(飛脚道に設けられた道標)
8:13東吾野駅~8:24吾那神社~8:54雨乞塚~9:03橋本山~9:22ユガテ~
9:43エビガ坂~9:57スカリ山~10:34北向地蔵~(廃道探索)~
11:49駒高集落~12:20日和田山~13:07日向集落~13:31高麗駅
朝起きて何かはっきりしない天気だなぁと思ったら、黄砂が飛んでいたんですね。そんな日でも山に行っちゃうんだから自分でも物好きだと思います。さて今回の目的は新道である飛脚道を歩いてスカリ山へ行くこと。飛脚道は東吾野駅から車道を挟んだ尾根を登り詰めてユガテへと行く道で、かなり車道歩きを短縮できるので、これから歩く人は増えるんじゃないかと思います。スカリ山は展望が良いにもかかわらず人の訪れの少ない寂峰です。奥武蔵では登り残しているこのルートを歩いてきました。
スタートは東吾野駅。奥武蔵方面は30回以上訪れていますがこの駅に降りるのは初めてです。他に降りたのは中高年の単独行者が数人と若者二人組。軽く見られがちな奥武蔵ですが、若者が来てくれるのは素直に嬉しい。実は登山口がよくわかっていなかったのですが、10年度版エアリア(山と高原地図「奥武蔵 秩父」)では国道沿いの吾那神社を回り込むようにして尾根に取り付いているのでまずは吾那神社を探索してみることにします。
駅舎から国道に出るところで早速迷いましたが、線路沿いに北上すると国道へつながる車道に出ます。交番の前を通ると高台に神社があるのが見えます。吾那神社と書かれた石柱脇の石段を上がって境内に入ると「ユガテ鎌北湖方面」と書かれた道標があります。道標に従って建物の裏手へ回るとしっかりとした道が付いています。なお建物の裏手には男性用便器がありますが、これって周囲から丸見えなんじゃ…。
(吾那神社にある道標)
登山道に入ると伐採地に出ます。国道や東吾野駅などが見えて、結構良い気分です。急登りですが九十九折となっていて歩きやすい道だと思います。九十九折が終わると杉林の中を直線的に登っていきます。傾斜が緩むと送電鉄塔の建つ最初のピーク。特に展望が良いという訳でもありません。
(伐採地から東吾野駅方面の眺め)
鉄塔のピークからは緩やかな稜線歩き。巻き道が本線となっているようですが、尾根通しにもはっきりとした踏み跡があります。今日はどうせ大して長い道のりでもないので、尾根を忠実に踏んでいくことにします。鞍部で福徳寺からの道と合流し、尾根に乗り上げると道は西へと続いています。ユガテへは再び鞍部へと下るのですが、ちょっとそのまま西へ道草することに。木が疎らに生えた小さなピークを登ると雨乞塚と書かれた立派な看板があります。地形図を見ると標高は280mくらいでしょうか。展望はないですが、樹間越しにこれから向かう321のピークが見えました。
(雨乞塚)
(尾根通しの道と巻き道 写真と異なり巻き道のほうがはっきりとしています)
往路を戻り尾根を進むと九十九折の急登りとなります。途中「←男坂・橋本山見晴台」「女坂」と書かれた道標があります。当然のごとく男坂を登っていくと西側が広く伐採されたピークに出ました。橋本山(321)と書かれた看板があり、伐採地前にはベンチが置いてあります。伐採地の向こうには天覚山・大高山・虎秀山がはっきりと見え、奥のほうには尖った武甲山のシルエットも見えました。黄砂の影響がなければもう少し綺麗に見えたんでしょうね。のんびり休憩していると男性が通り過ぎていきました。意外と歩く人が多いようです。
(橋本山からの眺め 手前の尖がりが虎秀山 その奥が大高山)
橋本山からの下りは東側が幼木帯で少し展望があります。次の小ピークを越えると林道のような広い道に。一帯にはきのこ園(立入禁止)や森のテラスなどがあり、ユガテの森と呼ばれているようです。
