまで勉強する程のやる気もありませんでしたし・・・。

 ただ、いつかは取得したいなあ、とずーっと思っていたわけです。たかが趣味の一つです。今のままでも良いのですが、先人たちが確立してきた無線という素晴らしい技術に対する理解を少しでも深められればそれだけさらに無線の楽しみも深まる、という事実は自分にとっての大きなモチベーションです。

 退職して使える時間が増えて、勉強を開始したのが昨年6月。順番どおりに次は2級を受けるべきなのでしょうが、覚悟を決して、一気に1級を目指しました。特に講習会や通信教育などに申し込むことなく、完全独学です。

 最初に使った書籍は「アマチュア無線技士国家試験 第1級ハム集中ゼミ(吉川忠久著 東京電機大学出版局)」でした。



最初は少しは解説がないと何が何だかわかりません。問題しか載っていない本は最初は全くわからず、買う気がしませんでした。

 勉強を始めた頃は法規も無線工学も聞いたことがない表現ばかりで参りました。3級取得してから時間がたちすぎて、きれいさっぱり忘れていたので、法規も無線工学も完全にゼロからやり直しです。特に無線工学で出てくる磁界、電界、フレミング右手の法則・左手の法則、キルヒホッフの法則、ミルマンの定理、交流回路、LRC回路などなど、わけのわからないことのてんこ盛りです。

 毎日欠かさず4時間~多いときは5時間くらい勉強です。最初はとにかくポイントをまとめながら、理解に努めました。とりあえずにでも1冊終えるのに1カ月くらいはかかりました。子供みたいですが、まとめている間に少しずつ頭に染み込んでくるのがわかって、効果が実感できるのが楽しかったですが、それでも今思うと一番きつい時期だったのは間違いないです。

 その本をもう一度やり直してみたのが7月中旬くらい。悲しいかな、わかっていたつもりのことが忘れていたり、わからなかったり。がっくり来たのを覚えています。でも頭も錆びついてきていますので当たり前かな、と思い直して、また一からやり直しました。やっていて気が付いたのは1回目の時よりもはかどるのです。わからないのだけど、頭のどこかにかけらが残っていて、初めてやり始めた時よりも早く進められるのが励みになりました。2回目は2週間くらいで終わることができて、続けてきたことは無駄にはなってないな、と感じることができたのが救いでした。

 その本を3回目にやり直したときは、結構スムーズに問題が解けるようになったので、調子に乗りまして次回の試験を受験しよう、と一度考えました。本の表紙のうたい文句も「これ一冊で必ず合格!」となっていたので、もうこれで大丈夫!って思ったのです。

 一応自分で実力を確かめてみなければいけません。ネットに過去問題を扱ったHPがあることは知っていたので、何年度の分か忘れましたが一回分印刷してちょっと力試しをしてみました。結果は・・・惨憺たるものでしたね。

 手持ちの本でやってきたことは氷山の一角?に思えてきて、ネットで入手可能な過去問題をさらにほかにも眺めてみたら、これは1冊の本だけ隅々までやってもだめだと知りました。もちろん12月受験は中止。本屋に行って入手可能な本を買い足したり、HPの過去問題も一通り印刷して、それらを全部やることに決めたのが8月下旬です。

 購入した本は当時書店で入手可能なだったもので以下の通りです。

「第1級・第2級アマチュア無線技士国家試験準拠 基礎からよくわかる無線工学」(JH1VIY 吉川忠久著 CQ出版社)

「アマチュア無線技士国家試験 第1級ハム国家試験問題集2020/2021年版」(野口幸雄著 CQ出版)

「第1級アマチュア無線技士 合格精選450題試験問題集」(吉川 忠久著 電機大出版局)

「これなら解ける!無線工学の計算問題 第1級アマチュア無線技士国家試験 計算問題突破塾」(吉村和昭著 電機大出版局)

「第1級・第2級アマチュア無線技士国家試験用 解説・無線工学2019/2020」(野口幸雄著 CQ出版社)

「アマチュア局用 電波法令抄録2021/2022年版」(一般社団法人日本アマチュア無線連盟 CQ出版社)



 9月から年明け2月までの半年の間は法規も無線工学も何回でも繰り返す、見てわかるようになるまで繰り返す、という感じで、急がず、納得いくまでやる方針でやっていきました。新しく購入した本もすべて3回(工学)~5回(法規)は解きました。自分の場合、特に無線工学の計算が全然でしたので、上記の本の解説にはずいぶん助けられました。おかげで自分にとっての難問を減らすのにとても役立ちました。

 1月下旬にネットで入手した過去問を5回分やってみたところ、今度はだいぶ手ごたえがあったので、ここで4月受験を決断。2月に受験受付開始。ネットで申し込み手続き、受験料入金を済ませ、退路を断ちます。2月~3月は仕上げとして、毎日欠かさず「公式チェック」「法規要点見直し」「法規問題」「無線工学計算問題」を一定量繰り返すことにしました。

 どうしても記憶が曖昧になってしまったり、出題の妙で引っかかってしまう問題があったり、問題や選択肢を読み違えてしまったり、長時間取り組んでいると頭が疲れてしまうのか単純ミスも出ます。ミスをしないよう集中力を保つのは難しいものですが、つまらない間違いも記憶を強化してくれる、と気にせずとにかく量をこなすことにしていました。この頃は大きな前進は感じませんでしたが、記憶が少しずつ確実になっていく感があって、それが勉強のモチベーションになっていました。

