伊坂幸太郎さんの『仙台ぐらし』を読みました。
2005~2015年に書かれたエッセイ集。震災後に書かれた短篇「ブックモビール」も収録。
で暮らす心配性の著者が、日々身の回りで起きるちょっと疑問に思うことなどを綴る。タクシードライバーとの会話から思うタクシーが多すぎる元凶、執筆は主に喫茶店で行う著者に気軽に声をかけてくる人が多いこと、自宅の庭をトイレにしている猫にどう対処すれば良いのか、などのほか、東日本大震災を経験した後の心情なども。
本書の2/3は、震災前に書かれたエッセイで、震災後のものはその1/5ほどしかありません。でも、私の気持ちがブルブル震えたのは、この震災後のエッセイでした。
あの日のあの時間、伊坂さんは仙台駅近くの喫茶店で執筆中だったそうです。ご家族は無事だったし、自宅も大きな被害を受けることはなかったそうです。
だけど「心はくたびれた」。
復興のために何とかしなければいけないと、気持ちを強く持って立ち上がった人だって、表面上はわからなくても絶対に“心はくたびれて”いるんです。へこたれているのではなく、くたびれている……。
私事ではあるけれど、ちょっとだけのボランティアでいわき市に行ったとき、ほとんど何のお役にも立てず、ただずっと地元住民のお母さんと話をして、手を取り合って一緒に泣いているだけだった情けなさだけを持ち帰ったこと。それをその後すぐに行った仙台で、仙台に住む陽子さんに話したら「良いことをしてきたね」って言ってもらえたこと。言われたときには全然わからなかった「良いこと」の意味が、伊坂さんのエッセイを読んで分かったような気がしました。
そして私が仙台に行った時と同じ2011年8月に書かれた「震災のこと」というタイトルのエッセイの中で、伊坂さんは「僕は、楽しい話を書きたい」と綴っています。
泣けた……。そして、これからもこの作家さんの作品を読んで、楽しい気持ちにしてもらおうと思いました。
2005~2015年に書かれたエッセイ集。震災後に書かれた短篇「ブックモビール」も収録。
で暮らす心配性の著者が、日々身の回りで起きるちょっと疑問に思うことなどを綴る。タクシードライバーとの会話から思うタクシーが多すぎる元凶、執筆は主に喫茶店で行う著者に気軽に声をかけてくる人が多いこと、自宅の庭をトイレにしている猫にどう対処すれば良いのか、などのほか、東日本大震災を経験した後の心情なども。
本書の2/3は、震災前に書かれたエッセイで、震災後のものはその1/5ほどしかありません。でも、私の気持ちがブルブル震えたのは、この震災後のエッセイでした。
あの日のあの時間、伊坂さんは仙台駅近くの喫茶店で執筆中だったそうです。ご家族は無事だったし、自宅も大きな被害を受けることはなかったそうです。
だけど「心はくたびれた」。
復興のために何とかしなければいけないと、気持ちを強く持って立ち上がった人だって、表面上はわからなくても絶対に“心はくたびれて”いるんです。へこたれているのではなく、くたびれている……。
私事ではあるけれど、ちょっとだけのボランティアでいわき市に行ったとき、ほとんど何のお役にも立てず、ただずっと地元住民のお母さんと話をして、手を取り合って一緒に泣いているだけだった情けなさだけを持ち帰ったこと。それをその後すぐに行った仙台で、仙台に住む陽子さんに話したら「良いことをしてきたね」って言ってもらえたこと。言われたときには全然わからなかった「良いこと」の意味が、伊坂さんのエッセイを読んで分かったような気がしました。
そして私が仙台に行った時と同じ2011年8月に書かれた「震災のこと」というタイトルのエッセイの中で、伊坂さんは「僕は、楽しい話を書きたい」と綴っています。
泣けた……。そして、これからもこの作家さんの作品を読んで、楽しい気持ちにしてもらおうと思いました。