(永田山のケルン)
国道299号を飯能から秩父へ向かうと、飯能の市街地を出て少し行った所に滝不動尊という交差点がある。そばには交差点の名称ともなっている不動明王を祀ったお堂があり、西武池袋線からも東飯能から高麗の間に幟が立っていて、境内の様子を少し見ることができる。兄と秩父方面へ出かけるとき、いつもクルマで滝不動尊のそばを通るのだが、駐車スペースが小さく、なかなか寄ることが出来なかった。山歩きの途中に寄るにも適当なハイキングコースが近くに無いものだと思っていた。ところが、「奥武蔵登山詳細図(吉備人出版)」というガイド地図を見ると滝不動尊から高麗峠方面へ道があるらしい。それならば多峯主山辺りと絡めて歩いてみるのも良さそうだ。そこで、今回はまず歩き残している久須美坂武蔵横手側から飯能アルプスの稜線に上がり、横手山へ登る。横手山からは分譲地内を抜けて多峯主山に登り、滝不動尊へお参り後、奥武蔵自然歩道を通って、中居地区にある第二天覧山まで歩く予定だ。
小手指駅からいつもより遅い時間に電車に乗り込むと意外に登山客が多い。どうも普段の自分はあまりに早い時間に出かけているようだ。滝不動尊を過ぎ、高麗駅が近づくと車窓からは、昨日の雨の名残なのか、谷間に雲が低くたなびいているのが見える。雨降り後は泥濘が鬱陶しいものの、こうした幽玄な景色を見られる楽しみもある。武蔵横手駅で降り、屹立する愛宕山を見ながら橋を渡る。線路向こうの集落に入ると分岐がある。右はカマド山、左は久須美坂だ。
(愛宕山を望む)
民家の建ち並ぶ集落を抜け、右手が視界を遮る丘になると正面にゲートが見えてくる。この道はハイキングルートではないのか?と疑問に思ったが、ゲートの張り紙を見ると閂を外して通行してよいとのこと。最後の民家を過ぎると道は舗装路から砂利道へと変わる。沢沿いの広い林道は緩やかに高度を上げていく。周囲は一面の杉林で、林床はシダが多い。立木に何やら張り紙がしてあるので見てみると、この辺りで地籍の調査に入っているらしい。どうやら沢沿いの土地は地目上「田」であるようだが、現状は山林になっている。沢沿いは水に困らないので、かつては田んぼや畑として利用していたのであろう。右手の尾根に踏み跡が付いており、そばの道標を見ると「かまど山」と書かれている。そういえば以前かまど山を歩いたとき、向かいからも道が来ていたのを思い出した。
(ゲート 閂を外して入る)
(道は基本沢沿いを行く)
かまど山の分岐から10分弱歩くと林道が二手に分かれる。道標が立ち、左が久須美坂方面であることを指している。沢は路面から大分低い所を流れているのだが、昨日の雨のせいか、林道の上にも盛んに水が流れ込んできている。右手に古ぼけた建物があるのを見送ると林道から離れて、細い踏み跡が稜線へと向かっている。林道脇からは水が浸みだし小さな沢を作り出していた。沢の詰めの部分ということもあってか、やや傾斜は急になってきた。稜線に出たら、上着を脱ぐとしよう。水の流れも収まると傾斜が緩くなってくる。もう稜線は近い。境界標が埋まる辺りが飯能アルプスの稜線縦走路だ。昨年10月に訪れたばかりなので、まだ記憶に新しい。
(杉の葉と花 今年もかなり花粉に悩まされそうだ)
(林道から細道へ上がる所)
(沢水が浸みだす)
(稜線縦走路に出る)
左手に見えるアンテナを見送り、すぐ下った所が久須美方面の久須美坂だ。久須美坂というのは久須美の集落から上がってくる道を指すのだろうから、本来ここのみを久須美坂と言うべきなのだろう。檜の林に付けられた小道を上がっていくと小さな小屋掛けの祠があるピークに着く。奥武蔵登山詳細図によるとここは久須美山というそうだ。次の小ピークを越えると緩やかな登り坂が続く。正面にケルンが見えてくれば永田山(277.5)だ。永田山というのも奥武蔵登山詳細図によるもので、ボクが歩き始めた頃は特に山名は付けられていなかったように思う。東側は明るい雑木林になっていて、南西と北東それぞれに踏み跡が付けられている。三角点は南西寄りにひっそりと埋められている。古い地形図には存在しない三角点なので、比較的新しいものなのではないだろうか。三角点から更に南西へ行くと永田台の分譲地を見下ろす展望台に着く。分譲地の奥に見える林が次に向かう多峯主山だ。右手の分譲されていない土地にはソーラーパネルが設置されている。位置をずらすと龍崖山くらいまでは見えるようだ。ベンチにザックを下ろし、しばし休憩。
(久須美坂 右方向が久須美地区)
(久須美山)
(久須美山からの下り 雨に濡れた檜が美しい)
(永田山展望台からの眺め 眼下に見える住宅地は永田台)
(永田山の展望台からスカイツリーを望む 手前の山は多峯主山)
(永田山の三角点)
