(須走登山道から山中湖を見下ろす)
前回の記録でも先述したように7,8月は山歩きを休む予定です。そこで過去7,8月に歩いた記録をアップすることにしました。第一弾は今話題の富士山です。但し8年前と古い記録であるうえ、現在はボクが歩いたような所謂弾丸登山は自粛要請が出されています。富士山へ登ってみたいという方はあくまでも参考程度としてご覧ください。また記事を当時書いたものをそのままアップしているので、内容に誤りがある可能性もあります。ご了承ください。
ある日行きつけの理容店で理容師のお兄さんが、家族で富士山に行ってみたい、と話していた。何となく興味を持った私はネットで色々調べてみた。すると初心者でも多くの人が登頂を果たしているらしい。それなら少なくとも登山装備は揃っている私なら行けなくもないだろう。ネット上では数多のアドバイスが溢れているのでそれを参考にすればよい。問題は費用だ。交通費くらいは何とかなるが、山小屋に泊まる余裕はない。何か良い方法はないものか。ネットで調べてみると高速バスの最終で五合目に着き、そこから夜通し歩いて山頂に行き、ご来光を見たら朝の内に下りてくることもできるとある。もうそれしかない。行くとなれば時期だが、意外と梅雨の間のほうが山の上の天候は安定するそうだ。急遽計画を立て、深夜バスを予約すると運良く席を取ることができた。あとは体調を整えるだけである。
21時前に西武新宿駅行きの電車に乗る。この時間に新宿行きに乗るのは初めてだ。西武新宿駅を出ると人が多い。日曜日の夜だが流石は眠らない街新宿である。ヨドバシカメラ近くの京王バスターミナルを利用するのも今回が初めてである。自動券売機に手惑うが何とか料金を払い、地下の休憩所で一息着く。休憩所で待つ人の顔ぶれは外国人のほうが多い。皆どこへ行くのだろう?30分ほど待ち呼び出しを聞いてターミナルへ向かう。すると外国人の人たちも一斉に動き出す。まさか…。バスのトランクに荷物を積み込み車内に入ると殆どが外国人である。軽装の人も多いようだが大丈夫なのか?私の隣にも白人のお兄さんが座ったが、体が大きいので窮屈そうである。隣に座る私も居心地が悪い。バスが動き出し混み合う都内を進む。今日は体力勝負なので出来る限り眠っていきたかったのだが、居心地の悪さで結局五合目に着くまで眠ることはできなかった。
22時に河口湖五合目に着くとレストハウスがまだ開いている。ここで金剛杖だけは買わねばならない。お土産屋に駆け込み金剛杖と富士ちゃんストラップなるものを買って、あとはのんびり出発するだけである。店の前でのんびり構えているとガラガラとシャッターが下ろされてしまった。確かに24時間開けている馬鹿はいないだろう。辺りはすっかり暗くなり、自動販売機の明かりだけが煌々と点いている。帽子の上にヘッドランプを着けて、いよいよ出発!
(吉田口(河口湖)五合目レストハウス)
人の流れにしたがって駐車場の中を進むと支度をしている人が多い。日本人はマイカーで訪れる人が中心なのかもしれない。次々と人に抜かれるが焦らず進む。駐車場を抜けると砂利道の緩やかな下りとなる。左手を見ると富士吉田辺りであろうか。街の灯りが煌いている。まだこの辺りはいくらか植物も生えているようだ。佐藤小屋分岐は森の中でここから岩っぽい道を進む。森を抜けると人工物が目立つ。落石を避けるためのトンネルを抜けると富士山安全指導センターに着く。係員のオジサン(警察官か?)に登山届を提出する。見ているとあまり登山届を出している人がいない。作ってこなくて大丈夫なのだろうか。柴犬を連れた親子が先を譲ってくれたが、それほど先を急ぐ必要もない。でも好意を無駄にしたくないので歩き始める。
(富士山安全指導センター)
安全指導センターから上は純然たる登山道となる。砂利道は意外と歩きやすく、これなら初心者でも歩けておかしくはない。上を見ると山小屋の明かりが点々と点いているのが見える。あれを目指して一歩一歩歩いていこう。道はジグザグに付けられ、傾斜自体はきつくない。周りに人も少ないので段差の小さいルートを選んで歩ける。山小屋の明かりが近くに見える頃から歩けなくなって休んでいる人を多く見るようになる。空気が薄いのにペースを上げ過ぎなのだ。下界と同じように歩いたら直ぐに息が切れてしまう。それを分かっているかどうかが山頂まで到達できるかどうかを分けるのだ。
七合目には山小屋が多く、小屋番のお兄さんが登山者と話をしたりしている。他の山域の山小屋にはない、のんびりとした雰囲気が流れている。看板を見るとここはもう2700m。トイレの前にはそれぞれチップ入れが設置してあり、利用する度に100円ほどの協力金を入れるようになっている。山小屋に着く度にトイレに入っていたらとんでもない額になるに違いない。とりあえず今のところはまだ用を足す必要はないだろう。階段でつながれた山小屋を抜けると岩場の登りとなる。河口湖口から登るとこの七合目から八合目までの岩場の急斜面が危険箇所と言えるだろう。傾斜がきついので登るのもきついが、人が少ないので周りを気にする必要がないのが救いである。岩場が終わるとまたジグザグの道となる。ここまで来ると七合目まで以上に道端で休んでいる人が多い。座り込んで眠ってしまっている人もいるようだ。休むのはかまわないが、落石だけには気をつけて欲しいところである。
