ひきこもり

親族に二人ひきこもりがいる。

二人とも男性。

一人は、学生時代に教授とケンカし、中退してしまったらしい。

頭は良くて、曲がったことが嫌いらしく、厳格で妥協が苦手。

そんな性格だったらしい。

私よりいくつか年上だが、幼い頃に家族で彼の自宅に泊めさせてもらった際、彼から意地悪をされて大泣きして以来、彼とは一言も話したことはない。

中退後は定職につかず、現在も未婚である。

母親が料理上手で、外食は一切せず、自分とは大違い。私は外食大好きで、チャンスあれば外食しようとした。＾＾

そんな母親が不慮の事故で十数年前に入院し、生死の境をさまよった。本人と父親で交互に看病したらしい。

看護の甲斐あり、危機は脱したが入院生活が長くなり現在は認知症ときく。

父親との仲は悪い。

本人が還暦越えているから、両親は間違いなく高齢だ。

遠く離れているので会うことはないが、恐らく彼の年金掛け金は親が支払ってきたであろう。

年金生活となっても、この先の不安はないのかも知れない。


もうひとりの「ひきこもり」は、高校時代に担任と衝突し、高校中退。

彼も曲がったことが大嫌い、頑な性格の持ち主。

担任との衝突も先生の誤解だったらしいが、相手を説得するような術はなく････

中退後、猛勉強して大検に合格し進学した。その後、大学院に進むも、親に言わせると些細な事がきっかけとなり、授業に出なくなってしまったらしい。

親が休学手続きをするも、数年後に退学。

当時、親元を離れ一人暮らししていた。

私は親に頼まれて、休学中の様子を一度だけ見に行ったが、部屋の明かりは点いていて、「生きているみたい」とだけ報告した。

それからもう１０年以上経つが、退学後もそのアパートに住み続けているようだ。

当時、家賃は親が払っていたそうで、恐らく現在も親が払っているのだろう。

彼はまだ３０代前半だから、いくらでも職はあるだろうが、現在何をしているかは知らない。

結婚したと聞こえてこないので、未婚のままであろう。


そんな何十人もいない親族の中に「ひきこもり」といえそうなのが二人もいる。

暮らしづらい世の中になっているのか、それともひきこもっても暮らしていける、良い世の中になっているのか････