務のよしなしごと

ハンプトン・コート宮殿の人々(完成時期未定)
「オペラ座の怪人」勝手に解説
住んでいる近辺の紹介

「オペラ座の怪人」プロローグ

2021-04-09 | 趣味

※当ブログのシステム設定により、行途中でのスペースが意図したとおりに表示されないことがあります。英語の台詞や歌詞及び和訳ではおかしな表示が現れることになりますが、ご容赦ください。
また、英語学習者のために、英語の構造や語感をやや残した和訳にしました。日本語にない、日本語らしくない言い回しが多く出てくることになります。プロの翻訳家の和訳を楽しみたい方は是非ロンドンでの25周年記念公演のDVDを手に入れてください。

(1905年、パリのオペラ座の舞台。薄暗い中、オークションに参加する人々が両側の階段から中央へ静かに集合。競売人が中央、向かって右側に年老いたラウルが座る。
オークションに出されるのは、オペラ座に残っていた今では不要になった昔の演目に因んだ小道具及び備品など。)

AUCTIONEER(競売人)
(木槌を打って)Sold. Your number, sir? Thank you. 落札! 番号は? ありがとうございます。
Lot 663,then,ladies and gentlemen: a poster for this house’s production of ‘Hannibal’ by Chalumeau.
では、663番です、皆さん:この劇場の出し物、シャルモー作「ハンニバル」のポスターです。(※ シャルモーや「ハンニバル」は架空の人物及びオペラ)

PORTER(ポーター)
Showing here.   こちらです。

AUCTIONEER(競売人)
Do I have ten francs? Five then. Five I am bid. Six? Six.
10フランでどうですか? では、5フラン。5フランでの入札。 6フランでは? 6です。(ここで5フランに対抗してラウルの付き人が21番の札を挙げる)
Do I see seven? Seven. Against you, sir, seven. Eight? Eight.
7はどうでしょう。7です。(ラウルに対抗する人物が7フランで入札) 7フランの対抗入札です。 8にしますか?8。(ラウルの付き人が再び札を挙げる)
Eight once. Selling twice. Sold, to Raoul, Vicomte de Chagny. Thank you very much.
もう一度8(フラン)。 確認します。 (木槌を打って) ラウル・シャニュイ子爵に落札されました。ありがとうございます。

Lot 664. Ladies and gentlemen, a wooden pistol and three human skul1s,from the 1831 production of ‘Robert le Diable' by Meyerbeer.
664番。皆さん、木製のピストルと頭蓋骨が3つ。1831年の演目、マイアベーアによる「悪魔のロベール」からのものです。
(※ 実在の劇作家とオペラで、イギリスのウィリアム征服王の父をモデルにしたと言われているオペラ)
Ten francs for this. Ten, thank you. Ten I am bid. Ten francs still. Fifteen, thank you, sir.
これは10フランで。10ですね。ありがとうございます。10フランで入札がありました。10フランです。15ですか、ありがとうございます。
Fifteen, I am bid. Going for fifteen. Your number, sir? Thank you.
15フランの入札。15で落札(木槌を打つ)。 番号をどうぞ。ありがとうございます。

Lot 665. Ladies and gentlemen: a papier-mâché musical box, in the shape of a barrel-organ. Attached, the figure of a monkey
665番。皆さん、張り子のオルゴールで、手回しオルガンの形をしています。上に乗っているのはシンバルをたたく
in Persian robes, playing the cymbals. This item, discovered in the vaults of the theatre, still in working order, ladies and gentlemen.
ペルシャの服を着た猿の人形です。この品は劇場の地下室で発見されたものですが、今でも動く状態にあります。

PORTER (ポーター)
(オルゴールを持ち上げて)Showing here. こちらです。
(ハンドルを回すと「マスカレード(仮面舞踏会)」のメロディーが奏でられる。※「マスカレード」はこのミュージカルの中で重要な意味を持つ曲で、第2幕の最初では大勢に、2幕の最後では怪人によって歌われる。)

AUCTIONEER(競売人)
May I commence at twenty francs? Oh, come, come, ladies and gentlemen. Fifteen,then? Fifteen I am bid.Thank you very much. Yes, twenty from you, sir. Thank you very much.
20フランから始めましょうか。さぁ、皆さんどしどし入札してください。じゃ、15フランでは? (ラウルの付き人が札を挙げる) 15で入札。ありがとうございます。(男性参加者が札を挙げる)で、あなたは20ですね。ありがとうございます。

LADY(参加者中の一人の女性 ※劇場版や映画版によってはマダム・ジリーが入札することも)
Twenty-five 25(フラン)。

AUCTIONEER(競売人)
Twenty-five on my right. Thank you, madame. Twenty-five I am bid. Thirty? Thirty. Selling at thirty francs, then. Thirty, once, thirty twice …
こちらから25という声がありました。ありがとうございます。25での入札です。30?(ラウルの付き人が札を挙げる)30。30フランでどうですか。30で....
Sold for thirty francs to the Vicomte de Chagny. Thank you very much, sir.
(木槌を打ち)落札。30フランでシャニュイ子爵へ。ありがとうございます。

RAOUL(ラウル)
(ポーターに)Boy. 君。

(声をかけられてポーターはラウルに近づく。ラウルはオルゴールを丹念に見る。)

RAOUL(ラウル)
(半ば自分自身に、半ば人形に)
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A collector's piece indeed...              まさに収集家が欲しがるものだ
Every detail exactly as she said...       細かいところまで彼女が言ってた通り
She often spoke of you, my friend...           彼女はよく話していたよ
Your velvet lining and your figurine of lead...        ヴェルヴェットの服と鉛の人形だったと
Will you still play,           今でも曲を奏でるのか
when all the rest of us are dead...?           皆が死んでしまってからも
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AUCTIONEER(競売人)
Lot 666 then: a chandelier in pieces. Some of you may recall the strange affair of the Phantom of the Opera, a mystery never fully explained.
では、666番。部分ごとに分解されたシャンデリアです。オペラ座の怪人にまつわる不思議な出来事を思い浮かべる人もいるでしょう。それは決して全容が説明されることがないミステリーなのです。
We are told, ladies and gentlemen, that this is the very chandelier which figures in the famous disaster.
皆さん、これがまさしくあの有名な災難に登場するシャンデリアだと言われています。
Our workshops have restored it and fitted parts of it with wiring for the new electric light, so that we may get a hint of how it may look when reassembled.
ここの工房がそれを復元し、電線を巡らせて電球をを取り付けました。組み立てなおすとどのように見えるか分かるでしょう。
Perhaps we may frighten away the ghost of so many years with a little illumination. Gentlemen…
多分、少しの明かりで何年も前の幽霊も驚いて逃げ出すことでしょう。

(ここで前奏曲の演奏と共に客席前方上に吊るされ、布で覆われたシャンデリアが火花を散らし始める。そして徐々に覆いが引き上げられシャンデリアが姿を現す。舞台後方には怪人がオルガンを弾いている姿が投影される。※ハー・マジェスティー劇場では、舞台前方の中央に布で覆われたシャンデリアが、前奏曲の演奏開始を合図に、覆いが外され、客席前方上部へと引き上げられる。)