(七合目)
再び山小屋が見えてきた。どうやら八合目らしい。看板には太子館と書かれている。デッキにベンチが置いてあるのでちょっと休憩する。ここまで来ると大分寒い。ご来光を見るためか起きだしてきて出発準備をするご夫婦がいる。ということは山頂まではまだ3時間くらい掛かるということか…。八合目付近の山小屋は七合目よりも分散しており、一つ一つ拾うような気分で進んでいく。太子館辺りでは3200mとなっていたが、元祖室では3250mとなっている。道標を見るとあと1時間50分と書かれているが、流石にこれは無理だろう。ここからはまた歩き難い岩場が出てくる。手すりの鎖にしがみつきながら進む。こういうところでは金剛杖がなんとも邪魔だ。再び砂礫の九十九折を登る。頑張りすぎると息が切れてかなりきつい。金剛杖にもたれながらもひたすら進む。また山小屋が見えてきた。本八合目の富士山ホテルだ。ここは3400mある。あと400mほどだが、これからが本当にきついのだ。この辺りで泊まるツアーが多いのか、団体さんが次々と起きだしてくる。出来ればツアー客とは一緒に登りたくないので、少し歩みを速める。トモエ館を過ぎ、八合五勺の御来光館を通り過ぎる。ここで3450m。
(八合目太子館)
(八合目白雲荘)
(八合目元祖室 50mの標高差でもきつい)
(本八合目富士山ホテル)
御来光館を過ぎるとツアー客で登山道が渋滞するようになる。体力的にも精神的にもきついところだが、ツアー客の横を通って先に進む。こういうときしっかり指導してくれるガイドさんの存在は有難い。九合目にも山小屋があるものだと思って進むが、明かりが見えてこない。その内に霧が出てきて辺りを包む。視界が遮られて歩くにも恐怖を感じる。砂礫から石段になると鳥居が見えてきた。どうやらこの辺りが九合目らしく、かつては山小屋などもあったようだ。かなりハイペースで進んできたがまだ高山病の症状は出ていない。ここまで来たら進むしかない。不意に下を覗くとツアー客のヘッドランプが一筋の光の列を作っている。休んではいられない。最後の力を振り絞って進む。まだもう少し掛かるだろうかと考えながら歩いていると建物が見えてくる。建物の前にある看板を見ると久須志神社の前にいるらしい。状況はよくわからないが山頂に着いたようだ。
(山頂神社前に着く)
(ヘッドライトの列が見える)
山頂に着いたものの、御来光まではまだ時間がある。久須志神社の前で待つ。八合目を過ぎた辺りから寒さを感じてはいたが、山頂の寒さは想像を絶するものがある。神社の建物がなければ強風を遮ることができないだろう。フリースを二枚着込み、下にはタイツを履いているがそれでも寒い。エマージェンシーシートを開けても良いのだが強風で吹き飛ばされる虞もある。寒い中ガタガタと震えながら、ただひたすら夜が明けるのを待つ。ツアー客も次々と上がってきて賑やかになってきた。あのツアー客の人達と同じペースでも良かったんだよな…。ツアー客が上がってくると山頂の山小屋が店を開けたようだ。本当なら御来光の時間まで眠っていたいところだが、寒さでそんな気にもならない。暇なのでポータブルプレイヤーを取り出して音楽を聴くことにする。次第に空が明るくなってきた。雲間には赤い筋も見える。いよいよ御来光だ。太陽は雲に隠れているがその明かりが漏れ見える。完全な御来光とはいかなかったがこれで十分だ。久須志神社の戸が開いたので中に入ってみる。外の寒さとは大違いだ。ここまで焼印を押してもらわなかったが山頂のものだけは押してもらうことにする。ついでに家族の分のお守りを購入する。大分混んできたので山小屋の前のベンチに避難する。目の前に広がるスカイラインが美しい。
(久須志神社)
(ご来光だ…)
お鉢回りをしてみようと立ち上がると、頭がクラクラする。おまけに吐き気が酷い。明らかに高山病の症状である。山頂に来るまでは何ともなかったのに…。おそらく山頂に着いて安心してしまったせいで一気に高山病の症状が出てしまったのだろう。気持ちは悪いが実際に吐いてしまうほどではないので、何とか剣ヶ峰までは行ってみたい。とりあえず山小屋に入って何か温かいものを飲もう。流石に料金は高いが気にして入られない。一番安そうなココアを頼むと缶のものが出てきた。まずは缶を握って手を温める。プルトップを開け、お腹に流し込む。ふぅ。缶のココアがこんなに美味く感じたのは初めてだ。一息ついたらいくらか吐き気が治まる。
(久須志神社隣は山小屋が建ち並ぶ)
