卿塵(けいじん)/巫女…リウ・シーシー(劉詩詩)
元凌(げんりょう)/皇帝…ウィリアム・チャン(陳偉霆)
元湛(げんたん)…シュー・ハイチャオ(徐海喬)
元澈(げんてつ)/第十一皇子
元安(げんあん)/皇帝
元漓(げんり)/第十に皇子
朶霞(たか)/阿紫族公主
「別に」と言って立ち上がる元凌。元澈は従者たちを下がらせる。
「予想したとおりの知らせが雍州から届いた。簫続は都にいるが、雍州の梁軍に動きがある」と届いた知らせを渡す元澈。それを見ながら「龍涸か洮陽だろうな。攻撃するならば、簫続はどちらかの城を選ぶ」と元凌は言う。
2つの城は魏国と阿紫族の領地に近いため、元凌は城内におびき入れ、兵糧を断たせることにする。しかし元凌は「こたび、お前は都を守れ。出陣は許さぬ」と元澈に言う。いつも副将として伴っていた元澈は納得せず「采倩のためだ」と言う元凌。それを聞いた殷采倩は「配慮なんかいらないわ。私は英雄に嫁ぐのよ。戦う機会を澈から奪いたくない」と言う。私のことなら平気よ、凌兄さんが卿塵を娶るまで私たちも結婚しないと。
元凌は「万一を恐れぬのか?」と殷采倩に聞く。殷采倩は「怖いけど信じている。澈は幼い頃から私を守ってきてくれたもの。必ず生きて戻り、私を娶るはずよ。地の果てにいようと、私が連れ戻す」と答える。2人の気持ちを聞いた元凌は「少し考える」と言う。
“春のように美しい、清らかな翼”と晶に刻む元湛。そこに李麟が来る。「命令どおり兵を置きました。簫続は都から逃げられません」と報告する李麟。元湛は「朶霞公主は凌王府の者が守る。我々は簫続がいる宿場を見張ろう」と言う。
李麟は「今日、殷殿が再び貴妃様の元へ」と話す。元湛は靳慧を呼び「母上の誕生日が近い。ご機嫌伺いに行き、何を必要としているか調べてきてくれ」と頼む。
靳慧が部屋を出て行き、李麟は「靳さんをお疑いなら、湛王府から追い出しては?」と言う。しかし「哀れな者は恨みを抱えやすい。恨みを抱える者はまた哀れだ。慧にとって湛王府は唯一の居場所。常軌を逸しない限りは留め置こう」と言う元湛。それに母上を傷つける必要もあるまい、やり方はどうであれ私のためを思っているのだ、と。李麟は「殿下にとってはすべて余計なのでは?」と聞く。元湛は「欲しいものがすべて手に入るわけではない。皇帝になろうと得られないものはある」と答える。
殷家、鳳家、衛家だけでなく、太学士までもが元湛を皇太子に推し「朕の息子がいかに優秀かようやく分かった。朕より人望がある。霊州の地方役人のみならず、すべての権門まで湛の即位を望むとはな」と言う元安。奏状はまだ半分残っていたが、卿塵に「代わりに確認せよ」と言い、元安は外の空気を吸いに出て行く。
衛家と殷家は分かるが、なぜ鳳家まで湛王を?と思う卿塵。奏状を見ると元凌と親しい役人まで元湛を推していた。考えた卿塵は「まさか元湛を倒そうとしているの?」とつぶやく。
寝所に戻る途中で元湛と会った卿塵。卿塵は「数日ぶりですが、ご多忙で?」と聞く。元湛は「多少な。兵糧の調達に奔走していたのだ。皇太子の件で煩わされねば、もっと早く終えられた」と答える。卿塵は“陛下の態度を探っている。目的は何かしら?”と思う。
「君に贈りたい物があって来た」と玉牌を見せる元湛。ハッとして手に取った卿塵は「なぜ氷藍晶を?」と言う。元湛は「偶然、入手した。霊石ゆえ君の役に立つかと。本来の持ち主は巫族だ」と話す。「“寄り添い互いを想う比目魚 春のように美しい清らかな翼”」と霊石を見ながら読む卿塵。
元湛は「巫族が持つと、この石にどんな力が宿る?」と聞く。卿塵が「氷藍晶は相手の心を読み取るとか」と答えると「誠に?」と元湛が言う。2人は試すことにする。
卿塵が手の平に玉牌を置く。それに元湛が手を重ねる。2人は目をつぶり、心を読む。
