あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

たまに読みたくなる

2018-04-08 | 本(文庫本)
年に1度くらいかな。たま~に「名作」とか「古典」などとされている作品を読みたくなります。別に深い理由などないのですが、ふとそんな作品を目にしたりすると、ついつい手に取ってしまったりして。
今回はそんな2作品。

カバーデザインに魅かれて手にしたのは、夏目漱石の『こころ』。
この漱石晩年の傑作長編小説を部分的に知ってはいたけど、全部ちゃんと読んだのは今回が初めてでした。流石漱石、天才的な比喩表現。古典から学ぶことはたくさんありますね。
本作は「先生」と「私」の奇妙な友情エピソードと、「私」の家族との関係を描いた章で半分。残り半分は「先生」から届いた遺書の全文で構成されています。遺書、長いわ~。長文すぎるわ~。受け取った方が辛いわ~。重すぎるわ~。

親友であった「K」を裏切って、下宿先の娘と結婚する先生。そのせいで「K」を自殺に追い込んでしまった「先生」は、罪の意識にさいなまれつつ生きているだけでした。そして明治天皇が亡くなり、乃木大将が殉死するという事件が起こったことをきっかけに、「先生」も死を決意する。
何だかね~。この時代の男って、自殺だとか殉死だとか、勝手じゃないかって思うんです。それが「美学」とでも? 残された先生の奥さんのこと、先生もKも、ちっとも考えてないんじゃないのかしら。
「生きろ! 弱い部分も抱えて生きろ!」そう言いたくなってしまったのだから仕方ない。


もう1冊は梶井基次郎の『檸檬』。これも檸檬イエローのピカピカのカバーデザインに魅かれてしまいました。

昭和7年に31歳で亡くなった梶井基次郎の作品で知っていたのは、「檸檬」と「桜の樹の下には」でした。高校生の時に読んだ記憶があります。とくに「桜の樹の下には」は、冒頭の「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」が衝撃的で、ゾワゾワしたことを覚えています。
そして何十年ぶりかに読んだ梶井基次郎作品。希望が見えない作品が多い中、晩年に書かれた「交尾」と「のんきな患者」が好きになれました。



またには「古典」に親しんでみるのも良いかもよ~。
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