宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証』を読みました。
全6巻、約4000ページ。年明けからずっと長編を読み続けましたが、今回の「長編ばっかりフェスティバル」(いつ命名?)はこれがラストかな? しばらくは長編でなくても良いかも、と思えたくらい、これ以上は望めないかもしれないと思えたくらい、凄い作品でした。
雪が降るクリスマスの深夜。中学校舎の屋上からこの中学の2年生・柏木卓也が転落死した。不登校だった彼の死は自殺と判断された。しかし年が明けてから、彼の死は同級生による殺人であるとの告発状が、校長、担任、そして柏木の同級生で刑事の父を持つ藤野涼子に届く。告発状が届いてからさらに校内に広がる疑念、マスコミの過剰報道、誰からともなく始まる「犯人捜し」。やがて3年生に進級した涼子は、この状況を打破すべく、真実を求める行動に出る。
それが学校内裁判でした。
本書は、1・2巻の第1部で、転落死事件から次々と起こる騒動と新たな事件で不安に心が揺れる中学生たちを描き、3・4巻の第2部で、事件に翻弄されているのに本当のことを教えてくれない大人たちに苛立ち、中学生たちが立ち上がります。「自分たちで真実を突き止めよう」。そして学校内裁判を計画します。5・6巻の第3部では、ずっと学校内裁判の様子を詳細に描きます。多くの証人たちによる証言を積み重ねて、中学生たちだけでなく大人も含めた誰もが、生きていくことの本当の意味と価値を知る「真実」にたどり着きます。
物語のメインはこの第3部で、裁判を行う中学生たちはとても中学生とは思えないほど、本当にオトナなんです。「これは宮部さん、やりすぎちゃいましたねぇ~」と思ったくらい。
先日、中学3年生の全国テストの答案用紙のサンプルを見ることがあったのですが、中3にもなると、個人差がビックリするくらいあるんです。「できたお子さんで…」とため息が出るような子もいれば、「小3の間違いなのでは?」という子もいる。
小説の中の子たちも、学校内裁判を開廷するくらいなのだから「よくできたお子さん」に間違いないのです。でも本当にここまでの子たち、いるか?
……あ、いるか。いたわ。藤井聡太クンも中3だもんね。あの落ち着きと言動。恐るべき、驚愕の中3!
この大長編、最後に成人した一人の生徒が出てきます。なのでつい「あの子やあの子はどうなったの?」と欲しがっていたら、巻末に書き下ろしの短編が。いろいろあった杉村三郎と「あの子」が出会いました。そして「あの子」のその後も!
こういうサプライズ的な演出がお洒落なのも、宮部さんの作品らしくて大好き。
全6巻、約4000ページ。年明けからずっと長編を読み続けましたが、今回の「長編ばっかりフェスティバル」(いつ命名?)はこれがラストかな? しばらくは長編でなくても良いかも、と思えたくらい、これ以上は望めないかもしれないと思えたくらい、凄い作品でした。
雪が降るクリスマスの深夜。中学校舎の屋上からこの中学の2年生・柏木卓也が転落死した。不登校だった彼の死は自殺と判断された。しかし年が明けてから、彼の死は同級生による殺人であるとの告発状が、校長、担任、そして柏木の同級生で刑事の父を持つ藤野涼子に届く。告発状が届いてからさらに校内に広がる疑念、マスコミの過剰報道、誰からともなく始まる「犯人捜し」。やがて3年生に進級した涼子は、この状況を打破すべく、真実を求める行動に出る。
それが学校内裁判でした。
本書は、1・2巻の第1部で、転落死事件から次々と起こる騒動と新たな事件で不安に心が揺れる中学生たちを描き、3・4巻の第2部で、事件に翻弄されているのに本当のことを教えてくれない大人たちに苛立ち、中学生たちが立ち上がります。「自分たちで真実を突き止めよう」。そして学校内裁判を計画します。5・6巻の第3部では、ずっと学校内裁判の様子を詳細に描きます。多くの証人たちによる証言を積み重ねて、中学生たちだけでなく大人も含めた誰もが、生きていくことの本当の意味と価値を知る「真実」にたどり着きます。
物語のメインはこの第3部で、裁判を行う中学生たちはとても中学生とは思えないほど、本当にオトナなんです。「これは宮部さん、やりすぎちゃいましたねぇ~」と思ったくらい。
先日、中学3年生の全国テストの答案用紙のサンプルを見ることがあったのですが、中3にもなると、個人差がビックリするくらいあるんです。「できたお子さんで…」とため息が出るような子もいれば、「小3の間違いなのでは?」という子もいる。
小説の中の子たちも、学校内裁判を開廷するくらいなのだから「よくできたお子さん」に間違いないのです。でも本当にここまでの子たち、いるか?
……あ、いるか。いたわ。藤井聡太クンも中3だもんね。あの落ち着きと言動。恐るべき、驚愕の中3!
この大長編、最後に成人した一人の生徒が出てきます。なのでつい「あの子やあの子はどうなったの?」と欲しがっていたら、巻末に書き下ろしの短編が。いろいろあった杉村三郎と「あの子」が出会いました。そして「あの子」のその後も!
こういうサプライズ的な演出がお洒落なのも、宮部さんの作品らしくて大好き。
読者登録させていただきます。
よろしくお願いいたします。
読書の丁寧な感想。大変興味深いです。
読者登録、ありがとうございます。
こんな感じでちまちまやってますので、
お時間あったらお立ち寄りくださいませ。
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