あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

あの試合のその後

2009-05-09 | 本(文庫本)
今年はWBCのおかげで、プロ野球もパ・リーグの試合では観客動員数が増えているのだとか。パ・リーグファンとしては実に喜ばしいことです。個人的にも、一緒に球場に行く仲間も増えたことだし、今シーズンは例年以上に楽しめています。
そして、そろそろ夏の高校野球の話題も入ってくる時期になり、将来のプロ野球選手たちの活躍も楽しみになってきました。やっぱ野球って面白いな~。

ここのところ不調な私の読書。読みたい本だけは「積読」になっていましたが、それも徐々に少なくなって復調の兆し。2月に買っていた『ラスト・イニング』も何とか連休前には読み終えることができました。 
あさのあつこさんの『ラスト・イニング』は、以前感想(妄想も)を書いた『バッテリー』の続き、と言いますか、サイドストーリー的な作品。表題の「ラスト・イニング」では『バッテリー』のラストで結末を想像するしかなかった新田東と横手二中の試合結果が分かるものになっています。『バッテリー』を読んだ人には、こちらも絶対に読んでほしい作品です。

本作が『バッテリー』と違うところは、横手二中の印象的なキャラクターだった瑞垣を主人公にして描かれている点。瑞垣の良い相方(?)だった新田東の吉貞は出て来ませんが、『バッテリー』では描かれていなかったもうひとつの(本当の)瑞垣の姿を知ることもできます。
「あの試合」を最後に野球をしなくなった瑞垣。「あの試合」のあと、甲子園を目指すよりも「巧の一球」にこだわり、野球推薦を辞退して地元の高校に入学した門脇。高校生になった元横手二中野球部の「少年」たちが選択した道と、これからの彼らの歩んでいくであろう道が、読んでいるうちにだんだんと愛おしくなってきました。高校生になったばかりなのだから15歳のはずなのに、こんなに精神的にオトナでいられるのかとも思いましたが、実は15歳の少年はそれほど子どもではない、ということなのかもしれません。

あさのあつこさんの作品を読むと、背筋をビシッと伸ばされるような気分になります。それは、少年たちが自分の気持ちに正直に生きている姿だとか、悩んでいても諦めない姿だとかから、オトナが教えられることが多いからでしょう。
今回も気合入れられました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 肉なしハヤシ | トップ | 23時からのテレビ »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

本(文庫本)」カテゴリの最新記事