外に出ると陽が上がってきたためか暖かい。風が強いが歩けないほどでもない。山小屋のおじさんと話をするとお鉢巡りには問題ない程度だという。とりあえずは剣ヶ峰まで行ってみよう。歩いてみると広い山頂であることは確かだが、高度感を感じるところが多い。下界を見ると山小屋群の向こうに樹海が緑の絨毯のように広がっている。他方火口を見るとまだ雪が残っている。大内院という火口の下部分までは4,50mくらい(実際は200mくらいの標高差がある)はありそうだ。火口を覗き込もうとすると風が強く吹き付け落ちてしまいそうだ。先に目をやると鳥居がたっているのが見える。エアリアでいう大日岳だろう。鳥居まで登ってみると何やら柱が凸凹しているのに気付く。よく見てみるとそれは木の亀裂に差し込んだ無数の硬貨であった。
(一番高い所が剣ヶ峰)
(火口を見下ろす)
(大日岳の鳥居)
大日岳から戻り伊豆岳・成就岳の外側を巻いていく。ここの巻きは鉄製のフェンスが設置されているだけあって風が強い。道が狭いところもありかなりの恐怖感がある。成就岳を過ぎると眼下に宝永山の姿が見える。富士登山とは別個に行ってみたいところではある。道が広くなり落ち着いて歩けるようになると石積みの建物が見えてくる。NTTの中継局として使われていたものらしい。下り基調になると山小屋群が見えてくる。たぶん富士宮口・御殿場口から上がってきた所なのだろう。頂上小屋に着くと河口湖口と異なりまだ開いていない。小屋の脇には山頂郵便局があるが営業は6時からとなっている。まだあと30分以上もある。高山病の症状はいくらか治まったとはいえ、できる限り早く下山したい。今回は諦めよう。小屋を回りこむと最終目的地の剣ヶ峰が見える。意外と距離があるようだ。この辺りで濃い霧に取り巻かれる。やがて馬の背と呼ばれる痩せ尾根に差し掛かる。フェンスがあるので危険はなさそうだが、砂礫地で歩き難い。傾斜がきつい上横風を受けて度々立ち止まる。霧が晴れるとドームが見えてきた。かつては測候所として使われていたところだ。これのおかげで日本の気象予報は格段の進歩を遂げたのだ。石段を上がるとドームの前に三角点がある。ここが最高峰の剣ヶ峰(3775.6)である。流石に記念写真を撮る人が多く混み合っている。標柱の写真だけ撮ることにした。これで下山できる。
(宝永山が見える)
(NTTの中継局跡)
(手前が富士宮口・御殿場口の頂上)
(山頂郵便局)
(剣ヶ峰を前にして曇ってきた)
(靄に包まれる馬の背)
(旧富士山測候所 かつてはドームがあった)
(日本最高所の石柱)
石段を戻り北に向かう。まだお鉢の半分ほどしか歩いていないのだ。大沢崩れの上を通りかかると猛烈な風である。逆回りから来た御夫婦もこの風に難儀している。大沢崩れを覗き込むと遠くに毛無山辺りの稜線が見える。大沢崩れ上部を通過すると道は下り基調となる。下に見える道をゆくのかと思いきやしっかり縁を歩かされる。ふらふらになりながらも何とか久須志神社に戻ってきた。せっかくなので神社前で記念写真を撮ってもらう。何か顔がパンパンになっている…。気圧が薄いのを実感する。さあ、下山だ。
(火口を見ながら御鉢を回る)
(巨大すぎてスケール感が狂う)
(おそらく毛無山辺り)
(この辺り猛烈な風だった)
須走口下山道の標柱から下山を始める。よく下山もきついと言われているが意外と良い道である。なだらかな傾斜で砂地も滑ることはない。山小屋を見ながら九十九折をどんどん下っていく。遠くには御坂方面の山が見える。まだこの辺りは山梨県側の景色が見えているのだ。手前は杓子山だろうか。だんだんと方向を変え、山中湖の姿も見えてくる。杓子山と石割山の間に聳える御正体山はかなり立派だ。下っているうちに気持ちの悪さも何時の間にか無くなってしまった。高山病を治すには下山するしかないということが身に沁みてわかる。河口湖口(吉田口)と須走口とは途中まで下山道が一緒なので分岐に気をつけなくてはならない。途中分岐に目立つ看板が立っている。下山道が一緒で尚且つこの看板に気付けば下山先を間違うことはないだろう。しかし外国人などの情報不足の人達はここで大半が間違ってしまうらしい。
(途中まで吉田口の下山道を下る 下には小屋が見える)
(須走口を示す道標 現在はもっとわかりやすいものが立っているそうだ)
(下山道は歩きやすいが山慣れていない人には膝に来るだろう)
分岐を過ぎると大分暑く感じられるようになった。防寒具を脱ぎ、手袋を外す。斜面を見下ろすとカシューナッツを縦に置いたような山中湖の姿がよく見える。湖の右手の山並は三国山稜であろう。これから先はこの山中湖を見下ろして進む。したがって河口湖口へ下りる場合にはこのカシューナッツ形の湖が終始見えているということは間違った道を歩いているということだ。是非気をつけてほしい。須走口下山道は七合目で登山道と合流し、太陽館の前に出る。小屋番さんが作ったと思われるゴルゴ13の看板が面白い。ただ河口湖口へ下りる予定だった人にはショックだろう。
