快読日記

日々の読書記録

「松本清張を推理する」阿刀田高

2012年01月20日 | 言語・文芸評論・古典・詩歌
《1/19読了 朝日新書 2009年刊 【書評 エッセイ】 あとうだ・たかし(1935~)》

実作者が書く評論のおもしろさといえば、この阿刀田高の「短編小説のレシピ」以外にも、近田春夫「考えるヒット」シリーズ、ドン小西「部長!ワイシャツからランニングがすけてます」などが実証済み。
本作はタイトル通り、小説家・阿刀田高が松本清張作品の創作背景を楽しそうに推理しています。
どんな材料を使っているか。
それらはどこでどう仕入れたか。
そしてどう調理されているか。
愛読者・同業者双方の立場からアプローチしていて、根本に敬意と好意があります。
しかも、ただほめるだけではなく、
その作品の瑕疵に言及したり、
どういう依頼で書いたのかまで推理したり、
松本清張が参考にしただろう他作家の先行作品を予想したりしています。

小説家って、ほんの小さな火種から人をすっぽり飲み込むほどの作品を作り上げるんだからすごいものですね~。
さっそく「無宿人別帳」を借りてきてしまいました。

阿刀田高「短編小説のレシピ」
ドン小西「部長!ワイシャツからランニングがすけてます」


/「松本清張を推理する」阿刀田高
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