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(五常の滝)
「奥武蔵へようこそ」というカテにおいては低山縦走だけでなく、所謂観光地も紹介しています。今回は鎌北湖とその周辺に点在する滝をつなぐ道を歩いてきました。当初見込みでは比較的楽なルートと思っていたのですが、意外とハードな山歩きとなりました。
スタートは武蔵横手駅。東吾野駅とともに奥武蔵のディープな所を好む人にはお馴染みの駅です。国道299号を横切り、東へ向かうと啓明荘の看板とチャンスンを模った道標が見えてきます。道標に従い、緩やかな車道を上がっていきます。関ノ入ヤツと呼ばれる沢沿いの道は周囲より温度が低くく感じます。途中「吾野線21号に至る」と書かれた黄色い標柱があり、ここから尾根へ上がって土山集落に出ることができます。標柱を見送ると今度はベンチと道標のある車の待避所に出ます。ここからは沢沿いに小瀬名へと出られます。そのまま車道を進むと「滝入口」と書かれた標識が木に括り付けられ、沢を横切るように道が付いています。頼りなさげな丸太橋を渡り、少し登山道を進むと水の音が大きくなってきます。五常(ごじょう)の滝に出ました。駅から徒歩30分で来られる距離にありながら、なかなか立派な滝です。落差は小さいものの、流れが途中で二又に分かれ、幅があるせいか、大きく感じます。
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(朝靄立ち込める武蔵横手駅)
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(五常の滝 縦アングル)
流れが小さく、滝壺は形成されていないので、そのまま対岸へ渡り車道に戻ります。車道は滝上部まで達しており、足を濡らすつもりなら滝上部の様子も観察できます。周囲が開けて明るくなる辺りで土山集落への道が分かれます。今日はまだまだ車道を上がります。中野集落へ近づいたからか、ポツポツと民家が現れます。いつもながらこうした山間に集落が形成されていることに驚かされます。青い小屋の建つ辺りで登山道に入ります。よく踏まれていて藪っぽさは微塵もありません。歩きやすい傾斜の道を上がっていくと不意に開けます。小瀬名集落です。南側に開けた斜面には畑が広がり、その向こうには丹沢の山並を望むことが出来ます。
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(分岐に建つ青い小屋)
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(小瀬名集落)
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(丹沢方面を望む)
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(集落から再び林へ)
開けた集落から再び奥武蔵らしい手入れの行き届いた植林の中を進みます。傾斜の緩やかな道を進むと左手に尾根が見えてきて、合流します。整備された道にはベンチなどがあり、物見山・日和田山へと縦走するコースは軽い半日コース。物見山の山頂へと分岐する所がヤセオネ峠。ここから次に目指す宿谷(しゅくや)の滝への道が下りています。宿谷の滝への道は2010年度版のエアリアマップでは破線ルートになっています。ここからは初めて歩く道。どんな状態なのでしょうか。
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(ヤセオネ峠 宿谷の滝への分岐)
下り始めはかなり傾斜が急です。それでも十分足らずで一旦車道に下り立ちます。毛呂山町の古いハイキングマップの看板脇から尾根道を下ります。植林の中の道は緩やかで破線ルートというには物足らない道です。木に薄いビニールのテープが巻かれた辺りから傾斜が急になります。十分くらいの間ですが、山慣れていない人には少々危険な道かもしれません。水の流れる音が聞こえてくると宿谷川に下り立ちます。川沿いの快適な道を進むと公園に出ます。宿谷の滝公園で東屋の下のベンチには観光客が寛いでいます。スパッツを着けた登山姿の私に驚いている様子です。公園を抜けて石段を下った先が宿谷の滝。一条の流れが落ちるシンプルな滝です。
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(川沿いの道 快適です)
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(宿谷の滝公園)
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(宿谷の滝)
宿谷の滝公園へ戻り、道標にしたがって鎌北湖方面へ木段を上がります。車道へ出たら、ここも道標にしたがって車道を200mほど下ります。道標の所で簡易舗装された道を上がると北向地蔵方面への分岐となっています。いや、道標だらけですなぁ。分岐を鎌北湖方面に上がると傾斜の緩い道が続いています。しばらく進むと尾根を越える名無しの峠に出ます。このまま下れば鎌北湖に出られます。東電の黄色い標柱側を上がれば、送電製を経て324のピークに出られそうです。ですが、まずはエアリアにある見晴台へ上がってみます。北に延びるやや薄い踏み跡を上がっていくと木の間越しに鎌北湖が見られます。確りとした道が続きますが、何故か最近は歩かれていないような感じがします。やがて正面に金属製の見晴台が見えてきました。見晴台はかなり傷んでいるようです。階段には破れた立入禁止のテープがぶら下がっていました。慎重に踏み板を上がると日光方面・赤城山などの山々が見えます。良い景色ですが、ここに上がるのはお薦めしにくいです。