永田山から多峯主山へは通常東へ延びる尾根を下る人が多いのだが、土地の造成工事によって無理矢理付けられたものであって、あまり歩き良いルートではない。そこで足には優しくないが、永田台の分譲地内を抜けていくことにする。本来は永田台と呼ばれる住所地の辺りを稜線が延びていたのであり、宅地造成後もそれほど大きくは削られていないので、体力的には楽なのではないだろうか。三角点のある辺りから丘の上公園への踏み跡を下る。途中踏み跡が無くなるので、あまり東へ下り過ぎないほうが良い。芝草の広場があるのが丘の上公園で、以前来たときは桜が美しかった記憶がある。永田台の分譲地へと下る長い階段からは龍崖山から柏木山までの山並みが見渡せる。
(丘の上公園の広場)
(丘の上公園の階段上から)
(丘の上公園からの眺め 画面右端辺りが柏木山と飯能くすの木ゴルフ場 画面左は龍崖山)
石段を下りると車道が二手に分かれるが、正面の道を進み、次の交差点を左に曲がると分譲地内を貫く歩道に出る。まだ比較的早い時間ということもあり、犬を連れたお年寄りが多い。多峯主山周辺の分譲地は西武グループが開発した飯能日高団地と呼ばれる所で、美杉台・茜台団地に匹敵する広さを持つ。但し美杉台と異なり、飯能市街地からやや離れているせいか、住民の高齢化が問題となっているらしい。まあこうした問題はいずれ所沢にだって押し寄せてくるのだろうけどね。歩道は東に向かって緩やかに下っており、かつては公園がある辺りまで谷になっていたようだ。バス通りにぶつかった所を右に曲がり、今度は緩やかに登り返す。信号機のある交差点から南側は永田台の2丁目・3丁目に当たり、こちらはまだ住宅の建っていない土地が多い。永田山の展望台から見えたソーラーパネルが設置されているのもこの辺りだ。
(分譲地内を貫く歩道を行く)
(西武不動産営業所バス停 奥に向かって登り坂を行く)
学校のグラウンドのようなフェンスに囲われた更地の分譲地に沿って緩々と登っていく。フェンスに沿って左手に入ると更地の向こうに越上山から関八州見晴台への稜線を望むことができる。家が建つとこうした景色も見られなくなるのだろうね。道なりに進むと突き当りはフェンスで阻まれ、通行禁止となっている。とりあえず突き当りまで行くと左手に尾根へ上がる階段が設けられている。尾根に上がると檜が植えられた平場になっている。南側は切土され、分譲地を埋め尽くすソーラーパネルを望むことができる。踏み跡を進むとフェンスに囲われた配水場の建物が見えてくる。フェンスに沿って進むと藪っぽい下りとなる。鞍部まで下ると道標があり、多峯主山山頂と高麗駅を指している。高麗駅へと向かうルートは地理院地図にある武蔵台の配水場へ向かう実線に沿ったものなのだろう。
(未分譲の造成地から 右の凸凹とした山が越上山 左の一番高い山が関八州見晴台であろう)
(切土された崖地からソーラー発電所を望む)
(高麗駅分岐)
登り始めは土留めの木段が続くが、それほど傾斜は急ではない。むしろ木段が終わった後のほうが傾斜は急なようにも感じる。岩場が現れるようになれば、山頂は近い。明るい雑木林を抜けると多峯主山(とうのすやま 270.7)の頂上に出る。こちらから登ったのは初めてだが、かなり楽なルートだ。国際興業バスの飯能日高団地行きで西武不動産営業所バス停に下りてしまえば、20分余りで山頂に着けてしまう。エスケープには便利な所と云えるだろう。山頂から西は奥多摩から関八州見晴台にかけて見渡せ、東は天覧山と飯能市街地の向こうにスカイツリーや都心ビル群が見える。南側は富士山が見えるはずなのだが、今日は厚い雲に覆われて姿を見せてはくれなかった。西側には先ほど歩いた永田台の分譲地の上に丘の上公園にあった携帯電話のアンテナが立っているのが見える。するとあのアンテナの上辺りが永田山の頂上に当たるのか…。
(山頂手前に岩場がある)
(多峯主山頂上)
(多峯主山の東側展望 スカイツリーが見える)
(多峯主山西側展望)
(多峯主山南側展望 本来富士山が見える 手前は柏木山辺り)
多峯主山からは東へ石段が設けられた急坂を下る。下りきるとフラットな尾根になっていて、案内板の前を道なりに行くのが見返り坂ルート、案内板の裏を行くのが太郎坊ルートだ。今回は高麗駅方面へ向かうので、太郎坊ルートへ入る。緩やかに尾根を下ると高麗駅を示す道標がある。お年寄りの男性がちょうど高麗駅方面へ下っていった。彼の後からゆっくりと行くとしよう。広い檜林の尾根に付けられた明瞭な踏み跡を下る。急ではないが、昨日の雨のせいで少々滑る。右手からフェンスが見えてくると沢の横切る窪地に下り立つ。すると先行していた男性が行く手は高麗駅なのか聞いてくるので、その通りだと答えておいた。地図で確認しないのだろうか?フェンス沿いに緩やかに登り返すと武蔵台の分譲地に出る。
(高麗駅を示す道標)
(窪地の沢を渡った辺り)
