ココロの旅はまたまだ続く

記録に残しておきたい事なんでも書いちゃいました

マリア

2020-07-04 22:07:32 | 日記
会社の上司に騙されて
借金を背負う羽目になった

勿論その上司はクビになったけれど
それをきっかけに借金は膨れ上がった

そんな時
ある夜の店のママさんと知り合いになった

昔は東京に住んでて
女優さんもやってて
映画にも出てたりして…


ある日1人で飲んでたら

いつ食事に誘ってくれるの?
って聞くから


またまたそんな事言って
騙されないからね!  

って返したら


明日行こうよ

まさかそんな人が
普通のサラリーマンなんかに?

信じられない気持ちで
約束の時間に待ち合わせ場所に行った


真っ赤なスポーツカーで
現れて

あたしの車で行こうよ!
って…

行きたいところある?
って聞くから

オレが大好きな海に行かない?
って運転を代わった


道中お互いにいろんな話をした

やっぱり思ってた通りだったって言われた


とにかく

海に着いて
思い切り走って

笑って
 
お腹がはち切れそうなくらいに食べて別れた


いつの間にか
休みの度に会うようになって

ママが
音楽プロデューサーと離婚した事や
2人の子供がいる事
借金を背負わされて夜の仕事してる事を
話してくれた  


綺麗な容姿とはいえ180度違って 
遠慮のない感じにいつの間にか
心をひかれて
付き合い始めた


そんなちょっとした幸せと同時に
借金は膨らんで

頑張れど頑張れど

生活はきつくなって行った

そんな時に
郵便受けにあった請求書を彼女が見付けて


同じ金額を封筒に入れて
渡してくれた


こんな事しなくていい!
自分の蒔いた種は自分で何とかするから


自分だって大変なのに

と怒ったら
  
私はキリシタンなの  

自分に少しでも余裕があれば
もっと困ってる人を助けなさいって
教えなの


だから…


仕方なくお金は借りた

けどそれからがむしゃらに働いた

そして 
ボーナスの日に
1番に彼女に渡した


嬉しそうに
ニッコリ笑って


ありがとうって

けど、彼女はその後

もっともっと大きな借金を
返す為に

半分身売りの

大きなグループの
飲み屋のママになった
 
 
結果別れてしまったけど
別れる少し前に

あなたを守ってくれるからと


マリア像の御守りをくれた


今でもお節介なのは
彼女のお陰なのかも?


元気で暮らしてるかな?














やさしさに包まれて

2020-06-03 22:56:47 | 日記
家は小さな村で唯一の雑貨屋さんだったから

それこそ食品から文房具まで
なーんでも売ってた

だから買い物しなくても

夕暮れになると
みんなが集まってきた


そんな中に…

小橋のばあちゃんはいた

大きな体なのにやさしくて
いつも大声で笑って

ちいさなオレを見付けると


必ず


男は度胸
女は愛嬌だよ!!

ガハハハハ
って笑った

小学生になるとじいちゃんと
二人暮らしの
小橋の
ばちゃんの家に

つくしやわらび





いたどりや



時には沢山採れた魚も届けた


いつもありがとね


いいかい、どんな時も
男は度胸
女は愛嬌だよ!


って
また笑った


ある日小橋のばあちゃんが

誕生日には何が欲しい?
って聞くから


テレビでみた
大きな誕生日ケーキ食べてみたい

って言ったら
 

おじいちゃんに頼んで
町まで行って

二人で
誕生日ケーキ買って
持って来てくれた


田舎に住んでる年寄り夫婦には

町まで行ってケーキ屋さんを探して
買って来るなんて事が
どれだけ大変だったか…


それでも
大切に 
大切に
バスを乗り継いで

買って来てくれた


父ちゃんに叱られて

田んぼの隅で泣いていた時も


おばあちゃんは


悪い事をした時は
ちゃんと謝るのが男だよ

だから泣かないで


男は度胸だろ?

って

家に送ってくれた


じいちゃんが先に亡くなってからも
本当は寂しいくせに…


いつも大きな声で笑ってた


中学生になって
修学旅行から帰ってきたその日


小橋のばあちゃんに
お土産を持って行こうとした時


母ちゃんが

小橋のばあちゃんは
居ないよ


って教えてくれた

何で?

どっかに行ったん?