(山中湖が見える場合は須走口へ下っていることになる)
(ゴルゴ13似の看板 現在は無くなっているとか なお著作権の関係でモザイクをかけている)
七合目を過ぎると山小屋は砂払五合目まで無い。ひたすら荒涼とした景色だけが広がっている。ブルドーザー道を見送ると道の傾斜がきつくなってくる。やがて下りるのに恐怖を感じるほどの傾斜となる。ここからが砂走りだ。傾斜がきついので難しそうに感じるが、コツさえ掴めば簡単に下りられる。通常山を下るときは爪先立ちになるように足を動かすが、砂走りでは逆に踵に体重を掛けて身体を反らしながらズルズルと滑っていけばよいのだ。そうすれば傾斜がきつくてもドンドン下っていける。但し手袋は着けていたほうがよいかもしれない。砂走りとは言っても所々大きめの石が埋まっている。うっかりその石に躓くと転んでしまう危険がある。実際私は石に躓いた拍子に手を切ってしまった。手を洗いたいところだが水が貴重なので、ウェットティッシュで拭いて応急処置をする。痛む手を庇いながら下るとだんだん潅木類が目立ってくる。下界に近づいたようだ。一旦樹林帯に入ってぬか喜びさせられるが、再び砂地を歩かされる。砂払五合目まで来ると山小屋が建っているが営業はしていない。当然水も得られないが多くの人が休んでいるので、ここで残りの水で怪我した箇所を洗い流す。ついでに着ていた雨具もしまう。もう20℃は優に超えているだろう。暑い。水を使い切って歩き出す。
(ブルドーザー道が奥に見える)
(砂走りがスタート)
(山中湖が見えづらくなってきた だいぶ下ったようだ)
(樹林帯を下る)
(砂払五合目を過ぎた辺り)
依然として砂礫地を行くが砂走りのような柔らかさはない。傾斜がきついので結構難儀する。再び樹林帯に入ると針葉樹らしい大きな木も目立ってくる。古御岳神社まで来ると道は舗装された石段となる。五合目の山小屋が見えてきた。小屋のおじさんが出迎えてくれる。ついにゴール。山小屋というか茶屋の前のベンチに腰を掛け、家族に連絡を入れる。登り始めてから何も食べていないにも係らず食欲が湧かない。茶屋でバスのチケットを買って待つ。バス停に下ると富士山の山頂が見える。傘雲を被っているので天気が崩れてくるのかもしれない。早めに来たバスに乗り込み待っているとボツボツと乗り込んでくる。全部で10人くらいは居ただろうか。バスは御殿場駅に向かって走り出す。駅に近づくと箱根の山が屏風のように聳えている。あそこもいつか行ってみたい。バスを降り、ここからは電車を乗り継いで帰らなければならない。自動販売機で飲み物を買っているとアジア風の外国人に声を掛けられる。新宿に戻りたいようだが、河口湖口に下りるのを間違えて須走口に下りてしまったらしい。小田急の直通特急に乗るよう伝えたが果たして通じたのだろうか。電車を乗り継ぎ東京に入ると人いきれと暑さでクラクラする。そういえば平日なのだ。自宅に戻り風呂から上がると夜になるまで寝入ってしまった。
(古御岳神社)
(須走口五合目)
(バス停前から 山頂を望む)
DATA:
新宿駅バスターミナル(中央高速バス120分)22:20河口湖口五合目~22:39泉ヶ滝~23:08富士山安全指導センター~0:12七合目~1:13八合目太子館~2:11本八合目~3:24久須志岳4:50~5:23駒ケ岳~5:41剣ヶ峰~6:16下山口~本八合目~7:08八合目~本七合目見晴館~7:38七合目太陽館~砂払い五合目~8:52須走口新五合目(富士急バス60分)御殿場駅
中央高速バスはハイウェイバスドットコム(https://www.highwaybus.com/gp/index)にて新宿~富士山五合目線として運行されています。
須走口五合目からは富士急行バスにて御殿場駅行き(本数多い)または新松田駅行き(本数少ない)があります。
前回の記録でも先述したように7,8月は山歩きを休む予定です。そこで過去7,8月に歩いた記録をアップすることにしました。第一弾は今話題の富士山です。但し8年前と古い記録であるうえ、現在はボクが歩いたような所謂弾丸登山は自粛要請が出されています。富士山へ登ってみたいという方はあくまでも参考程度としてご覧ください。また記事を当時書いたものをそのままアップしているので、内容に誤りがある可能性もあります。ご了承ください。
ある日行きつけの理容店で理容師のお兄さんが、家族で富士山に行ってみたい、と話していた。何となく興味を持った私はネットで色々調べてみた。すると初心者でも多くの人が登頂を果たしているらしい。それなら少なくとも登山装備は揃っている私なら行けなくもないだろう。ネット上では数多のアドバイスが溢れているのでそれを参考にすればよい。問題は費用だ。交通費くらいは何とかなるが、山小屋に泊まる余裕はない。何か良い方法はないものか。ネットで調べてみると高速バスの最終で五合目に着き、そこから夜通し歩いて山頂に行き、ご来光を見たら朝の内に下りてくることもできるとある。もうそれしかない。行くとなれば時期だが、意外と梅雨の間のほうが山の上の天候は安定するそうだ。急遽計画を立て、深夜バスを予約すると運良く席を取ることができた。あとは体調を整えるだけである。