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(鎌北湖が見える)
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(見晴台)
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(見晴台からの眺め)
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(日光方面)
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(赤城山)
名無しの峠へ戻り、鎌北湖へ。沢状の地形となっているためか、道の中央は水流で抉れています。かなり道が交錯してしまっているので、そのうちに土留めの木段が出来てしまうかもしれません。少し下ると左手から木段が延びてきているのが見えます。何の木段だろうと思っていると道標があり、四季彩の丘公園と書かれています。見上げると東屋があり、眺めが良さそうです。時間も早いので、のんびり上がってみることにします。これでもかと続く木段を登っていくともう一つ東屋が見えます。最初に見えた東屋に上がると鎌北湖がよく見えます。ちょっと休憩しようかとも思いましたが、昨日の雨でかなり濡れているのでもう一つの東屋まで歩くことにします。一旦下り、また登るというなかなかマゾな作りのハイキングコースを行くとデッキ・東屋があります。デッキ・東屋ともに木が伸びてしまって、鎌北湖を見るにはあまり適していないようです。
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(最初の東屋から鎌北湖を眺める)
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(最初の東屋を望む)
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(デッキ)
デッキ脇の木段を下っていくと公共の宿である鎌北湖レイクビューホステルに出ます。ここはタンクローリーで運んだ温泉に日帰り入浴できる宿ですが、今日はもちろん入浴しません。車道へ出て左に下っていくと廃墟と化した白いホテルのような建物が見えます。そのまま南岸の遊歩道を進もうとするとフェンスに行く手を阻まれます。ここを抜けない限り南岸の遊歩道へ出られないのですが、侵入者は建造物侵入罪で告訴するとのこと。流石に断念するしかありません。北岸を延びる車道を歩くことにします。鎌北湖は本来農業用の溜池で堤には桜が植えられています。堤から大谷木川沿いに延びる遊歩道も一度歩いてみたい道です。ヘラブナ釣り(有料)を楽しむ釣り師を横目に見ながら車道をのんびり歩いていきます。車の往来はそれほど多くなく、これからの季節、湖岸の紅葉を楽しむのも良いでしょう。
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(湖岸の紅葉)
もろバス(平日のみ)の停留所がある鎌北湖第二駐車場をを見送ると鎌北・大谷木の集落です。ユガテ・北向地蔵への分岐を分け、森を抜ける車道を進むと開けた土地に民家が立ち並びます。庭に柚子の実がなっているのが晩秋から新年明けに掛けての奥武蔵の風景。また車道が分かれるのですが、道標はありません。地図を見て右へ。集落が途切れると砂利道となって通行止めの看板が立っています。人は大丈夫との判断を下して先へ進みます。ここは峠越えの道で地形図では登山道の扱いですが、実際には獅子ヶ滝まで砂利道が続きます。長い車道と砂利道歩き、おまけに予想外の暑さで具合が悪くなり、道端でゲロゲロ…。以降ペースが上がりません。峠の東側は送電鉄塔が建ち、見晴らしが良さそうですが、もう上がれません。エアリアだとこの辺りから登山道になっているので、おそらくこの送電鉄塔付近に道があるのでしょう。でもそのまま砂利道を下っていきます。しばらく下ると一本杉峠への横道が延びていますが、ここは無視。砂利道が途切れると車道に出て、そのすぐ先が獅子ヶ滝入口です。獅子ヶ滝は落差の小さな滝で、見所には乏しいかもしれません。
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(柚子)
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(獅子ヶ滝入口)
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(獅子ヶ滝)