 すこしずつ本番当日が近づいてきて、4月10日受験日の1週間ほど前から落ち着きませんでした。特に前日や前々日はとっても困りました。勉強していてもなんだかそわそわして落ち着きません。不安になりました。何度もやってきたはずなのにやってしまうつまらないミスにがっかりするし・・・。一アマ取得の厳しさを再度思い知り、漠然とした視界不良の状態にどうにもできない不安がつのります。あまりに落ち着かなくてしょうがないので、試験前日は一日ドライブ&バードウォッチングして気分転換しました。まあ、現実逃避です(^-^;



 ツバメが渡ってきていました。キセキレイ、セグロセキレイ、モズ、カワセミ、ダイサギ、アオサギ、トビ、アオジ、ホオジロなど久しぶりの鳥たちに会えて気分一新。厳しい自然の中で暮らす彼らにとって春は子孫を残す季節。外敵から身を守り、連れ合いを探し、食べ物を探し、自分たちが安全に生きていく場所を確保するために必死に生きる彼らに迷いはありません。そんな彼らに勇気をもらって、迷わず今の実力で明日は勝負!と自分に都合の良いリフレッシュができました。(笑)

 さあ、試験当日の朝を迎えました。不思議とよく眠れて、朝は5時半にパチッと目が覚めました。準備して会場に向かいます。移動も順調で晴海の日本無線協会には8時45分に到着。



念のためちょうど一週間前同じ時間に起きて移動の実地踏査をしています。途中で何かあったときにどうすればたどりつけれるのかもシミュレーションしておきました。初めて行くわけではないのですが、まあ念のため、と称して勉強をさぼる現実逃避ですね。(笑) 移動中や直前の勉強は計算問題の公式チェックや法規のまとめをしていました。



 試験官の受験上の諸注意が終わり、9:30~12:00は「法規」の試験。こちらは順調でした。1時間くらいで終わって、会場を退出します。皆さん退出される方が多かったです。待っている間、無線工学の最後の勉強をする作戦のようです。私はおなかが空いてまず食事をとりました。朝のうちに近くのローソンで買ったおにぎり3個をほおばります。そのあと、午後の工学の試験に備え、これまでのやってきた問題の中で特に苦手だったもののダイジェスト版を自分でまとめてあったので、それと公式最終確認をやっていました。

 午後13:00~15:30が「無線工学」の試験。こちらは始まりから難航しました。やはり、過去問では見たことがないものに時間を取られ、1ページ目から頭の回転はMAXを要求され、混乱と緊張とでとってもスリリングでした。でもそんなことも含めて今日は楽しむぞ!と決めて臨んでいたので、なんだこれ?と思う問題も一つ一つ解いていくごとにリズムが出てきます。2時間後なんとか全部の問題が解けました。もちろんわからないものは自分なりの理屈から判断しての解答です。簡単ではありませんでしたが、全然歯が立たなかったという感じでもなかったです。残りの30分は見直し作業にきっちりあてて、途中退出せず終了時間まで試験会場に残りました。(試験問題はもらえます。あとで自己採点ができるように、試験中に答えを写しておきました。)

 終了後は結果が気になりましたが、さすがに今日は疲れました。ひとまず試験のことは忘れて、帰宅後はのんびりブログの原稿を書きながら過ごしました。

 翌日曜日は何もせずに過ごしました。疲れてしまって、何もやる気が起きません。昨日は気合入れて一日過ごしましたから普段のらりくらり生きている私の体には堪えたみたいです。車に乗って、平塚に出て、国道1号を使って横浜~品川~日本橋~秋葉原と抜けて、秋葉原で買い物をし、帰りは国道246号を使って帰りました。リフレッシュドライブ?です。

 夜になってようやく少しやる気が出て、無線工学の自己採点(自己流)をやってみました。試験中にこれは間違っているかもしれない、というものを印付けておきました。その段階では合格点+1点にしかならず、落ちたかもしれない、と思ったのも、今日一日疲れて何もやる気がしなかった理由です。でもゆっくり自己採点をやってみたら、合っているものがいくつかあり、余裕ができたみたいです。正解の自信のあるものと合計したら合格点の105点を10点くらいは超えられたみたいでで、ひとまず希望を持っても良さそうだなあ、と少し元気が出てきました。でもやっぱり自己採点だよなあ、明日のHP解答発表で違っているかもしれないよなあ、と考え、取らぬ狸のなんとやら、は止めにしました。

 日付が変わり4月13日(火)。今日はHPに解答が掲載発表される日です。でも朝から楽しみにしていたのに、なかなかHPが更新されません。今日は仏滅で縁起も良くないので、今日はもういいや、と思ったのですが、やっぱり気になって夜10時ごろHPを覗いてみたら更新されていました。すぐにプリントアウトして採点にかかりました。結果は、法規:150点中満点中143点、無線工学:150点満点中134点でした。



 それぞれ105点以上が合格です。法規のミスは後になって考えれば、いずれも残念な間違いでした。無線工学の方は、自分が試験中にやった自己採点では厳しめに見て106点でしたから、その感じよりはできていてホッとしました。

 解答の用紙のマークシート記入ミスなどがなければですが、目標の1アマゲット夢が叶いそうで(何度も見直したので大丈夫かと・・・。本当に大丈夫かな・・・?)今はわくわくしています。現実的には当方の住宅環境ではご近所さん迷惑をかけてしまいそうなのでハイパワーは出せません。これまでも3級の上限50Wを出すことはあまりなかったです。でもこれまで出られなかった10Mhz帯、14Mhz帯に出られるのは楽しみです。無線従事者免許ができたら、新しく局免許を申請して、1年じゅう、様々なバンド、モードで世界中の方々と無線を楽しめそうです。無線機などの設備も買い替えちゃおうかな、どうしようかな。楽しみが増えました。本当に良かったです。

 長くなりましたが、これから1アマを受験したい、という方の参考に少しでもなればと思って書きました。乱筆乱文お許しを。
#1アマ


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