伊坂幸太郎さんの『ガソリン生活』を読みました。
前回伊坂さんの作品で読んだのが、悪い奴しか出てこなかったし、走る密室に死体がゴロゴロなお話でした。ある意味「極めたわね」って感のあるものだったので、しばらく伊坂作品はお休みしようかと思ったんですよね、リセットするつもりで。でも本作の帯に「かつてない幸福感に包まれる」ってあったので、最後には幸福感があるのが伊坂作品だと思っている私は「幸せにしてもらおうじゃないの!」と、読み始めたのでした。
名前の通り「グッドマン」でちょっと呑気な兄・望月良男と、小学生で既にいろいろ悟ってしまったような聡明な弟・亨。2人が緑のデミオでドライブしていたら、ひょんなことから元女優・翠を乗せることになるが、その翌日、翠は事故で急死してしまう。そして母と長女も含めて、デミオの一家はさらなる謎に巻き込まれる。真実は意思疎通ができる車同士の情報交換で明らかにされていくが、人間には謎なままで展開し……。
そうなんです、本書は望月家の愛車・デミオの語りで進められます。作品中の「僕」は緑のデミオのことなのです。そしてデミオと、隣家の、持ち主がフランク・ザッパの信者のため、何となく行き方も影響されている、車同士での呼び名が「ザッパ」のカローラのおしゃべりや活躍ぶりが楽しい作品でした。
読後に感じたのは、ものにだって命があって、持ち主のことをとても大事に思ってくれて、何でもお見通しでって、こんな世界は実はあるんじゃないかってこと。だからものを粗末にしたりすることはできないのよね。
そう言えば、数ヶ月前から「買い替え、どうしようか?」と考えていたわが家のものたち。本当に寿命な感じになってまいりました。しかも全部一気に! キツイわ~。厳しいわ~、これ(\)的に……。
そして帯にあった「かつてない幸福感」はラストに来ました。本当にかつてないほどの幸福感に満たされました。『マリアビートル』とのギャップ、凄すぎない?
いろんな意見はあるでしょうけど、伊坂作品の中で、現時点でいちばん好きな作品でした。本当に幸せな気分にしてくれて、ありがとう。
前回伊坂さんの作品で読んだのが、悪い奴しか出てこなかったし、走る密室に死体がゴロゴロなお話でした。ある意味「極めたわね」って感のあるものだったので、しばらく伊坂作品はお休みしようかと思ったんですよね、リセットするつもりで。でも本作の帯に「かつてない幸福感に包まれる」ってあったので、最後には幸福感があるのが伊坂作品だと思っている私は「幸せにしてもらおうじゃないの!」と、読み始めたのでした。
名前の通り「グッドマン」でちょっと呑気な兄・望月良男と、小学生で既にいろいろ悟ってしまったような聡明な弟・亨。2人が緑のデミオでドライブしていたら、ひょんなことから元女優・翠を乗せることになるが、その翌日、翠は事故で急死してしまう。そして母と長女も含めて、デミオの一家はさらなる謎に巻き込まれる。真実は意思疎通ができる車同士の情報交換で明らかにされていくが、人間には謎なままで展開し……。
そうなんです、本書は望月家の愛車・デミオの語りで進められます。作品中の「僕」は緑のデミオのことなのです。そしてデミオと、隣家の、持ち主がフランク・ザッパの信者のため、何となく行き方も影響されている、車同士での呼び名が「ザッパ」のカローラのおしゃべりや活躍ぶりが楽しい作品でした。
読後に感じたのは、ものにだって命があって、持ち主のことをとても大事に思ってくれて、何でもお見通しでって、こんな世界は実はあるんじゃないかってこと。だからものを粗末にしたりすることはできないのよね。
そう言えば、数ヶ月前から「買い替え、どうしようか?」と考えていたわが家のものたち。本当に寿命な感じになってまいりました。しかも全部一気に! キツイわ~。厳しいわ~、これ(\)的に……。
そして帯にあった「かつてない幸福感」はラストに来ました。本当にかつてないほどの幸福感に満たされました。『マリアビートル』とのギャップ、凄すぎない?
いろんな意見はあるでしょうけど、伊坂作品の中で、現時点でいちばん好きな作品でした。本当に幸せな気分にしてくれて、ありがとう。