(森のテラス)
新田集落への道を分けるとユガテ(290)の集落です。広い山上集落で現在は2世帯が暮らしているとか。ちょうど家人が草刈をしていました。遠足の集合場所にできそうな広場やお手洗いなどがあって休憩場所に最適です。ユガテの名はかつて温泉の湧き出る「湯ヶ天」が由来だそうです。
(ユガテ)
道標に従い北向地蔵への道を分けてエビガ坂・鎌北湖方面へ向かいます。民家の裏の車道を横切るとエビガ坂への緩やかな登り。羊歯が多く生えています。エビガ坂は峠のような所で道が越上山方面と鎌北湖方面に分かれています。道標をよく見ると鎌北湖方面の下に「スカリ山→」と書かれています。エビガ坂から少し東へ行くと鎌北湖への道標があるスカリ山分岐に出ます。北に下るのが鎌北湖方面でスカリ山へは正面の尾根を直登します。道はよく踏まれていて迷う要素はありません。ただかなり急な坂を直線的に登るので道が凍結していたりすると危ないかもしれません。巻き道なんかもありましたが無視して登ると境界標のあるピークに出ます。でもこれは偽ピーク。
(鎌北湖とスカリ山の分岐 スカリ山は正面の尾根を登る)
更にもう一段急登りをこなすと四等三角点のあるスカリ山(434.9)です。北側が大きく開けたピークで越上山の双耳峰が目立ちます。ここでも武甲山のシルエットが見えました。北東はゴルフ場などは見えますが鎌北湖は手前の尾根に邪魔されて見えません。山頂に着いたときはマウンテンバイクの男性がいて、入れ違いで下りていきました。その後一人男性が登ってきましたがそれ以降は訪れる人のいない静かなピークです。
(越上山方面 奥に薄っすら武甲山のシルエットが見えるのですが…)
(ゴルフ場方面)
下りはそのまま東へ向かいます。急坂を下ると尾根通しに小さなピークがあります。観音ヶ岳と書かれたプレートが幹に貼り付けあり、越上山とスカリ山の展望があります。そのまま急な尾根を下ると朽ち果てた道標がありました。おそらくかつては正規のハイキングコースとされていたのでしょう。車道に出た所には「スカリ山入口」と書かれたプレートがあったので、逆コースでもわかりやすいと思います。
(観音ヶ岳のプレート)
ここから高麗駅までは通い慣れたルート。車道を少し進んで黄色い標識の立つ鉄塔巡視路に入ります。ユガテからの道に合流すると中高年のグループに出会います。この先日和田山まではかなりの人出です。北向地蔵へ出た後は鎌北湖への廃道探索をして物見山方面に進みます。人混みを避けて406のピークを踏んだ後、物見山へは寄らず小瀬名方面の道に入って駒高集落へ下ります。簡易舗装された九十九折の道を下ると数軒の家屋が建っています。高指山分岐までは車道歩きとなりますが、ここで運悪く幼稚園の遠足に遭遇してしまいます。せっかく人混みを避けてきたというのに…。まあそれでも一団は物見山へ向かうらしく高指山分岐まで来ると静かになりました。日和田山は相変わらず人気の山で中高年グループだけでなく、家族連れも多かったです。山頂はとっととパスし、お気に入りの金比羅神社前の岩場で休憩。ここの鳥居は高麗駅のホームからも見えるので、気になる人は双眼鏡を持って高麗駅へGO!
(日和田山 金比羅神社前の岩場)
普段下りは女坂を使いますが、今日は久しぶりに男坂を下ります。巻き道を下っていくと水質は保証できない水場に出ます。ここでも人混みを避けて見晴らしの丘へ向かいます。うざったい土留めの木段を上がると見晴らしの丘。全く展望はありませんが、紅葉はそこそこ綺麗だと思います。
(見晴らしの丘 紅葉が綺麗…?)
