伊坂幸太郎さんの『AX』を読みました。
全然読書記録を残せない状態が続いていて、気がつけば5月。うっかりしていると2021年も半分終わってしまいます。いかんいかん。
コードネーム「兜」は超一流の殺し屋。しかし家ではどうしようもないほどの恐妻家。殺し屋家業のことは妻も一人息子の克巳も知らない。実は殺し屋家業をやめたいと考えている兜なのだが、引退に必要な金を稼ぐまでは仕事を辞められに続けていたのだった。ある仕事を軽々とこなした兜は、意外な人物からその後の運命を決定付けられるほどの現実を告げられる。
「AX(アックス)」とは「斧」。昭和プロレスファンですから「アックス」と言えば「アックスボンバー」が、本作では「蟷螂の斧」が関わります。
伊坂さんの殺し屋を主人公にした作品には『グラスホッパー』や『マリアビートル』があって、どれも面白く読みましたが、個人的には本作が最もぐっと来たことをまず記しておきます。
殺し屋だけど恐妻家。まずこのギャップにやられます。恐妻家とされているけれど、読んでいくと、兜は家族思いの凄く優しい、世界一優しい夫であり父親なのだと思えました。ちょっと滑稽なところもある普通の中年男性。だけど裏の顔は完璧に仕事をこなす殺し屋。ギャップありすぎの設定が面白い。
また、伊坂作品らしく過去シリーズのキャラクターがチョイチョイと出てくるのも見逃せません。こういう展開ができるのが伊坂さんですから、読者としては楽しくて仕方ないのです。
そして物語の展開も(ネタバレになるから詳しく記しませんが)本当に見事で、ラストはいつもの通り「やってくれるわ~」となるのです。この緊張感!爽快感!達成感!ありがとう兜!
ちょっと切ない気持ちにもなる本作。自分の中にいろんな感情が溢れてくることの面白さを知ることもできる秀作です。
全然読書記録を残せない状態が続いていて、気がつけば5月。うっかりしていると2021年も半分終わってしまいます。いかんいかん。
コードネーム「兜」は超一流の殺し屋。しかし家ではどうしようもないほどの恐妻家。殺し屋家業のことは妻も一人息子の克巳も知らない。実は殺し屋家業をやめたいと考えている兜なのだが、引退に必要な金を稼ぐまでは仕事を辞められに続けていたのだった。ある仕事を軽々とこなした兜は、意外な人物からその後の運命を決定付けられるほどの現実を告げられる。
「AX(アックス)」とは「斧」。昭和プロレスファンですから「アックス」と言えば「アックスボンバー」が、本作では「蟷螂の斧」が関わります。
伊坂さんの殺し屋を主人公にした作品には『グラスホッパー』や『マリアビートル』があって、どれも面白く読みましたが、個人的には本作が最もぐっと来たことをまず記しておきます。
殺し屋だけど恐妻家。まずこのギャップにやられます。恐妻家とされているけれど、読んでいくと、兜は家族思いの凄く優しい、世界一優しい夫であり父親なのだと思えました。ちょっと滑稽なところもある普通の中年男性。だけど裏の顔は完璧に仕事をこなす殺し屋。ギャップありすぎの設定が面白い。
また、伊坂作品らしく過去シリーズのキャラクターがチョイチョイと出てくるのも見逃せません。こういう展開ができるのが伊坂さんですから、読者としては楽しくて仕方ないのです。
そして物語の展開も(ネタバレになるから詳しく記しませんが)本当に見事で、ラストはいつもの通り「やってくれるわ~」となるのです。この緊張感!爽快感!達成感!ありがとう兜!
ちょっと切ない気持ちにもなる本作。自分の中にいろんな感情が溢れてくることの面白さを知ることもできる秀作です。