
夢枕獏さんの『陰陽師 天鼓ノ巻』を読みました。
お久しぶりの陰陽師シリーズ。何と、連載開始から25周年なんだそうです。四半世紀! 凄っ! 晴明と博雅が平安の闇を祓う物語に魅せられてからはその半分くらいですけど、それでももうそんなに年月が経ってしまったのですね。はぁ~……。
今回も陰陽師・安倍晴明と彼の盟友・源博雅が、その時々の季節の美しさを愛でながら、ゆるりと酒を酌み交わしながら、妖しいモノたちを祓って平安を謳歌する。そんな物語が綴られています。
この世界観を25年ですよ! 中にはちょっとテイストの違った『瀧夜叉姫』のような大作もありましたが、概ねこの「妖し&ゆったり感」が貫かれているのです。大好きですけど。
そして今作では、盲目の琵琶法師、蝉丸がキーパーソンでした。
蝉丸といえば、私と彼との出会いは、子どもの頃におばあちゃんの家で見た百人一首が最初でした。
まったく意味はわからなかったけど、札に描かれているのがお坊さんだということと、名前のインパクトが幼心に残っていました。
その蝉丸法師が、逆立つ髪の美しい女に取り憑かれたままでいる理由が明らかにされる「逆髪の女」は、これまでの話と比べると異質、といえば異質なのかも。だって、その妖しいものを、晴明は呪で封じたりしないのですから。蝉丸が「このままで」と言うのをきき入れ、ラストシーンの続いている妖しい宴まで流れていきます。
蝉丸法師、あなたって人はいったい……。
獏さんの作品はとにかく「終わらない」というイメージなんですけど、どうか『陰陽師』もずっと長く書き続けてほしいと願うシリーズです。どうか、どうか…。
25周年、おめでとうございました。
※百人一首では「わかれては」となっていますが、後撰集や百人秀歌などでは「わかれつつ」となっていて、本来は「わかれつつ」が正しいとされているそうです。
お久しぶりの陰陽師シリーズ。何と、連載開始から25周年なんだそうです。四半世紀! 凄っ! 晴明と博雅が平安の闇を祓う物語に魅せられてからはその半分くらいですけど、それでももうそんなに年月が経ってしまったのですね。はぁ~……。
今回も陰陽師・安倍晴明と彼の盟友・源博雅が、その時々の季節の美しさを愛でながら、ゆるりと酒を酌み交わしながら、妖しいモノたちを祓って平安を謳歌する。そんな物語が綴られています。
この世界観を25年ですよ! 中にはちょっとテイストの違った『瀧夜叉姫』のような大作もありましたが、概ねこの「妖し&ゆったり感」が貫かれているのです。大好きですけど。
そして今作では、盲目の琵琶法師、蝉丸がキーパーソンでした。
蝉丸といえば、私と彼との出会いは、子どもの頃におばあちゃんの家で見た百人一首が最初でした。
これやこの 行くも帰るもわかれては 知るも知らぬも逢坂の関
まったく意味はわからなかったけど、札に描かれているのがお坊さんだということと、名前のインパクトが幼心に残っていました。
その蝉丸法師が、逆立つ髪の美しい女に取り憑かれたままでいる理由が明らかにされる「逆髪の女」は、これまでの話と比べると異質、といえば異質なのかも。だって、その妖しいものを、晴明は呪で封じたりしないのですから。蝉丸が「このままで」と言うのをきき入れ、ラストシーンの続いている妖しい宴まで流れていきます。
蝉丸法師、あなたって人はいったい……。
獏さんの作品はとにかく「終わらない」というイメージなんですけど、どうか『陰陽師』もずっと長く書き続けてほしいと願うシリーズです。どうか、どうか…。
25周年、おめでとうございました。
※百人一首では「わかれては」となっていますが、後撰集や百人秀歌などでは「わかれつつ」となっていて、本来は「わかれつつ」が正しいとされているそうです。