Entre ciel et terre

意訳して「宙ぶらりん」。最近、暇があるときに過去log整理をはじめています。令和ver. に手直し中。

vol.4 血清

2020年03月29日 | 日々雑感
「新型コロナ」の騒ぎとまるでそっくりな小説『ペスト』恐怖の世界

コロナ流行を「10年前から予言」と噂される小説の中身

更新予定ですが、まだ内容を決めあぐねています。
もうしばしお待ちください。

---------- 以下、更新しました。 ----------

 たとえば、諸君の愛する人々が埋葬を必要とすることになった暁に、いかにして埋葬を受けつけないでいられるか、ひとつうかがいたいものである。
 (新潮文庫 p.255)



 ペストを考えていると、世界史の内容を思い出す。死を想え(メメント・モリ)なんていう言葉があったが、現代の新型コロナはそのような話まできているのだろうか。

 午後、yahoo! ニュースにまたこんな記事が。ブリューゲルの「死の勝利」も引用されていて、このときのペストを思うヨーロッパの人々と、現代の人々が新型コロナを思う感覚の相似性がどの程度なのか、少々気になる。
(不謹慎ながら、欧米の死者数の増加を見ると、ペストを容易く想起しやすそうな気もする。やはりヨーロッパは、ペストの衝撃が強かったといえる。)

 上のニュース記事は、小説の後半部分が引用されいるらしい。私はまだ読み途中なので、この記事はサクッと読み流したが、
 世界史的にはペストの終息の頃とルネサンスや宗教改革、大航海時代など、ヨーロッパの新たな局面を迎えた時代がほぼ重なっているところが注目される。

 ということは、この新型コロナが終息する頃、もしかすると世界は何か新しいムーヴメントが起きているのかもしれない。
 それが、5Gとかに代わる高度情報技術的なもの(テレワークとか? 新たな働き方改革?)なのか、はたまた宇宙開発や、国際関係の変化なのか、大変興味深く、注視していくべきものと考えてみる。



 患者の死に際や、病状の様子がやはり生々しい。この部分だけは、どこを読んでも頭の中でイメージができ、悲惨な様子がうかがえる。
 血清を打ってもらったけれど、効果のなかった少年が息絶えるシーン。

 ところが、突然、ほかの患者たちが沈黙した。リウーはそのとき、少年の悲鳴が弱まっていたことと、それがさらに弱まり、そしていまとだえたことに気がついたのであった。彼の周囲では、うめき声がまた始まった――しかし忍びやかに、あたかも今しも終りを告げたその戦いのはるかな反響のように。なぜなら、戦いは終りを告げたのである。カステルは寝台の向う側にまわり、そしてももう終ったといった。口をあけたまま、しかも声はなく、少年は、乱れた布団のくぼみに急にちっちゃくなり、涙の名残りをとどめて横たわっていた。 (新潮文庫 p.320)

 新型コロナに罹った患者さんの動画が、ニュースでも放映されていました。
 罹ったときの話なども聞いています。そんな話と、やっぱりこういう小説の部分が重なって見えてきてしまうと、先人の知恵に学ぶものもあるような気がします。

 VUCAの時代と言われていますが、不条理文学が人気出ている理由でもあるのかも知れません。

 続く。 




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