当初予定では一本杉峠へ向かう横道に戻るはずでしたが、もうあの砂利道は歩きたくありません。このまま獅子ヶ滝横の車道を上がり、カイ立場を経て一本杉峠を目指すことにします。獅子ヶ滝上部を巻きながら上がっていく車道は沢が二手に分かれる所で途切れます。一瞬南西へ延びる沢に行きそうになりましたが、よく見ると沢を横切って登山道が延びています。登山道へ入るとかなり草が被っています。なるほどエアリアで破線ルートになっている訳です。それでも確りとした踏み跡が延びており、ある程度山慣れた人なら迷うことはないでしょう。傾斜が増す中、クネクネとした道を慎重に辿ると尾根に出ます。カイ立場かと思いましたが、何やら以前見た光景と違います。どうやらカイ立場の一段下にいるようです。愛宕山方面にはハゲ山がありますが、見晴らしはあまり良くありませんでした。
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(カイ立場入口)
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(藪っぽい道)
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(ハゲ山)
見覚えのあるカイ立場まで来ればここから先は何度か歩いた道。同じ破線ルートでもここはかなり良い道。緩やかな登りの後、傾斜の急な登りをこなすと杉の大木が立つ一本杉峠(496)。尾根を進むと丸山から日和田山まで続く縦走路に出ます。先ほどの横道は此処のことを言っているんでしょうね。一旦車道へ下り、顔振峠を目指します。この近辺は縦走路中でもかなり歩きやすい所。他方スカリ山方面の十二曲りと呼ばれる辺りは厳しいアップダウンが続き、同じ縦走路でも対照的です。緩やかなアップダウンを経て越上山分岐。今日は主要なピークは踏んでいないのですが、体調が悪いのでパス。分岐を過ぎるとすぐに広い諏訪神社に出ます。ここは人が多いですねぇ。トイレもあるし、休憩にちょうど良いのでしょう。
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(カイ立場)
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(一本杉峠)
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(諏訪神社)
諏訪神社の拝殿に上がると脇に巻き道が付いています。通常はここを行くのですが、今日はエアリアには載っていない裏道の尾根へ上がります。巻き道から適当に上がりやすいところを進み、尾根に乗り上げると薄い踏み跡が延びています。踏み跡を辿っていくと奥武蔵でよく見かけるプラスティック板の道標が括りつけられています。初めて裏道を歩く人はこの道標にしたがって歩くと良いでしょう。地形図が読める人なら尾根を突っ切るのも有りです。裏道はかつて整備された跡もあり、明瞭な所もあれば、草が被って不明瞭な所もあります。見晴台直下まで来ると人の声が聞こえてきました。やや急な斜面を登ると顔振峠見晴台に出ます。いやぁ、ここも人が多いですね。十数人は居たでしょうか。見晴台からは鼻曲山と大高取山辺りが見えますが、あまり良い眺めとは言えません。少しだけ休憩を取って黒山三滝へ向かうことにします。茶屋が立ち並ぶ顔振峠(かあぶりとうげ)へ下るとここは良い景色。雲が無ければ富士山も見えるんですけれどねぇ。
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(裏道にある道標)
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(藪っぽい所)
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(見晴台から鼻曲山・大高取山)
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(おそらく関八州見晴台方面)
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(顔振峠の茶屋)
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(顔振峠からのパノラマ)
顔振峠からはまたまた車道歩き。今日は随分と車道を歩かされます。20分ほど歩くと登山道に入ります。少し歩くと役ノ行者(えんのぎょうじゃ)像への道が分かれます。役ノ行者像への道は紙の地形図にはありませんが、ディジタル地図にはしっかり描かれています。役ノ行者像への道に入ると最初はやや急な巻き道が続きます。山慣れていないとちょっと怖いかも。頭上に見えていた尾根が段々と近づき、尾根に乗った所で右手に下る分岐が現れます。ディジタル地図を見ると実線で描かれていますが、おそらく大分下まで登山道になっているものと思われます。役ノ行者像と書かれたほうへ進むと低木の雑木林に出ます。雑木林を抜けるとベンチのある広場に出ます。ここがエアリアのいう大平山でしょう。振り返ると枝分かれした木の根元に五体の石像が置かれています。一番左に憤怒の表情を浮かべる不動明王、その右には二体の眷属の鬼が座り、中央には役ノ行者が鎮座しています。この役ノ行者像は近年破壊され、頭部が持ち去られるという事件が起こりましたが、綺麗に修復されていました。一番奥には柔和な顔をした観音様が控え目に佇んでいます。
