あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

ノリノリ~♪

2014-09-20 | 本(文庫本)
三浦しをんさんの『星間商事株式会社社史編纂室』を読みました。
最初に言っちゃいます。面白かったです。何が良いって、作者がノリノリで書いているのが分かるんですよ。そういう作品が面白くないわけがない。

中堅商社の星間商事にあるゆる~い部署「社史編纂室」。社史を作るという立派な仕事はあるのだけど、存在自体がつかめない幽霊部長、遅刻するのが当たり前の課長、コンパだけに情熱を傾ける軽い男・矢田、甘いモノ好きでダイナマイトバディのみっこちゃんがメンバーでは、とても社史の編纂は遅々として進まない。しかも唯一仕事をするように思える川田幸代(29歳・独身)も、実は「腐女子」で、そのテの同人誌を作ってコミケに参加するのが生きがいで、同人誌作りのためにゆるい部署への異動を希望したくらい。

この設定だけで、おそらく三浦さんは実際に執筆に入る前からノリノリだったと思われます。仕事と恋と濃い趣味…。こうなると本領発揮しちゃうでしょ。

ゆるいメンバーではあるけれど、それでも社史は作らなければならず、会社の歴史を調べているうちに、幸代たちは会社のある秘密に気付いてしまう。それをより深く調べようとすると、妨害をしかけてくる謎の人物が…。自分たちが働いている会社に「黒い歴史」が確実にある。それを見抜けなければきちんとした社史を作ることはできない。ゆるい部署は一気にやる気を得て黒歴史に立ち向かう。

彼らがどのような形で会社の黒歴史を暴いていくか、これはもう痛快なんです。編纂室のメンバーがそれぞれとても良い働きをします。
途中、腐女子・幸代の書く小説も良いアクセントになっているし、幸代の恋愛模様とかは私的にはどうでも良かったのだけど、とにかく読後が「チョ~気持ちいい!」な作品でした。
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