見晴らしの丘からは日向集落へ真直ぐ下ります。木段などはなく、純然たる山道でちょっと藪っぽい雰囲気でした。民家の裏手から車道に出て、高麗橋経由で高麗駅に出ました。
飛脚道とスカリ山は初めて歩きましたが、奥武蔵らしい良いルートでした。道標完備なので踏み跡が辿れる人なら誰でも歩けるレベルだと思います。下山は日和田山としましたが、深沢山や虎秀山経由っていうのも面白そうです。
DATA:
地形図 飯能
山と高原地図 「奥武蔵 秩父」2010年度版
8:13東吾野駅~8:24吾那神社~8:54雨乞塚~9:03橋本山~9:22ユガテ~
9:43エビガ坂~9:57スカリ山~10:34北向地蔵~(廃道探索)~
11:49駒高集落~12:20日和田山~13:07日向集落~13:31高麗駅
朝起きて何かはっきりしない天気だなぁと思ったら、黄砂が飛んでいたんですね。そんな日でも山に行っちゃうんだから自分でも物好きだと思います。さて今回の目的は新道である飛脚道を歩いてスカリ山へ行くこと。飛脚道は東吾野駅から車道を挟んだ尾根を登り詰めてユガテへと行く道で、かなり車道歩きを短縮できるので、これから歩く人は増えるんじゃないかと思います。スカリ山は展望が良いにもかかわらず人の訪れの少ない寂峰です。奥武蔵では登り残しているこのルートを歩いてきました。
スタートは東吾野駅。奥武蔵方面は30回以上訪れていますがこの駅に降りるのは初めてです。他に降りたのは中高年の単独行者が数人と若者二人組。軽く見られがちな奥武蔵ですが、若者が来てくれるのは素直に嬉しい。実は登山口がよくわかっていなかったのですが、10年度版エアリア(山と高原地図「奥武蔵 秩父」)では国道沿いの吾那神社を回り込むようにして尾根に取り付いているのでまずは吾那神社を探索してみることにします。
駅舎から国道に出るところで早速迷いましたが、線路沿いに北上すると国道へつながる車道に出ます。交番の前を通ると高台に神社があるのが見えます。吾那神社と書かれた石柱脇の石段を上がって境内に入ると「ユガテ鎌北湖方面」と書かれた道標があります。道標に従って建物の裏手へ回るとしっかりとした道が付いています。なお建物の裏手には男性用便器がありますが、これって周囲から丸見えなんじゃ…。
(吾那神社にある道標)
登山道に入ると伐採地に出ます。国道や東吾野駅などが見えて、結構良い気分です。急登りですが九十九折となっていて歩きやすい道だと思います。九十九折が終わると杉林の中を直線的に登っていきます。傾斜が緩むと送電鉄塔の建つ最初のピーク。特に展望が良いという訳でもありません。
(伐採地から東吾野駅方面の眺め)
鉄塔のピークからは緩やかな稜線歩き。巻き道が本線となっているようですが、尾根通しにもはっきりとした踏み跡があります。今日はどうせ大して長い道のりでもないので、尾根を忠実に踏んでいくことにします。鞍部で福徳寺からの道と合流し、尾根に乗り上げると道は西へと続いています。ユガテへは再び鞍部へと下るのですが、ちょっとそのまま西へ道草することに。木が疎らに生えた小さなピークを登ると雨乞塚と書かれた立派な看板があります。地形図を見ると標高は280mくらいでしょうか。展望はないですが、樹間越しにこれから向かう321のピークが見えました。
(雨乞塚)
(尾根通しの道と巻き道 写真と異なり巻き道のほうがはっきりとしています)
往路を戻り尾根を進むと九十九折の急登りとなります。途中「←男坂・橋本山見晴台」「女坂」と書かれた道標があります。当然のごとく男坂を登っていくと西側が広く伐採されたピークに出ました。橋本山(321)と書かれた看板があり、伐採地前にはベンチが置いてあります。伐採地の向こうには天覚山・大高山・虎秀山がはっきりと見え、奥のほうには尖った武甲山のシルエットも見えました。黄砂の影響がなければもう少し綺麗に見えたんでしょうね。のんびり休憩していると男性が通り過ぎていきました。意外と歩く人が多いようです。
(橋本山からの眺め 手前の尖がりが虎秀山 その奥が大高山)
橋本山からの下りは東側が幼木帯で少し展望があります。次の小ピークを越えると林道のような広い道に。一帯にはきのこ園(立入禁止)や森のテラスなどがあり、ユガテの森と呼ばれているようです。
(森のテラス)
新田集落への道を分けるとユガテ(290)の集落です。広い山上集落で現在は2世帯が暮らしているとか。ちょうど家人が草刈をしていました。遠足の集合場所にできそうな広場やお手洗いなどがあって休憩場所に最適です。ユガテの名はかつて温泉の湧き出る「湯ヶ天」が由来だそうです。
(ユガテ)