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(花)
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(役ノ行者像へ続く巻き道)
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(大平山)
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(五体の石像 奥は大平山山頂ですが立入禁止となっています)
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(不動明王)
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(鬼)
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(役ノ行者)
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(観音様)
大平山からは厳しい下り。ゲロってしまうほどの体調の悪さだとかなりしんどいルートです。急な斜面をヨタヨタと下っていくと今日一番の難所であるロープ場が現れます。登りだとどうってことはない岩場ですが、下りは流石にロープを使わないと難しい。でも岩にしゃがみこんでストックを使うと、あら不思議、ロープを使わずに下れます。ロープ場を過ぎると人の声が聞こえてきます。だいぶ滝が近づいてきたようです。道標の立つ所で傘杉峠・黒山三滝の分岐に出ます。少し下ると久しぶりに水の音がします。そのまま下ると男滝・女滝を示す道標があり、下に天狗滝と書かれています。この辺りに天狗滝があるらしく、激しい水流の音はするものの、滝の姿は見えません。とりあえず男滝・女滝へ向かうと眼下に二条の滝が見えてきました。下にあるのが女滝、上にあるのが男滝で、男滝のほうが大きく迫力があります。この二滝の側には東屋があり、東屋から下るとすぐ側に売店があります。商売上手いなぁ。
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(ロープ場)
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(女滝・男滝)
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(女滝)
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(男滝)
売店を通り過ぎると傘杉峠への分岐があります。天狗滝はここを登るのだろうと見当をつけ、石段を登っていきます。きつい登り返しをこなすと沢へと下る石段が分かれています。ここを下ると天狗滝です。落差は今回の行程の中では最も大きなものだと思われます。流れが岩に隠されて見えないのが残念です。手摺の付いた滑りやすい遊歩道を下ると車道へ出てきます。これで山歩きは終了です。
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(天狗滝)
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(滑りやすい遊歩道)
黒山三滝から黒山バス停までは売店や食事処が立ち並びなかなか賑やかな様子。この辺りは周辺の中でも寒いのか、木々が綺麗に色付いています。見頃は今週末くらいまででしょうか。瀟洒な建物の黒山鉱泉館も一度は入ってみたいところですが、体調も悪いので泣く泣く諦めます。黒山バス停の周辺には入浴の出来る東上閣やうどん屋さんなどがあり、ここも人の往来があります。その割にはバスに乗る人がそれほど多くなかったことが意外でした。皆クルマで来てしまうんですかね。
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(紅葉)
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(黒山鉱泉館)
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(東上閣)
最初にも書きましたが、思ったよりもハードなルートです。特に獅子ヶ滝周辺は車道歩きが長くなるので、ここをカットして鎌北湖から北向地蔵~一本杉峠と向かうのも良いでしょう。それぞれの滝はクルマでも行ける所なので、エスケープは容易だと思います。水辺を歩くことが多いので、スパッツを着けることをお薦めします。
DATA:
武蔵横手駅6:56~7:27五常の滝~8:08ヤセオネ峠~8:41宿谷の滝~9:11鎌北湖見晴台~9:44鎌北湖レイクビューホステル
~10:44獅子ヶ滝~11:17カイ立場~11:33一本杉峠~12:05諏訪神社~12:29顔振峠見晴台~12:45顔振峠~13:24役ノ行者像
~13:58黒山三滝~14:23黒山バス停(川越観光バス30分)越生駅
川越観光バス 黒山~越生駅 すみません運賃は見忘れました…
トイレ:鎌北湖 諏訪神社 顔振峠 黒山三滝
地形図 飯能 越生 正丸峠
山と高原地図 奥武蔵・秩父 2010年度版
