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これは私の居住地の大阪府豊能郡豊能町が作品の舞台になっています。しかも、かつて何度もテレビ放映されてすっかり豊能町の名物にもなってしまいました”桜谷軽便鉄道”をお作りになられた豊能町にお住まいの持元節夫さんをモデルにした童話作品のようです。
物語は持元さんモデルにした物語の主人公になった岸本和夫という70代半ばのおじいさんと同じ住宅地内に住んでいて私立の小学校に通っている中沢法子(通称”のりちゃん”)という女の子との個人鉄道の建設によって築かれる心の交流をその鉄道建設に携わることによって芽生える人間模様と豊野町の自然の景観とを絡ませながら描いております。
物語のあらすじは大体次のようです。
岸本さんと”のりちゃん”は5月の連休の後半の休日に京都の亀岡に出かけてそこから約2時間ほどかけて保津川下りを楽しむ。そして、嵐山について二人で人力車に乗って嵯峨野散策を楽しむ。その後嵐山で昼食を取った後、嵐山からトロッコ列車に乗ってトロッコ亀岡駅に向う。トロッコ亀岡駅の駅前でで帰りのタクシーを待っている時に岸本さんは”のりちゃん”から住宅地内にもトロッコ列車のように楽しめる遊園地にあるような鉄道があればいいねと言われる。
そして、その1ヶ月後、奥さんを病気で亡くした岸本さんは同居していた純文学作家で独身の一人息子から「二人になって寂しいからいっそのこと自宅の周囲の庭に実用軌道のレールを敷設してそこに鉄道を走らせよう。きっと、”のりちゃん”を喜ぶだろう。」と言われる。
そこで岸本さんは息子と二人で鉄道建設の作業を行いッたったの約5ヶ月で自宅の周囲の庭に実用軌道のレールを敷設して更に内部に大型の電池を入れて走るSLで牽引した客車列車を走らせる。それが口コミで広がって多くの人が岸本さんの自宅を訪ねて来るようになる。そして、”のりちゃん”もこの列車に乗るようになるのだが実際に乗ってみて、「中に石炭を入れて煙を吐いて汽笛を鳴らして走らないからその点で迫力に欠けるからそれを開発して走らせたらもっと魅力的になって人気が出るのではないのかな。」と岸本さんに言う。それに対して岸本さんは「ここでは近所迷惑になるし、それにお向かいの家の奥さんが気管支が弱く喘息の持病があるのでここでは無理だ。」と言って諭す。
その後、年が明けて新年度を迎え、”のりちゃん”は小学校5年生になる。そして、10月になり彼女の通う豊中自由学園では体育の日の祝日に体育祭が開催される。その体育祭の午後の競技にで”のりちゃん”は徒競走に出場する。ところが、彼女が徒競走で走り出した途端観客席から40歳代の藤間茂という中年男が包丁を持ってトラック内に彼女目がけて突進していき彼女をつかみ倒して包丁で彼女の腹部を刺してしまう。それにより、彼女は病院に運ばれるがその途中で絶命してしまう。年が明けて3月に住宅地内に新たに新風台という土地が新たに開拓され、住民に分譲される。岸本さんは息子からのすすめもあり、新風台の1部を購入し、彼女への供養の意味も込め、彼女が生前中に乗る頃に憧れを抱いていた内部に石炭と入れて汽笛を鳴らして走る蒸気機関車を開発し、それで牽引して動く客車列車を走らせようと決意する。そして、近所の高校の社会科の非常勤講師をしていた契約切れで失職してしまった河村さんとインターネットでホームページを開設して、スタッフ募集を募り、それに応じてきた大阪府能勢町の宿野に住む1級建築士の資格を持て余している主夫の内藤さんと4人で協力して鉄道敷設作業を行いやがてその計画を実現させる。
大体のあらすじは以上の通りです。