21時前に西武新宿駅行きの電車に乗る。この時間に新宿行きに乗るのは初めてだ。西武新宿駅を出ると人が多い。日曜日の夜だが流石は眠らない街新宿である。ヨドバシカメラ近くの京王バスターミナルを利用するのも今回が初めてである。自動券売機に手惑うが何とか料金を払い、地下の休憩所で一息着く。休憩所で待つ人の顔ぶれは外国人のほうが多い。皆どこへ行くのだろう?30分ほど待ち呼び出しを聞いてターミナルへ向かう。すると外国人の人たちも一斉に動き出す。まさか…。バスのトランクに荷物を積み込み車内に入ると殆どが外国人である。軽装の人も多いようだが大丈夫なのか?私の隣にも白人のお兄さんが座ったが、体が大きいので窮屈そうである。隣に座る私も居心地が悪い。バスが動き出し混み合う都内を進む。今日は体力勝負なので出来る限り眠っていきたかったのだが、居心地の悪さで結局五合目に着くまで眠ることはできなかった。
22時に河口湖五合目に着くとレストハウスがまだ開いている。ここで金剛杖だけは買わねばならない。お土産屋に駆け込み金剛杖と富士ちゃんストラップなるものを買って、あとはのんびり出発するだけである。店の前でのんびり構えているとガラガラとシャッターが下ろされてしまった。確かに24時間開けている馬鹿はいないだろう。辺りはすっかり暗くなり、自動販売機の明かりだけが煌々と点いている。帽子の上にヘッドランプを着けて、いよいよ出発!
(吉田口(河口湖)五合目レストハウス)
人の流れにしたがって駐車場の中を進むと支度をしている人が多い。日本人はマイカーで訪れる人が中心なのかもしれない。次々と人に抜かれるが焦らず進む。駐車場を抜けると砂利道の緩やかな下りとなる。左手を見ると富士吉田辺りであろうか。街の灯りが煌いている。まだこの辺りはいくらか植物も生えているようだ。佐藤小屋分岐は森の中でここから岩っぽい道を進む。森を抜けると人工物が目立つ。落石を避けるためのトンネルを抜けると富士山安全指導センターに着く。係員のオジサン(警察官か?)に登山届を提出する。見ているとあまり登山届を出している人がいない。作ってこなくて大丈夫なのだろうか。柴犬を連れた親子が先を譲ってくれたが、それほど先を急ぐ必要もない。でも好意を無駄にしたくないので歩き始める。
(富士山安全指導センター)
安全指導センターから上は純然たる登山道となる。砂利道は意外と歩きやすく、これなら初心者でも歩けておかしくはない。上を見ると山小屋の明かりが点々と点いているのが見える。あれを目指して一歩一歩歩いていこう。道はジグザグに付けられ、傾斜自体はきつくない。周りに人も少ないので段差の小さいルートを選んで歩ける。山小屋の明かりが近くに見える頃から歩けなくなって休んでいる人を多く見るようになる。空気が薄いのにペースを上げ過ぎなのだ。下界と同じように歩いたら直ぐに息が切れてしまう。それを分かっているかどうかが山頂まで到達できるかどうかを分けるのだ。
七合目には山小屋が多く、小屋番のお兄さんが登山者と話をしたりしている。他の山域の山小屋にはない、のんびりとした雰囲気が流れている。看板を見るとここはもう2700m。トイレの前にはそれぞれチップ入れが設置してあり、利用する度に100円ほどの協力金を入れるようになっている。山小屋に着く度にトイレに入っていたらとんでもない額になるに違いない。とりあえず今のところはまだ用を足す必要はないだろう。階段でつながれた山小屋を抜けると岩場の登りとなる。河口湖口から登るとこの七合目から八合目までの岩場の急斜面が危険箇所と言えるだろう。傾斜がきついので登るのもきついが、人が少ないので周りを気にする必要がないのが救いである。岩場が終わるとまたジグザグの道となる。ここまで来ると七合目まで以上に道端で休んでいる人が多い。座り込んで眠ってしまっている人もいるようだ。休むのはかまわないが、落石だけには気をつけて欲しいところである。
(七合目)
再び山小屋が見えてきた。どうやら八合目らしい。看板には太子館と書かれている。デッキにベンチが置いてあるのでちょっと休憩する。ここまで来ると大分寒い。ご来光を見るためか起きだしてきて出発準備をするご夫婦がいる。ということは山頂まではまだ3時間くらい掛かるということか…。八合目付近の山小屋は七合目よりも分散しており、一つ一つ拾うような気分で進んでいく。太子館辺りでは3200mとなっていたが、元祖室では3250mとなっている。道標を見るとあと1時間50分と書かれているが、流石にこれは無理だろう。ここからはまた歩き難い岩場が出てくる。手すりの鎖にしがみつきながら進む。こういうところでは金剛杖がなんとも邪魔だ。再び砂礫の九十九折を登る。頑張りすぎると息が切れてかなりきつい。金剛杖にもたれながらもひたすら進む。また山小屋が見えてきた。本八合目の富士山ホテルだ。ここは3400mある。あと400mほどだが、これからが本当にきついのだ。この辺りで泊まるツアーが多いのか、団体さんが次々と起きだしてくる。出来ればツアー客とは一緒に登りたくないので、少し歩みを速める。トモエ館を過ぎ、八合五勺の御来光館を通り過ぎる。ここで3450m。
