《5/31読了 河野万里子/訳 白水社 2011年刊 【翻訳小説 フランス】 Jean-Louis Fournier(1938~)》
アニメの原作やドキュメンタリー制作など、テレビ業界で活躍した作家の2008年フェミナ賞受賞作。
3人の子供のうち、重い障害を持つ2人について父親が綴る、断片的な、静かにゆっくりと思い出しながら書かれたような作品です。
「訳者あとがき」でル・モンド紙のこんなコメントが紹介されていました。
「この本について、語ってはいけない。一読にまさるものはないからだ。」
――賛成。
「僕が、あの子の人生をつくってしまった。この世で過ごしたむごい日々をつくってしまった。あの子をこの世に来させたのは、僕だ。」(15p)
「僕はひげの生えたふたりを想像してみた。
そのころになったら、ふたりそれぞれに、柄のついた大きなカミソリをやろう。そしてバスルームに閉じこめ、自分たちでカミソリを使いこなすよう、ほうっておくのだ。なにも物音がしなくなったら、ぞうきんを持ってバスルームの掃除に行く。
これを僕は妻に話した。笑わせるつもりで。」(59p)
「ふたりがなぜこんなに厳しく罰せられたのか、僕にはまったくわからない。ほんとうに不当だ。なにもしていないのに。
彼らの障害は、ひどい誤審に似ている。」(118p)
「ごめんよ、マチュー。こんなことを考えても悪く思わないでくれ。きみを笑いのネタにしたいんじゃなくて、たぶん僕は自分をネタにしてしまいたいんだ。このつらさを笑ってしまえると証明したいんだ。」(85p)
/「どこ行くの、パパ?」ジャン=ルイ・フルニエ
■ブログランキングに参加してます。一日一善、1日1クリック!■
アニメの原作やドキュメンタリー制作など、テレビ業界で活躍した作家の2008年フェミナ賞受賞作。
3人の子供のうち、重い障害を持つ2人について父親が綴る、断片的な、静かにゆっくりと思い出しながら書かれたような作品です。
「訳者あとがき」でル・モンド紙のこんなコメントが紹介されていました。
「この本について、語ってはいけない。一読にまさるものはないからだ。」
――賛成。
「僕が、あの子の人生をつくってしまった。この世で過ごしたむごい日々をつくってしまった。あの子をこの世に来させたのは、僕だ。」(15p)
「僕はひげの生えたふたりを想像してみた。
そのころになったら、ふたりそれぞれに、柄のついた大きなカミソリをやろう。そしてバスルームに閉じこめ、自分たちでカミソリを使いこなすよう、ほうっておくのだ。なにも物音がしなくなったら、ぞうきんを持ってバスルームの掃除に行く。
これを僕は妻に話した。笑わせるつもりで。」(59p)
「ふたりがなぜこんなに厳しく罰せられたのか、僕にはまったくわからない。ほんとうに不当だ。なにもしていないのに。
彼らの障害は、ひどい誤審に似ている。」(118p)
「ごめんよ、マチュー。こんなことを考えても悪く思わないでくれ。きみを笑いのネタにしたいんじゃなくて、たぶん僕は自分をネタにしてしまいたいんだ。このつらさを笑ってしまえると証明したいんだ。」(85p)
/「どこ行くの、パパ?」ジャン=ルイ・フルニエ
■ブログランキングに参加してます。一日一善、1日1クリック!■