この作品の大きく2つのテーマが組み込まれていると思いました。一つは文字通り持元さんの個人鉄道の素晴らしさ、もう1つはかつての大阪教育大学付属池田小学校の児童殺傷事件のことを風化させずに語り継ぐということです。
そして、思うに2つのテーマをうまく絡ませながら作者はひとつの物語を展開させて行ったように感じられました。児童文学で殺人は行き過ぎではないかという見方をされる方もおられるのではないかと思われますがやはりこうしたことも風化させずに文学作品を通じて反映させることも教育上非常に重要な役割・使命ではないかなと読者として思いました。
それにこの作品の作者の方も在住の方のようなのでまさに豊能町の郷土文学そのものだと言っても決して過言ではないのではないでしょうか。
私は豊能町を舞台にした、こんなメッセージ性の高い優れた作品ができたことを豊能町民の一人として非常に誇りに思います。これからもより一層多くの方々に読んでもらえたらいいのではないかなと思います。
、私はそれ以外の作品の評価というのか感想というものをコメントさせてもらおうかと思います。
というのはこの本には表題の作品以外にも『電柱とお月様』、『神主様がくれた3つのアメ玉』、『狸侍』という3作品が収録されていました。つまり、今回は4作品で1冊の童話集を御出版なされたというわけです。
それで4作品を読んでみて作者の河田さんの作品の相対的な傾向としては悲しみと幸せが抱き合わせのようになっていて悲しい思いの中にも暖かい人間愛のようなものが醸し出されていて読後にほのぼのといた暖かさを感じさせるという何とも不思議な魅力があるように思いました。
それで『”のりちゃん”の銀河鉄道』以外の童話作品に関しては次のような作品だという具合に判断致しました。
以下、作品毎に個別にその評価を明記しておきたいと思います。
①『電柱とお月様』
人工の電柱の光と力強い不思議な月の光が競い合い 醸し出す光景を、一組の男女を背景にメルヘンとして 描いた夢と詩情が溢れる童話作品だと評価できると思 う。
②『神主様がくれた3つのアメ玉』
悪さ好きの河童のゴン太が神主様の教え通りに与 作夫婦の困難を助けて、その結果人間に生まれ変わり 幸せになるという不思議な物語である。昔話の雰囲気 を作品の構成に十分に盛り込んで、ほのぼのとした懐 かしさのような感情を味わえる郷愁を誘う作品と評価 できると思う。
③『狸侍』
大野忠正という武士と狸のポン太との出会いから物 語は始まる。この両者の心のふれあいとその後の顛末 を描いた時代ものの童話作品。幕藩体制に生きる武士 の学問と武術への考え、生き方がよく理解できる大人 も充分に楽しめる読み応えの感じられる確かな作品だ と言えると思う。
以上がその他の3作品に対する私なりの評価です。思うに河田さんの作品はこの4作品を読んだ限りにおいては物語の構成が比較的しっかりとしていて大人が読んでも充分い読み応えの感じられる内容的にも完成度のかなり高い作品だと言えるのではないかなと思います。これからももっと人の心を打つような魅力ある作品を書いて欲しいなと個人的には思いました。これからの方だと思います。
私自身関西大学の卒業生だが先日、自宅に届けられた関西大学校友会の機関誌『関大(第544号)』に『”のりちゃん”の銀河鉄道』の記事が書かれているのを見ました。
この機関誌に掲載されるということはどうやら著者の方は関西大学の卒業生の方のようですね。
自分と同じ大学の卒業生の方がこうして本をお出しになられたのには非常に敬服を致します。
また、自分の北摂地域の住民なので取り寄せてみたいなと思っております。あの、テレビで何度も放映されてすっかり茶の間にお馴染みになられた持元 節夫(もちもと せつお)氏の”桜谷軽便鉄道”をモデルにした童話ですか。一度、どういうお話しなのか一度読んでみたいなと思います。楽しみですね。
河田さん本人の投稿では?