「奥武蔵へようこそ」というカテにおいては低山縦走だけでなく、所謂観光地も紹介しています。今回は鎌北湖とその周辺に点在する滝をつなぐ道を歩いてきました。当初見込みでは比較的楽なルートと思っていたのですが、意外とハードな山歩きとなりました。
スタートは武蔵横手駅。東吾野駅とともに奥武蔵のディープな所を好む人にはお馴染みの駅です。国道299号を横切り、東へ向かうと啓明荘の看板とチャンスンを模った道標が見えてきます。道標に従い、緩やかな車道を上がっていきます。関ノ入ヤツと呼ばれる沢沿いの道は周囲より温度が低くく感じます。途中「吾野線21号に至る」と書かれた黄色い標柱があり、ここから尾根へ上がって土山集落に出ることができます。標柱を見送ると今度はベンチと道標のある車の待避所に出ます。ここからは沢沿いに小瀬名へと出られます。そのまま車道を進むと「滝入口」と書かれた標識が木に括り付けられ、沢を横切るように道が付いています。頼りなさげな丸太橋を渡り、少し登山道を進むと水の音が大きくなってきます。五常(ごじょう)の滝に出ました。駅から徒歩30分で来られる距離にありながら、なかなか立派な滝です。落差は小さいものの、流れが途中で二又に分かれ、幅があるせいか、大きく感じます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/30/29b4c0b4c1756a3c98ae40428e9acff3.jpg)
(朝靄立ち込める武蔵横手駅)
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(五常の滝 縦アングル)
流れが小さく、滝壺は形成されていないので、そのまま対岸へ渡り車道に戻ります。車道は滝上部まで達しており、足を濡らすつもりなら滝上部の様子も観察できます。周囲が開けて明るくなる辺りで土山集落への道が分かれます。今日はまだまだ車道を上がります。中野集落へ近づいたからか、ポツポツと民家が現れます。いつもながらこうした山間に集落が形成されていることに驚かされます。青い小屋の建つ辺りで登山道に入ります。よく踏まれていて藪っぽさは微塵もありません。歩きやすい傾斜の道を上がっていくと不意に開けます。小瀬名集落です。南側に開けた斜面には畑が広がり、その向こうには丹沢の山並を望むことが出来ます。
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(分岐に建つ青い小屋)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/72/4dab30031a431d5c6b1c173363d22f3f.jpg)
(小瀬名集落)
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(丹沢方面を望む)
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(集落から再び林へ)
開けた集落から再び奥武蔵らしい手入れの行き届いた植林の中を進みます。傾斜の緩やかな道を進むと左手に尾根が見えてきて、合流します。整備された道にはベンチなどがあり、物見山・日和田山へと縦走するコースは軽い半日コース。物見山の山頂へと分岐する所がヤセオネ峠。ここから次に目指す宿谷(しゅくや)の滝への道が下りています。宿谷の滝への道は2010年度版のエアリアマップでは破線ルートになっています。ここからは初めて歩く道。どんな状態なのでしょうか。
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(ヤセオネ峠 宿谷の滝への分岐)
下り始めはかなり傾斜が急です。それでも十分足らずで一旦車道に下り立ちます。毛呂山町の古いハイキングマップの看板脇から尾根道を下ります。植林の中の道は緩やかで破線ルートというには物足らない道です。木に薄いビニールのテープが巻かれた辺りから傾斜が急になります。十分くらいの間ですが、山慣れていない人には少々危険な道かもしれません。水の流れる音が聞こえてくると宿谷川に下り立ちます。川沿いの快適な道を進むと公園に出ます。宿谷の滝公園で東屋の下のベンチには観光客が寛いでいます。スパッツを着けた登山姿の私に驚いている様子です。公園を抜けて石段を下った先が宿谷の滝。一条の流れが落ちるシンプルな滝です。
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(川沿いの道 快適です)
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(宿谷の滝公園)
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(宿谷の滝)