日和田山を眺めながら道なりに車道を下り、国際興業のバスが通る交差点に着く。ここを右に下るわけだが、何か目印になるものはないかな…と思っていると木綿沢(ゆうのさわ)の碑という石碑が置かれている。高麗駅周辺の地名である台と飯能を結ぶ「ゆうの沢道」(北西にある134の標高点から木綿沢の碑までを結んでいた道だったらしい)の改修工事を記念して建てられたものだという。国道299号へは割と急な下り坂。西武線のガードを潜るとすぐ右が滝不動尊だ。国道と西武線の間の狭いスペースに手水舎と庫裏、不動堂が窮屈そうに建っている。正式名称は清珠山円福寺といい、これは台地区にある寺院と同じ名称だ。現在の滝不動尊は明治期に移されたものらしいので、元々は台地区にあるものと関係があったのだろう。なお、他所の滝不動尊と区別するため、台滝不動尊と呼ばれることも多い。
(武蔵台の分譲地から右のやや尖った山が日和田山)
(木綿沢の碑)
(滝不動尊)
(不動堂 不動明王像は御自身の目で確かめていただきたい)
庫裏や不動堂のある境内の向かいには広い庭園がある。こちら側に不動堂があればもう少し建物を大きくする余裕もあったろうに…。庭園には池があり、小さな滝が流れ落ちていた。現在の滝不動の滝とはこれを指すようだが、滝不動の由来となった滝は国道299号の開通によって取り壊されてしまったそうだ。園内にはユーモアたっぷりの羅漢像や可愛らしい七福神の像などがある。張り出した尾根の上には観音様を安置した展望台があり、滝不動尊の伽藍や西武鉄道の車庫が望める。尾根を進むと大日如来像があるのだが、その先はゴルフ場の敷地に入り、通行止めとなっているようだ。やはり奥武蔵登山詳細図に従い、尾根の南にある沢沿いに上がっていくしかなさそうだ。
(向かいの庭園)
(十一面観音像)
(こんな可愛らしい七福神の像がある なおこれは毘沙門天)
(展望台からの滝不動尊)
(西武鉄道の車両基地)
(観音様 見晴らしの良い所にいるねぇ)
(大日如来像)
(現在の滝不動の滝)
(ユーモアあふれる羅漢像)
滝不動尊の駐車場から沢沿いに明瞭な踏み跡が延びる。やがて踏み跡が消えると正面に堤防のような白い壁が見えてくる。ゴルフ場の水道施設だろうか。あるいは建設中の飯能日高バイパスの道路施設なのかもしれない。壁の右にある沢地形の脇に薄い踏み跡が付けられているのが見える。壊れかけの古い道標もあるので、間違いないだろう。藪っぽい踏み跡を、ピンクテープを頼りに辿っていくと沢地形の詰めの部分で見失う。こうなれば歩きやすい所を適当に上がっていくしかない。倒木や藪を避けて尾根に上がると滝不動と奥武蔵自然歩道を指した道標が立っている。う~ん、かつてはもっと確りとしたハイキングコースだったのだろうか?
(駐車場から沢沿いを行く)
(傾斜の付いた壁が見えてくる この右端に踏み跡がある)
(尾根まであと少しで踏み跡が消える)
(立派な道標がある 以前はもっとしっかりとした道だったのだろう)
薄い踏み跡を辿っていくとゴルフ場のアプローチ道路を見下ろす尾根の上に出る。道路建設によって尾根は大きく寸断されている。奥武蔵自然歩道、つまり高麗峠へ行くには下の道路に下りるしかない。しかし斜面は茨の藪で覆われ、踏み跡らしきものは無い。かつては寸断された尾根のどこかに下り口があったのだろう。幸い藪の中の傾斜は緩いので、皮軍手で藪を掻き分けて道路に下り立つ。ゴルフ場に向かって道路を行くと入口の右脇に明瞭な踏み跡がある。これは良い道、と思って入るとすぐにロープが掛けられた急な下りが待ち受ける。細く歩き難い道を下りきると今度は大きな泥濘ができた湿地帯だ。ちょうど標高150メートルの計曲線が通る鞍部で水が溜まりやすい所のようだ。靴を汚しつつ、何とか向こう側の尾根に取り付き、急坂を登ると不意に傾斜が緩む。緩やかな登り坂を進めば、見慣れた奥武蔵自然歩道に出る。
(道路建設の現場)
(ここから奥武蔵自然歩道方面に入れる)
(泥濘 汚れるのは覚悟の上で)
南へ進むとすぐに萩の峰に着く。傍らには富士見峠と書かれた柱も立っている。かつては峠という扱いだったのだろう。伐採されて展望は良いはずなのだが、雲が掛かり、遠望は利かない。それでもベンチがあるので、藪や泥濘と戦った体を休める。のんびり伊予柑を食べていると結構行き交う人が多い。萩の峰からは西に下る尾根の上に踏み跡が付いており、地理院地図を見るとゴルフ場のアプローチ道路に下ることができるようだ。
(萩の峰)
(萩の峰 以前は大岳山などが見えた)
(尾根伝いに西へ下る道がある)
萩の峰から緩やかに下るとほほえみの丘と呼ばれる芝草の丘が見えてくる。やはり緩やかに登り返すとほほえみの丘だ。見晴らしはないものの、立派なベンチとテーブルが置かれ、大人数で集会を開けるほどの広さがある。テントを張って、のんびり一夜を過ごしたら気持ち良いだろうな。ほほえみの丘のすぐ先は天覧山への道が延びている。今回は天覧山へは寄らず、更に宮沢湖への道を進む。すると分岐に女性二人組が何やら話し合っている。声を掛けてみると巾着田への道を教えてほしいとのこと。いや真直ぐ北に延びる道を行けばよいのだけれど…。どうやら宮沢湖の北側から回ってきたのだが、高麗峠での分岐を見落としたらしい。まあもう少しちゃんとした地図を持っていたら間違うことはなかったんだろうね。
