あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

ぅわぁ~!!

2010-10-11 | 本(文庫本)
荻原浩強化月間5冊目。『噂』を読みました。今回の強化月間もかなり順調。5冊目にして「たぶんこれが最高なんじゃない?」な作品を読むことができました。
感想を簡単に言うと、今日の記事のタイトルになります。最初から最後まで、ずっと「!!!!!!!」でした。

ニューヨークから来た殺人鬼「レインマン」。女の子をさらって殺し、足首を切り落とす。でも、ミリエルの香水をつけていれば狙われない…。全ては無名ブランドの香水の販売戦略のために、戦略的に流した「噂」だった。しかしその噂通りの殺人事件が連続して発生。殺された少女たちの足首は、無残にも切り落とされていた。

小説なのだからフィクションなのだけど、実にノンフィクションな雰囲気をビシビシ感じる作品でした。連続殺人事件は別として、新商品を売るための戦略として流す「噂」なんて、現実の世界でも当たり前のようにあるわけだし、その噂を流している胡散臭い人たちも実際にいるし。「殺人事件は別として」と書きましたが、模倣犯罪は現実の世界にもあるのだから…。
読み進めて行くうちに、ここで描かれている殺人事件が恐いのではなく、描かれている「社会」が、実際にあることが、ものすごく怖いと感じました。私の周りに殺人鬼はいないけど、胡散臭い奴ならたくさんいる…。噂を流した張本人・杖村みたいな胡散臭いの、いるわ~。

ここまで荻原作品を続けて読んでの感想ですが、この作家さんは「こういう人です」とひと言で言うことができないタイプの方だと思います。いろんなものがいろんな風に書けてしかも巧い。とくにこのミステリーに関しては、読んで唸るしかなかったわけです。
事件が解決して、クールダウン的なシーンを描いたと思いきや、最後の1行で読む者を「ゾワッ」とさせるテクニックには「ぅわぁ~!! やられたぁ~」となるしかありませんでした。ちょうど宮部みゆきさんの『火車』を読んだ時のような…。
ああ、白状してしまいますが、この『噂』を読んでいる途中で何度も宮部作品を読んでいる感覚に陥っておりました。それほど宮部さんのミステリーと同じ感覚で夢中になれたのでした。

荻原浩強化月間はひとますこれにて終了。どの作品も、ホント、面白かった~♪
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