と聞くと
 

昨夜心臓が悪くなって
病院に行ったけど間に合わなくて
死んだんだよ

と…


悔しくて悔しくて

ばあちゃんの家に行ったら


大人達が沢山集まってて
お葬式の準備をしてた


そんな中

ある人達が話して居るのを聞いた


ばあちゃんはその夜
心臓が苦しくなって

本当はすぐ近所の家に行けば
助かったかも知れないのに

そこの家に嫁いできた嫌味な嫁と
いつもケンカしてたから


何キロも離れた家まで

発作を我慢しながら歩いて行って
助けを求めたと…


ばあちゃんのお葬式には

今までずっと離れて暮らしていた  
息子も来てると聞いた


盆も正月も

一度だって顔を見せた事のない


息子…


何でじいちゃんとばあちゃんを
ほっといた!!


腹が立って 

父ちゃんに
いまから行ってぶん殴ってやる!

と家を出ようとしたら


子供がが口を出す事じゃない!

黙っとれ!

と叱られた



せっかく買ってきたお土産を
お供えしてくれと

父ちゃんに渡した

小橋のばあちゃんが亡くなってから
何年も経って


だんだんばあちゃんとじいちゃんの
小さな家が

木が繁り
草が生え

山に包まれて行った




いつも実家に帰って
墓参りを済ませると

小橋のばあちゃん家の
側に行って


ばあちゃん帰ってきたよ

と一礼する


何かね、

頑張って生きてるかい?

男は度胸!
女は愛嬌だよ!


ガハハハハって
聞こえてくる様な気がする











 












ばあちゃんのカレー

2020-05-31 21:14:32 | 日記
今でもちゃんと覚えてる

母ちゃんの実家は
小学校の近くだったから

週末になると友達と遊ぶために
ばあちゃんの家に遊びに行ってた

土建屋で働く頑固なじいちゃんと
やさしいばあちゃん

ばあちゃんは裏の畑で
何でも上手に育てて美味しいご飯を作ってくれた

中でも1番大好きだったのが
ばあちゃんのカレー

小さな新じゃがと玉ねぎにんじん

後、町で唯一食品が買える小さな店で
買ってきた安い牛バラ肉

野菜は小さいから全部薄く輪切り

小さな鍋に油を少したらして

牛バラを炒めて
油のいい匂いがしてきたら

小さな野菜を入れて炒める

焦げないように水を入れて
少し鰹だしを入れる

灰汁を丁寧にすくって

辛口のカレールーを入れる

最後に多めの砂糖とお醤油を入れて
出来上がり

辛口のカレールーなのに
不思議と辛くない

ばあちゃんが台所で作ってるのを
ずっと見てたから

いつの間にか
覚えてしまった

母ちゃんも
姉ちゃんも作れない

けれどみんな大好きだった

何故かオレだけにしか作れない

託されたのかな?


書いてたら食べたくなってきた

一子相伝

ばあちゃんカレー









腹へった

2020-05-11 19:58:17 | 日記
田植えや稲刈りの時期の週末が大嫌いだった

友達と釣りに行く約束をしてても
家に帰ると

父ちゃんが
飯食ったら田んぼに来い!

えっ?
みんなと釣りに行く約束したし…


釣りは今度にしろ!


半泣きになりながら
ご飯を食べて
長靴履いて


田んぼに向かって
とことこ歩いてたら…


友達が自転車でやって来て

釣り竿は?
約束したじゃん?


ごめん…

父ちゃんが田んぼ手伝えって言うけん


ほーか
なら仕方ないね


さっさと行ってしまった


またまた
泣きそうになりながら

なんでいつも田んぼ手伝わんといけんのじゃろ?
まだ1年生なのに…


と思いながら石を蹴っ飛ばした


田んぼに着くと
じいちゃんとばあちゃんも来てて


父ちゃんは
田植え機を押しながら田んぼの真ん中を
歩いてた

 
オレを見付けると大きく手招きした


転びそうになりながら
父ちゃんの方に歩いて行くと


早く来い!
と怒鳴る


ケースに入った苗を田んぼの端っこに
2段ずつ置いていけ!


重いケースを抱えて
よろよろしながら
言われた様に置いて行った


田植えは暑くて


長靴履いてても泥が入るし

脱いだら草や小石で足が切れるし 



嫌いだった 


機会が入れない隅っこは
じいちゃんとばあちゃんが手で植える


次はその手伝い


少しずつ
苗をちぎりながら

真っ直ぐに植えていく


しばらくやってると
声が出なくなる


それがちょっとだけ
面白くて


あー
あーあー


って叫んでみたりした

そんな事して遊んでたら…


おーい!早く来い!
次はこっちやれ!!