(ほほえみの丘が見えてきた)
(ほほえみの丘)
緩やかな尾根を下り、ゴルフ場への橋を潜れば市街地方面へ出られる。が、ここは道標に従い宮沢湖方面に入る。ゴルフ場のフェンス沿いに進み、木段を登ると丘陵の南の縁に出る。ここからは尾根を迂回したり越えたりしながら宮沢湖へと道が続く。杉檜に覆われ、全く見晴らしはない。その分、歩く人も多くないので、静かな遊歩道をのんびりと歩きたい向きには良いだろう。カーブやアップダウンを繰り返すうちに、南側斜面が緩やかな雑木林となっている所に出る。そのすぐ先に道標があり、雑木林を下る道は加治神社を指している。北にも道が付いているようだが、そのまま更に東へと歩みを進める。道は丘の上に出たらしく、木々が植えられた広い台地となっている。しばらく進むと冬枯れの林の中にポツンと東屋が建っている。おそらくここが最後の休憩場所となるだろう。東屋の周りは疎らに木が植えられていて、互いに干渉しないようになっているようだ。ふと北側の木を見上げると飯能桜の森と書かれた看板が掲げられている。この辺り一帯は皆桜の木が植わっているらしい。
(ここを潜るとすぐに分岐がある)
(ゴルフ場に沿って進む この後木段登りが待ち受ける)
(丘陵の上を行く アップダウンが多い)
(飯能桜の森)
さらに宮沢湖方面へ行くと第二天覧山と書かれた標柱が立っている。ロープ柵で仕切られた道を下っていく。するともう桜の花が咲いている木がある。随分と早いな。ピンクの色が強い河津桜だ。見るとほかにも幾つかの木で花が咲いている。花を愛でつつ下っていくと住宅地を見下ろす展望地に着く。展望地には明治天皇が演習を統監された旨の記念碑が建てられている。つまりここも天覧山と同じ由縁を持つということだ。梅林の脇を下っていけば寶蔵寺の裏手に出る。ここからはもう駅へ向かって街歩きが残っているだけだ。道なりに下ると県道が通る中居の交差点に着く。さて大里屋支店で四里餅を買っていこうかな、と思っていると店が閉まっている。何と第三日曜日は定休日とのこと。残念。こうなったら駅のペペで買うか。中山の交差点を南に向かえば、道なりに行くだけで駅に着く。途中駅前通りの商店街では飯能ひな飾り展が開催されており、店頭に雛人形やつるし雛などが飾られていた。駅に着き、ペペのサービスカウンターに向かうと何と四里餅は売り切れ。支店が休みのときは売り切れてしまうのだろうか。お土産はお守りだけになってしまったが、仕方がない。近いうちにまた買いに来よう。そう思いつつ、電車に乗り込んだ。
(第二天覧山の桜 標識に河津桜と書かれていた)
(第二天覧山からの眺め)
(明治天皇の御野立所の碑)
(梅林脇を下る)
(大里屋支店 定休日は月曜日と第一・三日曜日 なお本店は日曜日も営業している)
(飯能ひな飾り展 つるし雛)
(折り紙のお雛様)
(可愛らしい雛人形)
DATA:
武蔵横手駅8:15~8:53久須美坂~9:15横手山9:28~10:19多峯主山10:36~10:50高麗駅分岐~11:01木綿沢の碑~11:08滝不動尊11:31~11:56萩の峰(富士見峠)12:06~12:23宮沢湖分岐~12:45第二天覧山~13:25飯能駅
地形図 飯能
トイレ 滝不動尊
滝不動尊、永田台・武蔵台の分譲地については武蔵太郎さんの「こま武蔵台蛙のつぶやき」の記事を参考にさせていただきました。
全体的には舗装路の多いルートです。山靴でも歩けますが、底の柔らかい靴のほうが楽かもしれません。滝不動尊から萩の峰への道は踏み跡が不明瞭でかつ雨降り後は泥濘が多くなります。ある程度山慣れていることが望ましいです。
国道299号を飯能から秩父へ向かうと、飯能の市街地を出て少し行った所に滝不動尊という交差点がある。そばには交差点の名称ともなっている不動明王を祀ったお堂があり、西武池袋線からも東飯能から高麗の間に幟が立っていて、境内の様子を少し見ることができる。兄と秩父方面へ出かけるとき、いつもクルマで滝不動尊のそばを通るのだが、駐車スペースが小さく、なかなか寄ることが出来なかった。山歩きの途中に寄るにも適当なハイキングコースが近くに無いものだと思っていた。ところが、「奥武蔵登山詳細図(吉備人出版)」というガイド地図を見ると滝不動尊から高麗峠方面へ道があるらしい。それならば多峯主山辺りと絡めて歩いてみるのも良さそうだ。そこで、今回はまず歩き残している久須美坂武蔵横手側から飯能アルプスの稜線に上がり、横手山へ登る。横手山からは分譲地内を抜けて多峯主山に登り、滝不動尊へお参り後、奥武蔵自然歩道を通って、中居地区にある第二天覧山まで歩く予定だ。
