ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

怨霊

2009年05月14日 | 思想・学問

  先日、武満徹がテレビで言っていました。
 「絵を描く人は見えないものを見ようとし、作曲する人は聴こえないものを聴こうとする」
 現実の奥にあるものを見ようとするのが芸術です。
 現実を分析する学問とは似て非なるものですね。
 私は日々、ありえない事件や出会いを妄想し、書き留めたりしています。
 宗教はどうでしょうか。
 神仏を信じるということはこの世ならぬものを見ようとし、そこから正しい生き方を学ぶものであると思います。

 高校生のころ、国語の教師が、
 「平安時代には、本当に妖怪や怨霊がいたんです」
 と言っていたのが印象に残ります。
 もちろん、それらが実在した、という意味ではありません。
 それらの存在が信じられ、実在として当時の人々が感じていた、というほどの意味でしょう。
 子が親を殺し、親が子を殺し、無差別殺人や大量虐殺が行われる現代、妖怪や怨霊が実在すると考えたほうが、人を倫理的にするのではないかと思ってしまいます。