道標に従い北向地蔵への道を分けてエビガ坂・鎌北湖方面へ向かいます。民家の裏の車道を横切るとエビガ坂への緩やかな登り。羊歯が多く生えています。エビガ坂は峠のような所で道が越上山方面と鎌北湖方面に分かれています。道標をよく見ると鎌北湖方面の下に「スカリ山→」と書かれています。エビガ坂から少し東へ行くと鎌北湖への道標があるスカリ山分岐に出ます。北に下るのが鎌北湖方面でスカリ山へは正面の尾根を直登します。道はよく踏まれていて迷う要素はありません。ただかなり急な坂を直線的に登るので道が凍結していたりすると危ないかもしれません。巻き道なんかもありましたが無視して登ると境界標のあるピークに出ます。でもこれは偽ピーク。
(鎌北湖とスカリ山の分岐 スカリ山は正面の尾根を登る)
更にもう一段急登りをこなすと四等三角点のあるスカリ山(434.9)です。北側が大きく開けたピークで越上山の双耳峰が目立ちます。ここでも武甲山のシルエットが見えました。北東はゴルフ場などは見えますが鎌北湖は手前の尾根に邪魔されて見えません。山頂に着いたときはマウンテンバイクの男性がいて、入れ違いで下りていきました。その後一人男性が登ってきましたがそれ以降は訪れる人のいない静かなピークです。
(越上山方面 奥に薄っすら武甲山のシルエットが見えるのですが…)
(ゴルフ場方面)
下りはそのまま東へ向かいます。急坂を下ると尾根通しに小さなピークがあります。観音ヶ岳と書かれたプレートが幹に貼り付けあり、越上山とスカリ山の展望があります。そのまま急な尾根を下ると朽ち果てた道標がありました。おそらくかつては正規のハイキングコースとされていたのでしょう。車道に出た所には「スカリ山入口」と書かれたプレートがあったので、逆コースでもわかりやすいと思います。
(観音ヶ岳のプレート)
ここから高麗駅までは通い慣れたルート。車道を少し進んで黄色い標識の立つ鉄塔巡視路に入ります。ユガテからの道に合流すると中高年のグループに出会います。この先日和田山まではかなりの人出です。北向地蔵へ出た後は鎌北湖への廃道探索をして物見山方面に進みます。人混みを避けて406のピークを踏んだ後、物見山へは寄らず小瀬名方面の道に入って駒高集落へ下ります。簡易舗装された九十九折の道を下ると数軒の家屋が建っています。高指山分岐までは車道歩きとなりますが、ここで運悪く幼稚園の遠足に遭遇してしまいます。せっかく人混みを避けてきたというのに…。まあそれでも一団は物見山へ向かうらしく高指山分岐まで来ると静かになりました。日和田山は相変わらず人気の山で中高年グループだけでなく、家族連れも多かったです。山頂はとっととパスし、お気に入りの金比羅神社前の岩場で休憩。ここの鳥居は高麗駅のホームからも見えるので、気になる人は双眼鏡を持って高麗駅へGO!
(日和田山 金比羅神社前の岩場)
普段下りは女坂を使いますが、今日は久しぶりに男坂を下ります。巻き道を下っていくと水質は保証できない水場に出ます。ここでも人混みを避けて見晴らしの丘へ向かいます。うざったい土留めの木段を上がると見晴らしの丘。全く展望はありませんが、紅葉はそこそこ綺麗だと思います。
(見晴らしの丘 紅葉が綺麗…?)
見晴らしの丘からは日向集落へ真直ぐ下ります。木段などはなく、純然たる山道でちょっと藪っぽい雰囲気でした。民家の裏手から車道に出て、高麗橋経由で高麗駅に出ました。
飛脚道とスカリ山は初めて歩きましたが、奥武蔵らしい良いルートでした。道標完備なので踏み跡が辿れる人なら誰でも歩けるレベルだと思います。下山は日和田山としましたが、深沢山や虎秀山経由っていうのも面白そうです。
DATA:
地形図 飯能
山と高原地図 「奥武蔵 秩父」2010年度版
一昨年、ほとんど同じところをを辿ったのですが
全くの逆lコースでした。
当方は高麗の駅から駒高に上がって
物見山ー北向地蔵ー観音ケ岳-4スカリ山-ユガテ-
橋本山-雨乞塚-吾那神社
雨乞塚は立ち寄ってみたのですが??何もない感じでした・・・
スカリ山から日光の雪山が見えたのにはびっくりしました。
良くお調べになられていてとても詳しいですね。
いつもながら感心したおります。
それに行先々から眺める山の名前が書かれていて
とても参考になります。
いつも教えて戴いて有り難う御座います。
改めてみると今の編集とはかなり異なっていますね。
まだバリエーションルートを歩き始めたばかりの頃で、
実は地形図もあまり活用はしていませんでした。
今の文章と比べると簡潔でこちらのほうが読者には良いのだろうなとは思いつつも、
長文でまくしたてる今のスタイルは山歩きのスタイルを変えないと変えられそうにありません。
>全くの逆lコースでした
駅から駅までのコースなので、どちらから歩いても楽しいですよね。
ボクが奥武蔵の縦走ルートで一番お薦めしているのはウノタワ~小持山ですが、
初心者向けにはむしろこのコースをお薦めしています。
里に近いという奥武蔵の良さが一番体感できますので。