小手指駅からいつもより遅い時間に電車に乗り込むと意外に登山客が多い。どうも普段の自分はあまりに早い時間に出かけているようだ。滝不動尊を過ぎ、高麗駅が近づくと車窓からは、昨日の雨の名残なのか、谷間に雲が低くたなびいているのが見える。雨降り後は泥濘が鬱陶しいものの、こうした幽玄な景色を見られる楽しみもある。武蔵横手駅で降り、屹立する愛宕山を見ながら橋を渡る。線路向こうの集落に入ると分岐がある。右はカマド山、左は久須美坂だ。
(愛宕山を望む)
民家の建ち並ぶ集落を抜け、右手が視界を遮る丘になると正面にゲートが見えてくる。この道はハイキングルートではないのか?と疑問に思ったが、ゲートの張り紙を見ると閂を外して通行してよいとのこと。最後の民家を過ぎると道は舗装路から砂利道へと変わる。沢沿いの広い林道は緩やかに高度を上げていく。周囲は一面の杉林で、林床はシダが多い。立木に何やら張り紙がしてあるので見てみると、この辺りで地籍の調査に入っているらしい。どうやら沢沿いの土地は地目上「田」であるようだが、現状は山林になっている。沢沿いは水に困らないので、かつては田んぼや畑として利用していたのであろう。右手の尾根に踏み跡が付いており、そばの道標を見ると「かまど山」と書かれている。そういえば以前かまど山を歩いたとき、向かいからも道が来ていたのを思い出した。
(ゲート 閂を外して入る)
(道は基本沢沿いを行く)
かまど山の分岐から10分弱歩くと林道が二手に分かれる。道標が立ち、左が久須美坂方面であることを指している。沢は路面から大分低い所を流れているのだが、昨日の雨のせいか、林道の上にも盛んに水が流れ込んできている。右手に古ぼけた建物があるのを見送ると林道から離れて、細い踏み跡が稜線へと向かっている。林道脇からは水が浸みだし小さな沢を作り出していた。沢の詰めの部分ということもあってか、やや傾斜は急になってきた。稜線に出たら、上着を脱ぐとしよう。水の流れも収まると傾斜が緩くなってくる。もう稜線は近い。境界標が埋まる辺りが飯能アルプスの稜線縦走路だ。昨年10月に訪れたばかりなので、まだ記憶に新しい。
(杉の葉と花 今年もかなり花粉に悩まされそうだ)
(林道から細道へ上がる所)
(沢水が浸みだす)
(稜線縦走路に出る)
左手に見えるアンテナを見送り、すぐ下った所が久須美方面の久須美坂だ。久須美坂というのは久須美の集落から上がってくる道を指すのだろうから、本来ここのみを久須美坂と言うべきなのだろう。檜の林に付けられた小道を上がっていくと小さな小屋掛けの祠があるピークに着く。奥武蔵登山詳細図によるとここは久須美山というそうだ。次の小ピークを越えると緩やかな登り坂が続く。正面にケルンが見えてくれば永田山(277.5)だ。永田山というのも奥武蔵登山詳細図によるもので、ボクが歩き始めた頃は特に山名は付けられていなかったように思う。東側は明るい雑木林になっていて、南西と北東それぞれに踏み跡が付けられている。三角点は南西寄りにひっそりと埋められている。古い地形図には存在しない三角点なので、比較的新しいものなのではないだろうか。三角点から更に南西へ行くと永田台の分譲地を見下ろす展望台に着く。分譲地の奥に見える林が次に向かう多峯主山だ。右手の分譲されていない土地にはソーラーパネルが設置されている。位置をずらすと龍崖山くらいまでは見えるようだ。ベンチにザックを下ろし、しばし休憩。
(久須美坂 右方向が久須美地区)
(久須美山)
(久須美山からの下り 雨に濡れた檜が美しい)
(永田山展望台からの眺め 眼下に見える住宅地は永田台)
(永田山の展望台からスカイツリーを望む 手前の山は多峯主山)
(永田山の三角点)
永田山から多峯主山へは通常東へ延びる尾根を下る人が多いのだが、土地の造成工事によって無理矢理付けられたものであって、あまり歩き良いルートではない。そこで足には優しくないが、永田台の分譲地内を抜けていくことにする。本来は永田台と呼ばれる住所地の辺りを稜線が延びていたのであり、宅地造成後もそれほど大きくは削られていないので、体力的には楽なのではないだろうか。三角点のある辺りから丘の上公園への踏み跡を下る。途中踏み跡が無くなるので、あまり東へ下り過ぎないほうが良い。芝草の広場があるのが丘の上公園で、以前来たときは桜が美しかった記憶がある。永田台の分譲地へと下る長い階段からは龍崖山から柏木山までの山並みが見渡せる。
(丘の上公園の広場)
(丘の上公園の階段上から)
(丘の上公園からの眺め 画面右端辺りが柏木山と飯能くすの木ゴルフ場 画面左は龍崖山)
石段を下りると車道が二手に分かれるが、正面の道を進み、次の交差点を左に曲がると分譲地内を貫く歩道に出る。まだ比較的早い時間ということもあり、犬を連れたお年寄りが多い。多峯主山周辺の分譲地は西武グループが開発した飯能日高団地と呼ばれる所で、美杉台・茜台団地に匹敵する広さを持つ。但し美杉台と異なり、飯能市街地からやや離れているせいか、住民の高齢化が問題となっているらしい。まあこうした問題はいずれ所沢にだって押し寄せてくるのだろうけどね。歩道は東に向かって緩やかに下っており、かつては公園がある辺りまで谷になっていたようだ。バス通りにぶつかった所を右に曲がり、今度は緩やかに登り返す。信号機のある交差点から南側は永田台の2丁目・3丁目に当たり、こちらはまだ住宅の建っていない土地が多い。永田山の展望台から見えたソーラーパネルが設置されているのもこの辺りだ。