(八合目太子館)
(八合目白雲荘)
(八合目元祖室 50mの標高差でもきつい)
(本八合目富士山ホテル)
御来光館を過ぎるとツアー客で登山道が渋滞するようになる。体力的にも精神的にもきついところだが、ツアー客の横を通って先に進む。こういうときしっかり指導してくれるガイドさんの存在は有難い。九合目にも山小屋があるものだと思って進むが、明かりが見えてこない。その内に霧が出てきて辺りを包む。視界が遮られて歩くにも恐怖を感じる。砂礫から石段になると鳥居が見えてきた。どうやらこの辺りが九合目らしく、かつては山小屋などもあったようだ。かなりハイペースで進んできたがまだ高山病の症状は出ていない。ここまで来たら進むしかない。不意に下を覗くとツアー客のヘッドランプが一筋の光の列を作っている。休んではいられない。最後の力を振り絞って進む。まだもう少し掛かるだろうかと考えながら歩いていると建物が見えてくる。建物の前にある看板を見ると久須志神社の前にいるらしい。状況はよくわからないが山頂に着いたようだ。
(山頂神社前に着く)
(ヘッドライトの列が見える)
山頂に着いたものの、御来光まではまだ時間がある。久須志神社の前で待つ。八合目を過ぎた辺りから寒さを感じてはいたが、山頂の寒さは想像を絶するものがある。神社の建物がなければ強風を遮ることができないだろう。フリースを二枚着込み、下にはタイツを履いているがそれでも寒い。エマージェンシーシートを開けても良いのだが強風で吹き飛ばされる虞もある。寒い中ガタガタと震えながら、ただひたすら夜が明けるのを待つ。ツアー客も次々と上がってきて賑やかになってきた。あのツアー客の人達と同じペースでも良かったんだよな…。ツアー客が上がってくると山頂の山小屋が店を開けたようだ。本当なら御来光の時間まで眠っていたいところだが、寒さでそんな気にもならない。暇なのでポータブルプレイヤーを取り出して音楽を聴くことにする。次第に空が明るくなってきた。雲間には赤い筋も見える。いよいよ御来光だ。太陽は雲に隠れているがその明かりが漏れ見える。完全な御来光とはいかなかったがこれで十分だ。久須志神社の戸が開いたので中に入ってみる。外の寒さとは大違いだ。ここまで焼印を押してもらわなかったが山頂のものだけは押してもらうことにする。ついでに家族の分のお守りを購入する。大分混んできたので山小屋の前のベンチに避難する。目の前に広がるスカイラインが美しい。
(久須志神社)
(ご来光だ…)
お鉢回りをしてみようと立ち上がると、頭がクラクラする。おまけに吐き気が酷い。明らかに高山病の症状である。山頂に来るまでは何ともなかったのに…。おそらく山頂に着いて安心してしまったせいで一気に高山病の症状が出てしまったのだろう。気持ちは悪いが実際に吐いてしまうほどではないので、何とか剣ヶ峰までは行ってみたい。とりあえず山小屋に入って何か温かいものを飲もう。流石に料金は高いが気にして入られない。一番安そうなココアを頼むと缶のものが出てきた。まずは缶を握って手を温める。プルトップを開け、お腹に流し込む。ふぅ。缶のココアがこんなに美味く感じたのは初めてだ。一息ついたらいくらか吐き気が治まる。
(久須志神社隣は山小屋が建ち並ぶ)
外に出ると陽が上がってきたためか暖かい。風が強いが歩けないほどでもない。山小屋のおじさんと話をするとお鉢巡りには問題ない程度だという。とりあえずは剣ヶ峰まで行ってみよう。歩いてみると広い山頂であることは確かだが、高度感を感じるところが多い。下界を見ると山小屋群の向こうに樹海が緑の絨毯のように広がっている。他方火口を見るとまだ雪が残っている。大内院という火口の下部分までは4,50mくらい(実際は200mくらいの標高差がある)はありそうだ。火口を覗き込もうとすると風が強く吹き付け落ちてしまいそうだ。先に目をやると鳥居がたっているのが見える。エアリアでいう大日岳だろう。鳥居まで登ってみると何やら柱が凸凹しているのに気付く。よく見てみるとそれは木の亀裂に差し込んだ無数の硬貨であった。
(一番高い所が剣ヶ峰)
(火口を見下ろす)
(大日岳の鳥居)
