円が1ドル=76円25銭の史上最高値をつけたそうですね。
戦後の固定レートでは1ドル=360円だったと記憶しています。
その後変動制に移行して、私が子どもの頃は大体1ドル=250円くらいと覚えさせられました。
バブルにいたって1ドル=120円くらいまで上がって、日本人は米国などの土地を買いあさり、海外旅行に出かけては買い物しまくって、強い円の恩恵に浴しましたね。
日本の景気が上向きの時、天井知らずの円高が進行するのを見るのは、どこか誇らしくもありました。
東南アジアに旅行して、地元で買い物する際、自国の通貨を嫌うどころか、ドルより円をねだられたことも数知れません。
私は経済に関してド素人です。
だから当然、なぜ世界一の借金大国で、貿易も31年ぶりに赤字に転落した今の日本の円が上がり続けるのか、不思議で仕方ありません。
新聞を読むと、円高というよりドルとユーロが異常に安いのだとか、わが国の国債はほとんど日本人が買っているので、国際的に見て借金という認識が薄いのだとか、消去法で円を買うしかないのだとか、様々な解説が試みられていますが、どれも腑に落ちません。
通貨が買われ、結果的に価値が上がるということは、平たく言えばその通貨を欲しがる人が多く、なぜ欲しがるのかといえば安全な通貨だと信用されているからに違いないと思います。
しかるに、なぜ、今?
輸入品を購入したい人とか海外旅行に行きたい人にはありがたい話でしょうが、こう猫も杓子も円高に耐えられず工場や事業所を海外に移転したのでは、わが国の産業が空洞化するのは火を見るより明らか。
政府・日銀はさかんに介入を行っていますが、経済ばかりは水物で、焼け石に水。
某経済学者は1ドル=50円時代の到来を予測し、それに耐えうる産業構造を作り上げろと言っていましたが、どうやって?と尋ねたら、黙り込むしかないのです。
大体経済学者の未来予測ほどあてにならないものはありません。
人によって言うことがまるで違うのですから。
一種の占いみたいなものです。
円の真なる適正価値というのがどのくらいなのか、私には想像もつきませんが、ドルにしてもユーロにしても信頼を取り戻し、円に頼る構造を是正するよう努力してもらいたいものです。
経済学者の真似をするなら、ユーロは早晩崩壊し、昔のようにフランスはフラン、ドイツはマルクというように、各国が独自の通貨を持つようになるものと予想します。
現にユーロ離脱の動きは始まっていますから。
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