(分譲地内を貫く歩道を行く)
(西武不動産営業所バス停 奥に向かって登り坂を行く)
学校のグラウンドのようなフェンスに囲われた更地の分譲地に沿って緩々と登っていく。フェンスに沿って左手に入ると更地の向こうに越上山から関八州見晴台への稜線を望むことができる。家が建つとこうした景色も見られなくなるのだろうね。道なりに進むと突き当りはフェンスで阻まれ、通行禁止となっている。とりあえず突き当りまで行くと左手に尾根へ上がる階段が設けられている。尾根に上がると檜が植えられた平場になっている。南側は切土され、分譲地を埋め尽くすソーラーパネルを望むことができる。踏み跡を進むとフェンスに囲われた配水場の建物が見えてくる。フェンスに沿って進むと藪っぽい下りとなる。鞍部まで下ると道標があり、多峯主山山頂と高麗駅を指している。高麗駅へと向かうルートは地理院地図にある武蔵台の配水場へ向かう実線に沿ったものなのだろう。
(未分譲の造成地から 右の凸凹とした山が越上山 左の一番高い山が関八州見晴台であろう)
(切土された崖地からソーラー発電所を望む)
(高麗駅分岐)
登り始めは土留めの木段が続くが、それほど傾斜は急ではない。むしろ木段が終わった後のほうが傾斜は急なようにも感じる。岩場が現れるようになれば、山頂は近い。明るい雑木林を抜けると多峯主山(とうのすやま 270.7)の頂上に出る。こちらから登ったのは初めてだが、かなり楽なルートだ。国際興業バスの飯能日高団地行きで西武不動産営業所バス停に下りてしまえば、20分余りで山頂に着けてしまう。エスケープには便利な所と云えるだろう。山頂から西は奥多摩から関八州見晴台にかけて見渡せ、東は天覧山と飯能市街地の向こうにスカイツリーや都心ビル群が見える。南側は富士山が見えるはずなのだが、今日は厚い雲に覆われて姿を見せてはくれなかった。西側には先ほど歩いた永田台の分譲地の上に丘の上公園にあった携帯電話のアンテナが立っているのが見える。するとあのアンテナの上辺りが永田山の頂上に当たるのか…。
(山頂手前に岩場がある)
(多峯主山頂上)
(多峯主山の東側展望 スカイツリーが見える)
(多峯主山西側展望)
(多峯主山南側展望 本来富士山が見える 手前は柏木山辺り)
多峯主山からは東へ石段が設けられた急坂を下る。下りきるとフラットな尾根になっていて、案内板の前を道なりに行くのが見返り坂ルート、案内板の裏を行くのが太郎坊ルートだ。今回は高麗駅方面へ向かうので、太郎坊ルートへ入る。緩やかに尾根を下ると高麗駅を示す道標がある。お年寄りの男性がちょうど高麗駅方面へ下っていった。彼の後からゆっくりと行くとしよう。広い檜林の尾根に付けられた明瞭な踏み跡を下る。急ではないが、昨日の雨のせいで少々滑る。右手からフェンスが見えてくると沢の横切る窪地に下り立つ。すると先行していた男性が行く手は高麗駅なのか聞いてくるので、その通りだと答えておいた。地図で確認しないのだろうか?フェンス沿いに緩やかに登り返すと武蔵台の分譲地に出る。
(高麗駅を示す道標)
(窪地の沢を渡った辺り)
日和田山を眺めながら道なりに車道を下り、国際興業のバスが通る交差点に着く。ここを右に下るわけだが、何か目印になるものはないかな…と思っていると木綿沢(ゆうのさわ)の碑という石碑が置かれている。高麗駅周辺の地名である台と飯能を結ぶ「ゆうの沢道」(北西にある134の標高点から木綿沢の碑までを結んでいた道だったらしい)の改修工事を記念して建てられたものだという。国道299号へは割と急な下り坂。西武線のガードを潜るとすぐ右が滝不動尊だ。国道と西武線の間の狭いスペースに手水舎と庫裏、不動堂が窮屈そうに建っている。正式名称は清珠山円福寺といい、これは台地区にある寺院と同じ名称だ。現在の滝不動尊は明治期に移されたものらしいので、元々は台地区にあるものと関係があったのだろう。なお、他所の滝不動尊と区別するため、台滝不動尊と呼ばれることも多い。
(武蔵台の分譲地から右のやや尖った山が日和田山)
(木綿沢の碑)
(滝不動尊)
(不動堂 不動明王像は御自身の目で確かめていただきたい)
