【申告内容】
電源スイッチをいれても,電源が入らないときがある。
【初診】
あんぱんまんレジスターです。このシリーズも進化しています。正式な名称は
”アンパンマン ピピッとおかいもの! アンパンマンレジスター”
です。
電源スイッチを入れても動作しないことがあります。スイッチの配線、半田付け、スイッチ、内部回路の立ち上げシーケンスのいずれかに問題がありそうです。
内部を確認します。
電源SW端子で導通確認をすると、スイッチの接点抵抗が大きいことがわかりましたので、スイッチを分解して接点の状態を確認します。
スイッチの構造は、次のようになっています。
可動接点および固定接点ともに黒く酸化していることがわかります。
接点は軟らかい金属なので#2000のフィルムヤスリで表面を研磨しました。
研磨後接点グリスを薄く塗布して、酸化の進み具合を低減させます。
SW端子と配線の半田付け部に負荷が直接かかりにくくするため、収縮チューブをかぶせました。
動作確認をして治療完了です。
【おまけ】
他のセンサー関連の健康診断をします。
このレジスターは、バーコードが印刷されている商品をレジに通すと、商品名をしゃべり単価が表示されます。
これは、たまごパックのバーコードをレジスターで読み込んでいるのではなく、グリーンの流れ星に銅線が巻かれコイルになり、電流が高い周波数で流れる向きを変えていて磁界が変化しています。たまごパックの中にもコイル状のアンテナが有り磁界の変化でコイルに電流が流れます。これによりたまごパック内のICが動く事ができ、情報のやり取りができるのです。
バーコードのない商品をグリーンの流れ星の上で動かすと、ランダムですが単価をしゃべり表示します。これは、次の写真を見てください。
グリーンの流れ星の脇に目立たないように赤外線LEDが光っています。そしてその光をキーの下部で受けています。商品を通すと光をさえぎるので商品をグリーンの流れ星の上を動かしたことを検知しているのです。通されたことはわかるのですが、それが何かがわからないので、単価もまちまちなのです。
他にも、CARDとバイキンマンのバーコードリーダーがありますが、両者ともスイッチがあるだけです。
最後にレジの引き出しを開けるのはバネの力で実現しているのですが、引き出しを開けたことはスイッチがあるので、検知できています。
【治療後記】
アンパンマンレジスターは、実際のレジスターの変化を取り込んで新しいモデルが発売されている人気のおもちゃです。使用されているしくみも実物と同じ場合もあるのでおもちゃドクターも技術についていかないと、治療できなくなります。
常に精進です。