宿谷の滝公園へ戻り、道標にしたがって鎌北湖方面へ木段を上がります。車道へ出たら、ここも道標にしたがって車道を200mほど下ります。道標の所で簡易舗装された道を上がると北向地蔵方面への分岐となっています。いや、道標だらけですなぁ。分岐を鎌北湖方面に上がると傾斜の緩い道が続いています。しばらく進むと尾根を越える名無しの峠に出ます。このまま下れば鎌北湖に出られます。東電の黄色い標柱側を上がれば、送電製を経て324のピークに出られそうです。ですが、まずはエアリアにある見晴台へ上がってみます。北に延びるやや薄い踏み跡を上がっていくと木の間越しに鎌北湖が見られます。確りとした道が続きますが、何故か最近は歩かれていないような感じがします。やがて正面に金属製の見晴台が見えてきました。見晴台はかなり傷んでいるようです。階段には破れた立入禁止のテープがぶら下がっていました。慎重に踏み板を上がると日光方面・赤城山などの山々が見えます。良い景色ですが、ここに上がるのはお薦めしにくいです。
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(鎌北湖が見える)
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(見晴台)
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(見晴台からの眺め)
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(日光方面)
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(赤城山)
名無しの峠へ戻り、鎌北湖へ。沢状の地形となっているためか、道の中央は水流で抉れています。かなり道が交錯してしまっているので、そのうちに土留めの木段が出来てしまうかもしれません。少し下ると左手から木段が延びてきているのが見えます。何の木段だろうと思っていると道標があり、四季彩の丘公園と書かれています。見上げると東屋があり、眺めが良さそうです。時間も早いので、のんびり上がってみることにします。これでもかと続く木段を登っていくともう一つ東屋が見えます。最初に見えた東屋に上がると鎌北湖がよく見えます。ちょっと休憩しようかとも思いましたが、昨日の雨でかなり濡れているのでもう一つの東屋まで歩くことにします。一旦下り、また登るというなかなかマゾな作りのハイキングコースを行くとデッキ・東屋があります。デッキ・東屋ともに木が伸びてしまって、鎌北湖を見るにはあまり適していないようです。
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(最初の東屋から鎌北湖を眺める)
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(最初の東屋を望む)
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(デッキ)
デッキ脇の木段を下っていくと公共の宿である鎌北湖レイクビューホステルに出ます。ここはタンクローリーで運んだ温泉に日帰り入浴できる宿ですが、今日はもちろん入浴しません。車道へ出て左に下っていくと廃墟と化した白いホテルのような建物が見えます。そのまま南岸の遊歩道を進もうとするとフェンスに行く手を阻まれます。ここを抜けない限り南岸の遊歩道へ出られないのですが、侵入者は建造物侵入罪で告訴するとのこと。流石に断念するしかありません。北岸を延びる車道を歩くことにします。鎌北湖は本来農業用の溜池で堤には桜が植えられています。堤から大谷木川沿いに延びる遊歩道も一度歩いてみたい道です。ヘラブナ釣り(有料)を楽しむ釣り師を横目に見ながら車道をのんびり歩いていきます。車の往来はそれほど多くなく、これからの季節、湖岸の紅葉を楽しむのも良いでしょう。
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(湖岸の紅葉)
もろバス(平日のみ)の停留所がある鎌北湖第二駐車場をを見送ると鎌北・大谷木の集落です。ユガテ・北向地蔵への分岐を分け、森を抜ける車道を進むと開けた土地に民家が立ち並びます。庭に柚子の実がなっているのが晩秋から新年明けに掛けての奥武蔵の風景。また車道が分かれるのですが、道標はありません。地図を見て右へ。集落が途切れると砂利道となって通行止めの看板が立っています。人は大丈夫との判断を下して先へ進みます。ここは峠越えの道で地形図では登山道の扱いですが、実際には獅子ヶ滝まで砂利道が続きます。長い車道と砂利道歩き、おまけに予想外の暑さで具合が悪くなり、道端でゲロゲロ…。以降ペースが上がりません。峠の東側は送電鉄塔が建ち、見晴らしが良さそうですが、もう上がれません。エアリアだとこの辺りから登山道になっているので、おそらくこの送電鉄塔付近に道があるのでしょう。でもそのまま砂利道を下っていきます。しばらく下ると一本杉峠への横道が延びていますが、ここは無視。砂利道が途切れると車道に出て、そのすぐ先が獅子ヶ滝入口です。獅子ヶ滝は落差の小さな滝で、見所には乏しいかもしれません。
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(柚子)
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(獅子ヶ滝入口)
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(獅子ヶ滝)
