【申告内容】
中の電球の線が切れて、電気が付かなくなりました。
【初診】
申告通りLEDを結線したものがバラバラに断線していました。
見事に配線が切れており、ハート型のヘッド部からも配線が引き出されており途中で引っかかっている状態でした。
さらに驚くべき事は、配線のあり方です。
LEDのアノード側(高電位側)が4.5Vに直結されてカソード側(低電位側)が白い配線に接続されています。アノードに半田付けされている配線は、すずメッキ線のような裸線です。さらにLEDのリードも写真の通りむき出し状態です。固定もされず細いケースに押し込まれている状態ですので、カソードのリードと4.5Vが短絡しても不思議ではなく、おそらく起きていたと思われます。信じられないもの作りの考え方です。
このような回路で考えると、2つのLEDに電流がながれて発光するのですが、電源ラインに接続されているアノードとカソードが短絡すると電流はLEDを流れないでドライブするトランジスタに直接流れます。結果としてトランジスタに大電流が流れて破損するか、破損しないまでもLEDが点灯しない状態になります。
そもそも4.5Vラインが裸線にしている理由は、空中配線でLEDのリード間をはしご配線で3本を1箇所で半田付けする作業性優先のためと思います。
取りあえず、老婆心で短絡しないようにカソード側を収縮チューブで絶縁しました。
次に6個あるLEDが破損していないか個々に点灯確認したところ、赤、緑、紫の3色あることがわかりました。切れた配線の長さを元に接続しましたが、2個と4個の接続に分かれています。
赤色が2個、紫色と緑色が2個ずつで4個です。なぜこのように分けているのかを考えると、LEDの順方向電圧値の差と考えられます。赤色の順方向電圧値は、他の色の順方向電圧値より1V位低いです。そのため仮に全てを共通のカソードに接続すると、赤色のLEDに多くの電流が流れ他の色のLEDには電流が少なくわずかに発光するか、発光できなくなります。そのためにカソード配線を分けて電流値を調整していると考えられます。それでも厳密に言えば、赤色および他の色も並列されているので光度のばらつきはありますが、このようなおもチャには問題にしなくとも良いでしょう。
最後にこの配線をケースに戻さなければなりませんが、LEDのついた配線をハート型のヘッドに押し込んでも、ハートの窪み部で引っかかり周回できません。
そこで、マグネットを利用してまず糸で周回させ、糸を引きLED付きの配線を周回させることができました。
治療完了です。
【治療後記】
またまた、中華のおもちゃに驚かされました。