大日岳から戻り伊豆岳・成就岳の外側を巻いていく。ここの巻きは鉄製のフェンスが設置されているだけあって風が強い。道が狭いところもありかなりの恐怖感がある。成就岳を過ぎると眼下に宝永山の姿が見える。富士登山とは別個に行ってみたいところではある。道が広くなり落ち着いて歩けるようになると石積みの建物が見えてくる。NTTの中継局として使われていたものらしい。下り基調になると山小屋群が見えてくる。たぶん富士宮口・御殿場口から上がってきた所なのだろう。頂上小屋に着くと河口湖口と異なりまだ開いていない。小屋の脇には山頂郵便局があるが営業は6時からとなっている。まだあと30分以上もある。高山病の症状はいくらか治まったとはいえ、できる限り早く下山したい。今回は諦めよう。小屋を回りこむと最終目的地の剣ヶ峰が見える。意外と距離があるようだ。この辺りで濃い霧に取り巻かれる。やがて馬の背と呼ばれる痩せ尾根に差し掛かる。フェンスがあるので危険はなさそうだが、砂礫地で歩き難い。傾斜がきつい上横風を受けて度々立ち止まる。霧が晴れるとドームが見えてきた。かつては測候所として使われていたところだ。これのおかげで日本の気象予報は格段の進歩を遂げたのだ。石段を上がるとドームの前に三角点がある。ここが最高峰の剣ヶ峰(3775.6)である。流石に記念写真を撮る人が多く混み合っている。標柱の写真だけ撮ることにした。これで下山できる。
(宝永山が見える)
(NTTの中継局跡)
(手前が富士宮口・御殿場口の頂上)
(山頂郵便局)
(剣ヶ峰を前にして曇ってきた)
(靄に包まれる馬の背)
(旧富士山測候所 かつてはドームがあった)
(日本最高所の石柱)
石段を戻り北に向かう。まだお鉢の半分ほどしか歩いていないのだ。大沢崩れの上を通りかかると猛烈な風である。逆回りから来た御夫婦もこの風に難儀している。大沢崩れを覗き込むと遠くに毛無山辺りの稜線が見える。大沢崩れ上部を通過すると道は下り基調となる。下に見える道をゆくのかと思いきやしっかり縁を歩かされる。ふらふらになりながらも何とか久須志神社に戻ってきた。せっかくなので神社前で記念写真を撮ってもらう。何か顔がパンパンになっている…。気圧が薄いのを実感する。さあ、下山だ。
(火口を見ながら御鉢を回る)
(巨大すぎてスケール感が狂う)
(おそらく毛無山辺り)
(この辺り猛烈な風だった)
須走口下山道の標柱から下山を始める。よく下山もきついと言われているが意外と良い道である。なだらかな傾斜で砂地も滑ることはない。山小屋を見ながら九十九折をどんどん下っていく。遠くには御坂方面の山が見える。まだこの辺りは山梨県側の景色が見えているのだ。手前は杓子山だろうか。だんだんと方向を変え、山中湖の姿も見えてくる。杓子山と石割山の間に聳える御正体山はかなり立派だ。下っているうちに気持ちの悪さも何時の間にか無くなってしまった。高山病を治すには下山するしかないということが身に沁みてわかる。河口湖口(吉田口)と須走口とは途中まで下山道が一緒なので分岐に気をつけなくてはならない。途中分岐に目立つ看板が立っている。下山道が一緒で尚且つこの看板に気付けば下山先を間違うことはないだろう。しかし外国人などの情報不足の人達はここで大半が間違ってしまうらしい。
(途中まで吉田口の下山道を下る 下には小屋が見える)
(須走口を示す道標 現在はもっとわかりやすいものが立っているそうだ)
(下山道は歩きやすいが山慣れていない人には膝に来るだろう)
分岐を過ぎると大分暑く感じられるようになった。防寒具を脱ぎ、手袋を外す。斜面を見下ろすとカシューナッツを縦に置いたような山中湖の姿がよく見える。湖の右手の山並は三国山稜であろう。これから先はこの山中湖を見下ろして進む。したがって河口湖口へ下りる場合にはこのカシューナッツ形の湖が終始見えているということは間違った道を歩いているということだ。是非気をつけてほしい。須走口下山道は七合目で登山道と合流し、太陽館の前に出る。小屋番さんが作ったと思われるゴルゴ13の看板が面白い。ただ河口湖口へ下りる予定だった人にはショックだろう。
(山中湖が見える場合は須走口へ下っていることになる)
(ゴルゴ13似の看板 現在は無くなっているとか なお著作権の関係でモザイクをかけている)
七合目を過ぎると山小屋は砂払五合目まで無い。ひたすら荒涼とした景色だけが広がっている。ブルドーザー道を見送ると道の傾斜がきつくなってくる。やがて下りるのに恐怖を感じるほどの傾斜となる。ここからが砂走りだ。傾斜がきついので難しそうに感じるが、コツさえ掴めば簡単に下りられる。通常山を下るときは爪先立ちになるように足を動かすが、砂走りでは逆に踵に体重を掛けて身体を反らしながらズルズルと滑っていけばよいのだ。そうすれば傾斜がきつくてもドンドン下っていける。但し手袋は着けていたほうがよいかもしれない。砂走りとは言っても所々大きめの石が埋まっている。うっかりその石に躓くと転んでしまう危険がある。実際私は石に躓いた拍子に手を切ってしまった。手を洗いたいところだが水が貴重なので、ウェットティッシュで拭いて応急処置をする。痛む手を庇いながら下るとだんだん潅木類が目立ってくる。下界に近づいたようだ。一旦樹林帯に入ってぬか喜びさせられるが、再び砂地を歩かされる。砂払五合目まで来ると山小屋が建っているが営業はしていない。当然水も得られないが多くの人が休んでいるので、ここで残りの水で怪我した箇所を洗い流す。ついでに着ていた雨具もしまう。もう20℃は優に超えているだろう。暑い。水を使い切って歩き出す。
