宮部みゆきさんの『昨日がなければ明日もない』を読みました。
杉村三郎シリーズの文庫最新版です。書店で平積みになっている本書の表紙カバーイラストを見て「杉村三郎ちゃんじゃないの!」とすぐにわかりました。ファンですから。そして即買い。ファンですから。
50歳代半ばの品の良いご婦人が杉村探偵事務所10人目の依頼人。一昨年に結婚した娘が自殺未遂を図ったのだが、娘の夫から面会を拒否され、メール連絡もできない状況であることを告げられる。娘を心配する母の助けになればと奮闘する杉村だが、娘失踪の陰に陰惨な事件が隠れていて……。(絶対零度)
杉村三郎シリーズの第5弾となる本書は、「ちょっと困った女たち」が登場する3つの中篇からなります。「絶対零度」のほか、結婚式場を舞台に展開する様々な女たちの過去と今を描いた「華燭」、16歳で最初の子どもを産んだ29歳の女性から持ち掛けられた身勝手な相談事から始まる悲劇の顛末を描いた表題作「機能がなければ明日もない」。いろんなパターンの「ちょっと困った女たち」が描かれています。「ちょっと困った女たち」となっているけど、本当は「かなり困った女たち」だと思うのですけど。
登場人物がやたらと多いのに一人一人のキャラがきっちり立っている。ここが宮部さんの凄いところで、とくにおばさんたちの描写はいつも「流石だなぁ」と感じます。絶対いるもん、そういうおばさんたち。
社会の闇、人間のドロドロした部分を描いているシリーズですが、そこまで重たくならないのは杉村三郎のキャラクターのおかげだと思うのです。それと今回感じられたのは、杉村が間借りしている部屋の大家の竹中さん一家とのかかわりがとても良い感じで描かれていること。この家族たちとある程度距離をとりつつ家族の一員ぽく溶け込む様子が今後さらに出てくるのではないかと期待できます。
そして今回から登場する謎でちょっと不気味な印象もある刑事・立科警部補がこれからどう杉村と関わってくるのか、楽しみが増えました。
杉村三郎シリーズの文庫最新版です。書店で平積みになっている本書の表紙カバーイラストを見て「杉村三郎ちゃんじゃないの!」とすぐにわかりました。ファンですから。そして即買い。ファンですから。
50歳代半ばの品の良いご婦人が杉村探偵事務所10人目の依頼人。一昨年に結婚した娘が自殺未遂を図ったのだが、娘の夫から面会を拒否され、メール連絡もできない状況であることを告げられる。娘を心配する母の助けになればと奮闘する杉村だが、娘失踪の陰に陰惨な事件が隠れていて……。(絶対零度)
杉村三郎シリーズの第5弾となる本書は、「ちょっと困った女たち」が登場する3つの中篇からなります。「絶対零度」のほか、結婚式場を舞台に展開する様々な女たちの過去と今を描いた「華燭」、16歳で最初の子どもを産んだ29歳の女性から持ち掛けられた身勝手な相談事から始まる悲劇の顛末を描いた表題作「機能がなければ明日もない」。いろんなパターンの「ちょっと困った女たち」が描かれています。「ちょっと困った女たち」となっているけど、本当は「かなり困った女たち」だと思うのですけど。
登場人物がやたらと多いのに一人一人のキャラがきっちり立っている。ここが宮部さんの凄いところで、とくにおばさんたちの描写はいつも「流石だなぁ」と感じます。絶対いるもん、そういうおばさんたち。
社会の闇、人間のドロドロした部分を描いているシリーズですが、そこまで重たくならないのは杉村三郎のキャラクターのおかげだと思うのです。それと今回感じられたのは、杉村が間借りしている部屋の大家の竹中さん一家とのかかわりがとても良い感じで描かれていること。この家族たちとある程度距離をとりつつ家族の一員ぽく溶け込む様子が今後さらに出てくるのではないかと期待できます。
そして今回から登場する謎でちょっと不気味な印象もある刑事・立科警部補がこれからどう杉村と関わってくるのか、楽しみが増えました。