庫裏や不動堂のある境内の向かいには広い庭園がある。こちら側に不動堂があればもう少し建物を大きくする余裕もあったろうに…。庭園には池があり、小さな滝が流れ落ちていた。現在の滝不動の滝とはこれを指すようだが、滝不動の由来となった滝は国道299号の開通によって取り壊されてしまったそうだ。園内にはユーモアたっぷりの羅漢像や可愛らしい七福神の像などがある。張り出した尾根の上には観音様を安置した展望台があり、滝不動尊の伽藍や西武鉄道の車庫が望める。尾根を進むと大日如来像があるのだが、その先はゴルフ場の敷地に入り、通行止めとなっているようだ。やはり奥武蔵登山詳細図に従い、尾根の南にある沢沿いに上がっていくしかなさそうだ。
(向かいの庭園)
(十一面観音像)
(こんな可愛らしい七福神の像がある なおこれは毘沙門天)
(展望台からの滝不動尊)
(西武鉄道の車両基地)
(観音様 見晴らしの良い所にいるねぇ)
(大日如来像)
(現在の滝不動の滝)
(ユーモアあふれる羅漢像)
滝不動尊の駐車場から沢沿いに明瞭な踏み跡が延びる。やがて踏み跡が消えると正面に堤防のような白い壁が見えてくる。ゴルフ場の水道施設だろうか。あるいは建設中の飯能日高バイパスの道路施設なのかもしれない。壁の右にある沢地形の脇に薄い踏み跡が付けられているのが見える。壊れかけの古い道標もあるので、間違いないだろう。藪っぽい踏み跡を、ピンクテープを頼りに辿っていくと沢地形の詰めの部分で見失う。こうなれば歩きやすい所を適当に上がっていくしかない。倒木や藪を避けて尾根に上がると滝不動と奥武蔵自然歩道を指した道標が立っている。う~ん、かつてはもっと確りとしたハイキングコースだったのだろうか?
(駐車場から沢沿いを行く)
(傾斜の付いた壁が見えてくる この右端に踏み跡がある)
(尾根まであと少しで踏み跡が消える)
(立派な道標がある 以前はもっとしっかりとした道だったのだろう)
薄い踏み跡を辿っていくとゴルフ場のアプローチ道路を見下ろす尾根の上に出る。道路建設によって尾根は大きく寸断されている。奥武蔵自然歩道、つまり高麗峠へ行くには下の道路に下りるしかない。しかし斜面は茨の藪で覆われ、踏み跡らしきものは無い。かつては寸断された尾根のどこかに下り口があったのだろう。幸い藪の中の傾斜は緩いので、皮軍手で藪を掻き分けて道路に下り立つ。ゴルフ場に向かって道路を行くと入口の右脇に明瞭な踏み跡がある。これは良い道、と思って入るとすぐにロープが掛けられた急な下りが待ち受ける。細く歩き難い道を下りきると今度は大きな泥濘ができた湿地帯だ。ちょうど標高150メートルの計曲線が通る鞍部で水が溜まりやすい所のようだ。靴を汚しつつ、何とか向こう側の尾根に取り付き、急坂を登ると不意に傾斜が緩む。緩やかな登り坂を進めば、見慣れた奥武蔵自然歩道に出る。
(道路建設の現場)
(ここから奥武蔵自然歩道方面に入れる)
(泥濘 汚れるのは覚悟の上で)
南へ進むとすぐに萩の峰に着く。傍らには富士見峠と書かれた柱も立っている。かつては峠という扱いだったのだろう。伐採されて展望は良いはずなのだが、雲が掛かり、遠望は利かない。それでもベンチがあるので、藪や泥濘と戦った体を休める。のんびり伊予柑を食べていると結構行き交う人が多い。萩の峰からは西に下る尾根の上に踏み跡が付いており、地理院地図を見るとゴルフ場のアプローチ道路に下ることができるようだ。
(萩の峰)
(萩の峰 以前は大岳山などが見えた)
(尾根伝いに西へ下る道がある)
萩の峰から緩やかに下るとほほえみの丘と呼ばれる芝草の丘が見えてくる。やはり緩やかに登り返すとほほえみの丘だ。見晴らしはないものの、立派なベンチとテーブルが置かれ、大人数で集会を開けるほどの広さがある。テントを張って、のんびり一夜を過ごしたら気持ち良いだろうな。ほほえみの丘のすぐ先は天覧山への道が延びている。今回は天覧山へは寄らず、更に宮沢湖への道を進む。すると分岐に女性二人組が何やら話し合っている。声を掛けてみると巾着田への道を教えてほしいとのこと。いや真直ぐ北に延びる道を行けばよいのだけれど…。どうやら宮沢湖の北側から回ってきたのだが、高麗峠での分岐を見落としたらしい。まあもう少しちゃんとした地図を持っていたら間違うことはなかったんだろうね。
(ほほえみの丘が見えてきた)
(ほほえみの丘)
緩やかな尾根を下り、ゴルフ場への橋を潜れば市街地方面へ出られる。が、ここは道標に従い宮沢湖方面に入る。ゴルフ場のフェンス沿いに進み、木段を登ると丘陵の南の縁に出る。ここからは尾根を迂回したり越えたりしながら宮沢湖へと道が続く。杉檜に覆われ、全く見晴らしはない。その分、歩く人も多くないので、静かな遊歩道をのんびりと歩きたい向きには良いだろう。カーブやアップダウンを繰り返すうちに、南側斜面が緩やかな雑木林となっている所に出る。そのすぐ先に道標があり、雑木林を下る道は加治神社を指している。北にも道が付いているようだが、そのまま更に東へと歩みを進める。道は丘の上に出たらしく、木々が植えられた広い台地となっている。しばらく進むと冬枯れの林の中にポツンと東屋が建っている。おそらくここが最後の休憩場所となるだろう。東屋の周りは疎らに木が植えられていて、互いに干渉しないようになっているようだ。ふと北側の木を見上げると飯能桜の森と書かれた看板が掲げられている。この辺り一帯は皆桜の木が植わっているらしい。