当初予定では一本杉峠へ向かう横道に戻るはずでしたが、もうあの砂利道は歩きたくありません。このまま獅子ヶ滝横の車道を上がり、カイ立場を経て一本杉峠を目指すことにします。獅子ヶ滝上部を巻きながら上がっていく車道は沢が二手に分かれる所で途切れます。一瞬南西へ延びる沢に行きそうになりましたが、よく見ると沢を横切って登山道が延びています。登山道へ入るとかなり草が被っています。なるほどエアリアで破線ルートになっている訳です。それでも確りとした踏み跡が延びており、ある程度山慣れた人なら迷うことはないでしょう。傾斜が増す中、クネクネとした道を慎重に辿ると尾根に出ます。カイ立場かと思いましたが、何やら以前見た光景と違います。どうやらカイ立場の一段下にいるようです。愛宕山方面にはハゲ山がありますが、見晴らしはあまり良くありませんでした。
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(カイ立場入口)
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(藪っぽい道)
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(ハゲ山)
見覚えのあるカイ立場まで来ればここから先は何度か歩いた道。同じ破線ルートでもここはかなり良い道。緩やかな登りの後、傾斜の急な登りをこなすと杉の大木が立つ一本杉峠(496)。尾根を進むと丸山から日和田山まで続く縦走路に出ます。先ほどの横道は此処のことを言っているんでしょうね。一旦車道へ下り、顔振峠を目指します。この近辺は縦走路中でもかなり歩きやすい所。他方スカリ山方面の十二曲りと呼ばれる辺りは厳しいアップダウンが続き、同じ縦走路でも対照的です。緩やかなアップダウンを経て越上山分岐。今日は主要なピークは踏んでいないのですが、体調が悪いのでパス。分岐を過ぎるとすぐに広い諏訪神社に出ます。ここは人が多いですねぇ。トイレもあるし、休憩にちょうど良いのでしょう。
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(カイ立場)
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(一本杉峠)
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(諏訪神社)
諏訪神社の拝殿に上がると脇に巻き道が付いています。通常はここを行くのですが、今日はエアリアには載っていない裏道の尾根へ上がります。巻き道から適当に上がりやすいところを進み、尾根に乗り上げると薄い踏み跡が延びています。踏み跡を辿っていくと奥武蔵でよく見かけるプラスティック板の道標が括りつけられています。初めて裏道を歩く人はこの道標にしたがって歩くと良いでしょう。地形図が読める人なら尾根を突っ切るのも有りです。裏道はかつて整備された跡もあり、明瞭な所もあれば、草が被って不明瞭な所もあります。見晴台直下まで来ると人の声が聞こえてきました。やや急な斜面を登ると顔振峠見晴台に出ます。いやぁ、ここも人が多いですね。十数人は居たでしょうか。見晴台からは鼻曲山と大高取山辺りが見えますが、あまり良い眺めとは言えません。少しだけ休憩を取って黒山三滝へ向かうことにします。茶屋が立ち並ぶ顔振峠(かあぶりとうげ)へ下るとここは良い景色。雲が無ければ富士山も見えるんですけれどねぇ。
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(裏道にある道標)
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(藪っぽい所)
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(見晴台から鼻曲山・大高取山)
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(おそらく関八州見晴台方面)
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(顔振峠の茶屋)
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(顔振峠からのパノラマ)
顔振峠からはまたまた車道歩き。今日は随分と車道を歩かされます。20分ほど歩くと登山道に入ります。少し歩くと役ノ行者(えんのぎょうじゃ)像への道が分かれます。役ノ行者像への道は紙の地形図にはありませんが、ディジタル地図にはしっかり描かれています。役ノ行者像への道に入ると最初はやや急な巻き道が続きます。山慣れていないとちょっと怖いかも。頭上に見えていた尾根が段々と近づき、尾根に乗った所で右手に下る分岐が現れます。ディジタル地図を見ると実線で描かれていますが、おそらく大分下まで登山道になっているものと思われます。役ノ行者像と書かれたほうへ進むと低木の雑木林に出ます。雑木林を抜けるとベンチのある広場に出ます。ここがエアリアのいう大平山でしょう。振り返ると枝分かれした木の根元に五体の石像が置かれています。一番左に憤怒の表情を浮かべる不動明王、その右には二体の眷属の鬼が座り、中央には役ノ行者が鎮座しています。この役ノ行者像は近年破壊され、頭部が持ち去られるという事件が起こりましたが、綺麗に修復されていました。一番奥には柔和な顔をした観音様が控え目に佇んでいます。
