第35期受験直前講座
(4)リアクタンスその1
今回から3回に分けて電気回路で重要なリアクタンス
についての 要点と演習問題の出題をいたします。
解き方については、次回ご説明します。
<コイルのリアクタンス:XL>
回路において電流の妨げとなるのは、 インピーダンス
:Zです。
皆様は、電流を妨げる物と聞いて抵抗:R を思い浮かべ
る方が多いと思いますが、それだけでは、 電気回路の
問題を解く事は、出来ません。
抵抗は、直流回路においても交流回路においても 同じ
く電流を妨げます。
今回出題します RL 回路においてコイルは、 導線で出
来ていますので、直流回路においては、 ただの導線で
すが交流回路においては、 周波数によりその値が変わ
るリアクタンスになります。
(コンデンサーの場合もリアクタンスは、周波数により
その値が変わります。)
リアクタンスは、コイル または、コンデンサーによる
交流に対する抵抗成分です。
コイルによるリアクタンスは、XL と表記します。
また、その値は、 抵抗:R が実数であるのに対してリ
アクタンスは、虚数 になります。その実数部分と虚数
部分のベクトルを 合成したものが インピーダンス;Z
です。
Z= R + jX
交流回路において 抵抗だけの回路が あったとしますと
その場合は、虚数部分がありませんので Z = R となり
ますが、この場合も、Rは、リアクタンスが”0” のイン
ピーダンスになります。
注・・・図の番号が順不同になっています。
それでは、今回の演習問題のヒントです。
コイルのリアクタンス:XL は、
XL = ω・L [Ω]
(ω= 2πf)
と言う事です。
それでは、問題です。
演習問題(3)
[1] 図-2 の回路のインダクタンスは、3 [mH]です。
電源の角周波数 ω が1000[rad/s]であったときの
誘導性リアクタンス:XL を単位を含めて答えて下
さい。
[2] 図-2 の回路の合成インピーダンス: Z を求めて下
さい。( Z は、ベクトルですが、ここで問われい
るのは、その絶対値である大きさZ です。)
[3] 図-2の抵抗:R の値を求めて下さい。
※図-2でコイルのリアクタンスは、XLと表記しています
。
解答と その導き方については、 次回お話をします。
また、次回は RC 直列回路でのリアクタンス:Xc につい
て考えてみます。
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