(ここを潜るとすぐに分岐がある)
(ゴルフ場に沿って進む この後木段登りが待ち受ける)
(丘陵の上を行く アップダウンが多い)
(飯能桜の森)
さらに宮沢湖方面へ行くと第二天覧山と書かれた標柱が立っている。ロープ柵で仕切られた道を下っていく。するともう桜の花が咲いている木がある。随分と早いな。ピンクの色が強い河津桜だ。見るとほかにも幾つかの木で花が咲いている。花を愛でつつ下っていくと住宅地を見下ろす展望地に着く。展望地には明治天皇が演習を統監された旨の記念碑が建てられている。つまりここも天覧山と同じ由縁を持つということだ。梅林の脇を下っていけば寶蔵寺の裏手に出る。ここからはもう駅へ向かって街歩きが残っているだけだ。道なりに下ると県道が通る中居の交差点に着く。さて大里屋支店で四里餅を買っていこうかな、と思っていると店が閉まっている。何と第三日曜日は定休日とのこと。残念。こうなったら駅のペペで買うか。中山の交差点を南に向かえば、道なりに行くだけで駅に着く。途中駅前通りの商店街では飯能ひな飾り展が開催されており、店頭に雛人形やつるし雛などが飾られていた。駅に着き、ペペのサービスカウンターに向かうと何と四里餅は売り切れ。支店が休みのときは売り切れてしまうのだろうか。お土産はお守りだけになってしまったが、仕方がない。近いうちにまた買いに来よう。そう思いつつ、電車に乗り込んだ。
(第二天覧山の桜 標識に河津桜と書かれていた)
(第二天覧山からの眺め)
(明治天皇の御野立所の碑)
(梅林脇を下る)
(大里屋支店 定休日は月曜日と第一・三日曜日 なお本店は日曜日も営業している)
(飯能ひな飾り展 つるし雛)
(折り紙のお雛様)
(可愛らしい雛人形)
DATA:
武蔵横手駅8:15~8:53久須美坂~9:15横手山9:28~10:19多峯主山10:36~10:50高麗駅分岐~11:01木綿沢の碑~11:08滝不動尊11:31~11:56萩の峰(富士見峠)12:06~12:23宮沢湖分岐~12:45第二天覧山~13:25飯能駅
地形図 飯能
トイレ 滝不動尊
滝不動尊、永田台・武蔵台の分譲地については武蔵太郎さんの「こま武蔵台蛙のつぶやき」の記事を参考にさせていただきました。
全体的には舗装路の多いルートです。山靴でも歩けますが、底の柔らかい靴のほうが楽かもしれません。滝不動尊から萩の峰への道は踏み跡が不明瞭でかつ雨降り後は泥濘が多くなります。ある程度山慣れていることが望ましいです。
当方にとっては近場ですのでここは
全て歩いた所ですが、
tokoroさんの順路はさすがです。
こういう順路があるのだということに
感心しました。
終点が第二天覧山とはこれも
驚きです。
それに行く先々を良く調べられていますね。
>tokoroさんの順路はさすがです。
「奥武蔵登山詳細図(吉備人出版)」を購入して以降、奥武蔵で登山計画を立てるのが楽になりました。
歩いてみたいなぁと思っている所には大体ルートが載っているので、意外なルートを歩くことが今後も増えるかもしれません。
>終点が第二天覧山とはこれも驚きです。
実は大里屋支店に寄りたいなぁと思っていて、一番近い所はどこだろうと考えたら第二天覧山になりました。
進化した食い意地です。
>それに行く先々を良く調べられていますね。
奥武蔵の良い所は山と人との密接な歴史がたくさん残っていることだと思います。
それを調べるのも楽しいんですよね。
飯能に住んでいたら、図書館に入りびたりになっているかもしれません。
まだ全然地図を読めないので、少し前の地図読みの解説はためになりました。
奥武蔵登山詳細図を購入したので、その名前を見てついコメントしています。
この地図はとても細かく書かれているので、地図読みができないわたしには、とてもありがたいです。バリエーションルートの破線となると、さすがに厳しいですが。
第二天覧山というのがあるのは知りませんでした。
釜戸山は今年初めて歩いたので、「わー」と思いました。
>少し前の地図読みの解説はためになりました
地形図に親しんでもらいたいがため、記事を書き始めたのですが、どうしても固い表現になってしまうんですよね。もう少し具体例を載せられるとわかりやすくなるのかもしれません。
>奥武蔵登山詳細図
この地図、本当に重宝します。バリエーションの難しさは千差万別なので、紫線ルートが必ずしも難しいとは限りません。ただこのルートなら歩いても問題がないというのがわかるというのが助かります。私有地に入って怒られるというケースはよくありますので。
>第二天覧山というのがあるのは知りませんでした
ボクも奥武蔵登山詳細図を見てコースを決めるまで知りませんでした。眺めは大したことはないと思いますが、桜は綺麗な所なんじゃないでしょうか。