「何が見えた?」と元湛が尋ね、卿塵が「ほほ笑んでいる私がいました」と話す。元湛は「当たっている。君が生涯、笑っていることを願う」と言う。卿塵は「殿下は何を?」と聞く。元湛は笑うだけで答えず「“君子は玉のごとし 明玉は水に似る”」と言う卿塵。
婚礼の日。1人、部屋にいた朶霞が襲われる。そんな刺客たちを朶霞と元凌が倒す。
梁国の刺客に朶霞が襲われたと知り、怒った木頦沙は「命で償わせる」と言って出て行く。
城外へ出た簫続たちを、元湛と兵が取り囲む。現れた元湛に「魏国は二枚舌を使い、信用ならぬ」と言う簫続。「友には信義を尽くすが、敵は周到に欺く。それが戦だ。辺境を犯し、阿紫族を圧迫する梁国こそ信用を置けぬ」と言い返す元湛。元湛は兵たちに「簫続を捕らえよと命じる。
元湛と簫続が戦っている中、毒人形を率いた武娉婷が現れる。
元湛と兵たちが毒人形と戦っている間に、簫続と柴項は逃げてしまう。
慌てて駆けてきた孫太監が、元安に「凌王殿下と朶霞公主の婚儀で一大事が。梁国の刺客が現れたそうです」と伝える。刺客は全員捕らえ、それだけでなく暗巫の残党も捕らえたとか、ただ廬陵王を逃がしましたと。元安は「巫族と阿紫族を利用するとはな。凌が使う手は奇抜で思いもよらぬ。現在の状況から鑑みるに、梁国には楽勝できよう」と言う。
逃げていた簫続と柴項は木頦沙に襲われる。そんな2人を助けたのは元溟だった。死んだと思っていた元溟から「四兄上は梁国に勝利するため、朶霞と結婚した。すべては帝位を簒奪する布石だ。私はその陰謀に気づき、口封じに命を狙われた」と聞かされる木頦沙。さらに元溟は「四兄上は玄甲軍を率いて阿紫族の領内を通って梁軍を撃退しに行くはず。つまり玄甲軍は阿紫族の本拠地を襲撃できる」と言う。
「このまま朶霞が元凌に利用され、阿紫族が滅ぼされるのをまんじりと見ているつもりか?我々と手を組み、元凌を排除してはどうだ?」と言われたうえ、簫続からも「水面下で我々に協力してほしい」と頼まれる木頦沙。木頦沙は「元凌は殺してもいいが、公主は殺すな。お前たちが阿紫族に牙をむけば、皆殺しにしてやる」と言うと、その場を去っていく。
元溟は「魏国に留まる必要はない。帰国して阿紫族を攻めよ。木頦沙と呼応し合うなら、玄甲軍を撃滅できよう」と簫続に告げる。「その時には溟王が玄甲軍の総帥を始末するのだな」と言う簫続。
元安は4つの杯を孫太監に見せ「これらの杯の中で、最も有用なのは?」と聞く。「それぞれに長所が。ただし茶を飲むだけなら、どれも同じかと」と答える孫太監。元安は「金杯は香りを深め、銀杯は茶を柔らかくする。玉杯は味を深め、磁杯は茶を澄ませる。同じ茶でも異なる杯に入れると味が大きく変わるものだ」と話す。これらはすべて朕が愛する杯だ、金杯は辺境の守りを固め外敵を入れない、銀杯は清廉な政を行える、玉杯は見識が高く品性があり度量も広い、どの杯をどの程度まで使うべきかしっかり熟考せねばならぬ、と。
孫太監は「そうしますと金杯は凌王殿下ですね。銀杯は湛王殿下で、玉杯は灝王殿下を表しているのでしょう。しかし磁杯は…」と首を傾げる。磁杯を手にした元安は「磁杯にも用途がある。だが朕にとっては巫女にすぎぬ。手を離した瞬間に、粉々に砕け散るであろう」と言う。
「3人の息子たちには、巧みに策を弄する能力があり、誰もが政変を起こせる。だが天下を覆させはせぬ。ようやく凌の執心を収めることができた。続いては湛をどう処分するか、じっくり考えねば」と言う元安。
殷貴妃は蓮池宮へ行き「なぜ、こんな寂れた場所へ?」と聞く侍女に「脳裏に焼き付けたくて来たの。ここの女主人は何十年も宮中に居座り、私の道を邪魔してきたわ。今や私の合図1つで命を奪えることを、まだ気づいていない」と話す。「皇宮から追い出せばいいのでは?」と言う侍女。殷貴妃は「焦らないで。皆に推挙された湛が、間もなく皇太子になるわ。物事は着実に進めなくてはね。陛下に知らしめるわ。最後まで添い遂げるのは、どの女子かをね」と言う。