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(花)
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(役ノ行者像へ続く巻き道)
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(大平山)
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(五体の石像 奥は大平山山頂ですが立入禁止となっています)
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(不動明王)
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(鬼)
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(役ノ行者)
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(観音様)
大平山からは厳しい下り。ゲロってしまうほどの体調の悪さだとかなりしんどいルートです。急な斜面をヨタヨタと下っていくと今日一番の難所であるロープ場が現れます。登りだとどうってことはない岩場ですが、下りは流石にロープを使わないと難しい。でも岩にしゃがみこんでストックを使うと、あら不思議、ロープを使わずに下れます。ロープ場を過ぎると人の声が聞こえてきます。だいぶ滝が近づいてきたようです。道標の立つ所で傘杉峠・黒山三滝の分岐に出ます。少し下ると久しぶりに水の音がします。そのまま下ると男滝・女滝を示す道標があり、下に天狗滝と書かれています。この辺りに天狗滝があるらしく、激しい水流の音はするものの、滝の姿は見えません。とりあえず男滝・女滝へ向かうと眼下に二条の滝が見えてきました。下にあるのが女滝、上にあるのが男滝で、男滝のほうが大きく迫力があります。この二滝の側には東屋があり、東屋から下るとすぐ側に売店があります。商売上手いなぁ。
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(ロープ場)
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(女滝・男滝)
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(女滝)
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(男滝)
売店を通り過ぎると傘杉峠への分岐があります。天狗滝はここを登るのだろうと見当をつけ、石段を登っていきます。きつい登り返しをこなすと沢へと下る石段が分かれています。ここを下ると天狗滝です。落差は今回の行程の中では最も大きなものだと思われます。流れが岩に隠されて見えないのが残念です。手摺の付いた滑りやすい遊歩道を下ると車道へ出てきます。これで山歩きは終了です。
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(天狗滝)
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(滑りやすい遊歩道)
黒山三滝から黒山バス停までは売店や食事処が立ち並びなかなか賑やかな様子。この辺りは周辺の中でも寒いのか、木々が綺麗に色付いています。見頃は今週末くらいまででしょうか。瀟洒な建物の黒山鉱泉館も一度は入ってみたいところですが、体調も悪いので泣く泣く諦めます。黒山バス停の周辺には入浴の出来る東上閣やうどん屋さんなどがあり、ここも人の往来があります。その割にはバスに乗る人がそれほど多くなかったことが意外でした。皆クルマで来てしまうんですかね。
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(紅葉)
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(黒山鉱泉館)
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(東上閣)
最初にも書きましたが、思ったよりもハードなルートです。特に獅子ヶ滝周辺は車道歩きが長くなるので、ここをカットして鎌北湖から北向地蔵~一本杉峠と向かうのも良いでしょう。それぞれの滝はクルマでも行ける所なので、エスケープは容易だと思います。水辺を歩くことが多いので、スパッツを着けることをお薦めします。
DATA:
武蔵横手駅6:56~7:27五常の滝~8:08ヤセオネ峠~8:41宿谷の滝~9:11鎌北湖見晴台~9:44鎌北湖レイクビューホステル
~10:44獅子ヶ滝~11:17カイ立場~11:33一本杉峠~12:05諏訪神社~12:29顔振峠見晴台~12:45顔振峠~13:24役ノ行者像
~13:58黒山三滝~14:23黒山バス停(川越観光バス30分)越生駅
川越観光バス 黒山~越生駅 すみません運賃は見忘れました…
トイレ:鎌北湖 諏訪神社 顔振峠 黒山三滝
地形図 飯能 越生 正丸峠
山と高原地図 奥武蔵・秩父 2010年度版