《☆☆☆ 3/5読了 羽田詩津子/訳 ハヤカワ文庫(クリスティー文庫3) 【翻訳小説 イギリス】 Agatha Christie(1890~1976)》
海外のドラマやミステリー小説がおもしろいのは、自分の日常との距離と、それでも感じるリアリティとのバランスが絶妙だからだと思います。
「わが友よ、わたしは考えているのではなく、知っているのです」(329p)
灰色の脳細胞を駆使して真実をつきとめるポアロものの中でも評価が高い、一方で、その仕掛けがアンフェアなんではないか、という意見もあるそうで、そこに惹かれて読んでみました。
結論から言えば、読後、アンフェアなんでは?という感想は全く持ちませんでした。
発表時(1926年)ならともかく、90年も経った今なら不公正だと感じる読者の方が少ないんじゃないかと思うんだけど、どうでしょう。
個人的にはむしろ、“この人なら本当のことを隠せる、この人が犯人だったらおもしろいな”という人が犯人だったので、とてもしっくりときました。
そんなトリックより何より、真相が分かった後、終わり方の苦い味がよかった。
このラストの苦味だけで星3つ!です。
子供のころは断然クイーンやブラウン神父派だったのですが、どっぷり中年になるにつれてクリスティ好きになってきました。
/「アクロイド殺し」アガサ・クリスティー
海外のドラマやミステリー小説がおもしろいのは、自分の日常との距離と、それでも感じるリアリティとのバランスが絶妙だからだと思います。
「わが友よ、わたしは考えているのではなく、知っているのです」(329p)
灰色の脳細胞を駆使して真実をつきとめるポアロものの中でも評価が高い、一方で、その仕掛けがアンフェアなんではないか、という意見もあるそうで、そこに惹かれて読んでみました。
結論から言えば、読後、アンフェアなんでは?という感想は全く持ちませんでした。
発表時(1926年)ならともかく、90年も経った今なら不公正だと感じる読者の方が少ないんじゃないかと思うんだけど、どうでしょう。
個人的にはむしろ、“この人なら本当のことを隠せる、この人が犯人だったらおもしろいな”という人が犯人だったので、とてもしっくりときました。
そんなトリックより何より、真相が分かった後、終わり方の苦い味がよかった。
このラストの苦味だけで星3つ!です。
子供のころは断然クイーンやブラウン神父派だったのですが、どっぷり中年になるにつれてクリスティ好きになってきました。
/「アクロイド殺し」アガサ・クリスティー