ってまた 
父ちゃんが怒鳴る


テケテケ走って
 
またケースを置いていく


その繰り返しで


気が付いたら夕方…


空のケースを全部集めて
冷たい水で洗って 

ねこぐるまに積み込んで帰り支度をする


じいちゃんとばあちゃんは

クワをかついで先に帰りはじめる


父ちゃんは
田植え機を押しながら

川沿いの土手をゆっくりゆっくり
納屋まで押して帰る
 


その後ろをねこぐるま押しながら
付いていく


ヨロヨロしながら
歩いてたら


たまに石に引っ掛けて  
ねこぐるまひっくり返したりした


父ちゃんはやれやれって顔しながら


田植え機を停めて
ケースを積み直してくれた


やっと納屋に着く頃にはくたくた…


二人で夕焼けの土手を歩いて帰ってたら


どこかの家から
おかずの匂いがしてきた


すると父ちゃんが
昔の話をはじめた…


父ちゃん中学生の時

学校の帰りに


ばあちゃんのお店で売るパンを町から
毎日仕入れて帰っとったんじゃ



食べ物がない時代じゃったし

弁当も持たずに学校行きよったし



こんな夕方に焼きたてのパンを自転車の

荷台に積込んで帰りよったら


腹が減って

腹が減って…


何回箱の中のパンを食べようとした事か


けどそん時に小さな弟や妹の顔が浮かんで
出来んかった


そんな昔の話を



黙って聞いていると


ひょいと持ち上げられて
かたぐるましてくれて


腹へったか?

うんとうなずくと


今日のおかずは何じゃろねー?

とはしゃいで家の坂道をかけ上がった



夕暮れに
腹へったら

ちょっと思い出した



さて今夜は何のおかず作るかな?


















































海の向こうの友達

2020-03-24 18:19:01 | 日記
大学を卒業して
某大手紳士服会社に入社した

いきなり配属された店は神戸

右も左も解らずに
社員寮とは間違っても言えないくらいの
オンボロアパートで先輩と二人暮らし

先行き不安なスタートだった

けど、仲間がいた
同期の社員が3人

毎晩近所の定食屋で
あーでもない。
こーでもない。
って自分たちの夢を話し合った

少しだけ仕事にも慣れてきた時

海外からの幹部候補生として
二人の台湾人がやって来た

1人はノウハウを学ぶ為に

もう1人は本当に服が大好きで
店長になる夢を持った
何だか憎めないやつ


だけど、その時の店長は
全く二人を受け入れる気はなく
みんなの嫌がる雑用ばかりをさせていた

そんな時に新入社員強化合宿が行われ

みんな厳しい研修に耐えるなか
国籍や年齢に関係なく深い絆が生まれ
全員が仲間になった

研修が終わってから
再び店舗に戻ったけど

みんなの気持ちは違ってた
全国に300人の仲間がいる!

それだけで何だか力が沸いてきた
台湾からの2人もきっと同じ気持ちだった

そして数ヶ月が経ち
2人も接客して売り上げを上げて
国に帰らなければ行けない…


そんな中

やはり店長は相変わらず雑用ばかり…

これでは接客すら出来ない

他のみんなもやっぱり最後には自分の
事しか考えない…

そんなのに嫌気がさしたから
雑用を変わって


売り方は解ってるよね?
だったら今まで我慢してたぶん
思いきり売っておいで!

って売場にだした


あなたは?
って聞くから

平気平気!

ってニッコリ笑って背中を押した


同期の三人は事あるごとに
そんなのやらせてお前も売場に立たなきゃ!

と忠告に来たけど

あの二人がお客さん取られない様に助けてやってくれ!

と追い返した

閉店の時間が近づき


その日の売り上げは0だな?
と思ってた時


台湾人の1人が
オレの手を引っ張って
売場に…

そして


ある夫婦のお客さんの前に
連れて行って

ワタシハタイワンカラノ
ケンシュウシャインデス

ナノデウマクセッキャクガ
デキマセンノデ

センパイニカワッテイタダキマス
スミマセン…


とわざと下手くそな日本語を喋り
作業場に走り去った


馬鹿野郎!


嬉しくて悔しくて
涙を我慢して
接客した

そして作業場に戻り


何でわざとあんな事したんだよ!
オレは平気だって言ったじゃん!

すると


あなたは本当の友達だから

って笑った


あれから20年以上経つけど
きっと今でも服が大好きで

立派な店長になったに違いない

新型コロナ
大丈夫だったかな?