元凌、元湛、元漓、元澈、元灝は一緒に酒を飲む。元灝に「間もなく朝政に戻れるはずだ」と言う元湛。しかし元灝は「今の暮らしが性に合ってるゆえ、戻りたくない」と言う。元漓が「じきに開戦だ。皆で集まる暇もなくなる」とため息をつく。「そうだな。私と十一弟は戦場へ」と言う元凌。元漓は「なぜ私を軍に加えない」と元凌に言う。「お前には無理だ」と言う元澈。元凌はそんな皆を見ながら“皆とは本当の兄弟ではない。政変が起きたら、どんな関係になるのだろうか”と思う。
「酔いを覚ましてくる」と言って、皆から離れた元凌の前に卿塵が。
「分からないの。なぜ理由もなく権門と太学士たちが、突然、湛王を推挙したの?」と聞く卿塵。元凌が「さあな」と返事をすると、卿塵は「あなたの腹心の杜君述や羅玄も湛王を選んだわ。あなたの指示?」と言う。「だったら何だ」と言う元凌。卿塵は「どうして?陛下は皆の支持を集める者を嫌う。湛王が危険に陥るわ」と言う。元凌は「理由は分かるはず」と返す。
「でも、あなたらしくない。兄弟は傷つけないはずよ。湛王には皇太子位を奪う気なんてないわ。梁軍との戦も湛王の協力が不可欠よ」と言う卿塵。元凌は「皇族の本心は測り難い。なぜ七弟が無欲だと決め込む?開戦後、私の邪魔をしないとは言い切れない」と話す。卿塵は「しばらく湛王府に住んでいたから分かる。離れたあとも湛王の一挙一動を見てきたわ。湛王は他人の隙につけ込んだりしない。冷淡に見えるけれど、とても情の厚い方よ」と言う。元凌は「過去はどうだ?帝位のため犠牲を顧みなかった」と返す。
卿塵は「かつて湛王が帝位のために兄弟を害したと?」と言う。「手遅れになる前に、災いは未然に防がねば」と言う元凌。卿塵が「私は湛王を信じているわ」と言い、元凌は「なぜ、そこまで?」と聞く。「湛王を理解しているからよ」と答える卿塵。元凌は「なぜ私を信じず、詰問するような真似を?」と言う。卿塵が「そんなつもりは…。冷静になりましょう」と言うと「また後日に」と言って元凌は行ってしまう。
卿塵は「湛王との間に何があったの?」とつぶやき、歩き出す。元凌は振り返ると、そんな卿塵を追いかけようとする。しかし吐血をし動けなくなってしまう。卿塵もまたその場に座り込み、右手が一瞬、透ける。さらに着けていた玉の輪も割れてしまい「この間と同じね、玉の輪が割れた。元凌を問いたださないと」と言う卿塵。
卿塵が元凌の元に行こうとし、元凌は急いで隠れる。そんな卿塵を元湛が呼び止める。卿塵が「なぜここに?」と尋ねると、元湛は「大兄上の元にいた。四兄上は?」と言う。
ーつづくー
我がままばかり言ってるような印象の殷采倩が、元澈を戦に送り出す覚悟をこんなに強く持っていたなんて(✽ ゚д゚ ✽)
卿塵の幻影はすごく心配だけど、きっと元澈なら殷采倩のために生きて戻ってくれるはず!!
襲われた朶霞が婚礼衣装で戦う姿がかっこ良かった!!
でも木頦沙は残念なことに…。
あの2人は信じちゃ駄目な人!!!(o´д`o)=3
そして最も意外だったのが元湛!
元湛がこんなに強いとは思わなかった。
簫続と戦えるほどの腕前だったとはw(*゚o゚*)w
とうとう、もう1つの玉の輪も割れちゃった(;△;)
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元湛、本当にいい人になっていますよね。
相手を思う心で満足しようとする律し具合が素晴らしいです。
自分に推挙が集中していることは気になっていないのでしょうか。
捕らぬ狸の皮算用ならぬ、殷貴妃の票読みが。。。
元凌の体調は本当に大丈夫なのでしょうか。
心配です。。。