(ブルドーザー道が奥に見える)
(砂走りがスタート)
(山中湖が見えづらくなってきた だいぶ下ったようだ)
(樹林帯を下る)
(砂払五合目を過ぎた辺り)
依然として砂礫地を行くが砂走りのような柔らかさはない。傾斜がきついので結構難儀する。再び樹林帯に入ると針葉樹らしい大きな木も目立ってくる。古御岳神社まで来ると道は舗装された石段となる。五合目の山小屋が見えてきた。小屋のおじさんが出迎えてくれる。ついにゴール。山小屋というか茶屋の前のベンチに腰を掛け、家族に連絡を入れる。登り始めてから何も食べていないにも係らず食欲が湧かない。茶屋でバスのチケットを買って待つ。バス停に下ると富士山の山頂が見える。傘雲を被っているので天気が崩れてくるのかもしれない。早めに来たバスに乗り込み待っているとボツボツと乗り込んでくる。全部で10人くらいは居ただろうか。バスは御殿場駅に向かって走り出す。駅に近づくと箱根の山が屏風のように聳えている。あそこもいつか行ってみたい。バスを降り、ここからは電車を乗り継いで帰らなければならない。自動販売機で飲み物を買っているとアジア風の外国人に声を掛けられる。新宿に戻りたいようだが、河口湖口に下りるのを間違えて須走口に下りてしまったらしい。小田急の直通特急に乗るよう伝えたが果たして通じたのだろうか。電車を乗り継ぎ東京に入ると人いきれと暑さでクラクラする。そういえば平日なのだ。自宅に戻り風呂から上がると夜になるまで寝入ってしまった。
(古御岳神社)
(須走口五合目)
(バス停前から 山頂を望む)
DATA:
新宿駅バスターミナル(中央高速バス120分)22:20河口湖口五合目~22:39泉ヶ滝~23:08富士山安全指導センター~0:12七合目~1:13八合目太子館~2:11本八合目~3:24久須志岳4:50~5:23駒ケ岳~5:41剣ヶ峰~6:16下山口~本八合目~7:08八合目~本七合目見晴館~7:38七合目太陽館~砂払い五合目~8:52須走口新五合目(富士急バス60分)御殿場駅
中央高速バスはハイウェイバスドットコム(https://www.highwaybus.com/gp/index)にて新宿~富士山五合目線として運行されています。
須走口五合目からは富士急行バスにて御殿場駅行き(本数多い)または新松田駅行き(本数少ない)があります。
とても細かいところまで分かり易いリポートを
楽しく拝見しました。
しかし正に弾丸登山で
恐ろしいほどの体力ですね。
富士山って遠くから眺めると穏やかで
誰でも楽に行けそうな気がしますね。
それで
数年前ですが私も家族4人で行ってみました。
はずかしながら私は頂上までは行けませんでした。
高山病です。太子堂まではスイスイ行っちゃいましたがこれが良くなかったようです。
太子堂で一休みして食事をしていると酷い頭痛と吐き気に襲われ私一人がそこから先は断念しました。
他の者が上まで行って帰ってくるのを待っていましたが
寒いのと頭痛とで早く駆け下りたかったですわ(笑)
白馬では全く問題なかったのですが、噴火前の木曽御嶽に夏行って同じような症状でした。そのときは熱射病だと思って、何とか頂上まで行ったのですが下山はフラフラでやっとの思いで麓につきました。富士山で同じような症状が出て木曽御嶽も高山病だったのだろうと思いましたね。
高山病で命を落とす人もいるそうですから高山病は頑張っちゃあいけないのですね。
齢もとしですからユックリと登って体力を温存しながら
行けばと・・・いつにか再挑戦したいです。
>恐ろしいほどの体力ですね
8年前のことですし、本当に若かったからできたことだったと思います。
今、夜行バスを使っての弾丸登山はもう無理ですね。
心臓止まるんじゃないでしょうか(笑)
>高山病
私は2回登頂してますが、どちらも高山病になりました。
ただ今回の記事と違って2度目のときはわりと軽くて済みました。
登頂したときはとっくに朝になっていて、休む暇がなかったのがよかったのかもしれません。
高山病は山人さんと同じくホッと一息ついてしまうとかかってしまうようです。
富士山は登頂率が5割と言われていますが、途中の小屋で休憩してしまうからなんじゃないかな、とちょっと疑っています。
>ユックリと登って
実は山慣れている人ほど登頂率が下がるなんて話もあります。
私の場合は周りの人に聞こえるくらい大きな深呼吸をしょっちゅうしてました。
意識的にゆっくりと、というのがいいのかもしれません。