【申告内容】
落下させてしまったら、まぶたがうごかなくなりました。
その他の動作は、正常に動いています。
【初診】
以前九州から転院してきたミルルです。元気に過ごしていたのですが手が滑って落下させてしまったら、まぶたが動かなくなったとのこと。
初期のネルルは、まぶたの動きがしなくなる持病があり他のおもちゃ病院のカルテでも紹介されています。まぶたを開閉させているギヤボックス内の38歯と10歯の複合ギヤが、グリスとの兼ね合いなのか崩れるような破壊を起こすのです。製造時期にもよると思いますが、可能性はあります。
今回もこの複合ギヤの破損だと想定すると、ギヤの入手まで1ヶ月程掛かります。
一方ミルルなどのコミュニケーション系のおもちゃは持ち主様と密接に結ばれる傾向が見受けられ、治療の期間も離れるのが辛い思いをされる方がおられます。今回も九州のドクターと連絡をとりながら、検査してからギヤの手配となると入院期間が長くなるので想定できる部品を入手してから入院してもらうことにしました。
部品が入手できましたので、来院の連絡をしました。
診察するとまぶたは申告の通りまぶたを閉じたまま開きません。まぶたを動かしたり、頭を振ってみて内部でカラカラ音がするか検査しましたが、傾斜センサーの音がするだけでした。次は、気の進まない開頭手術です。ドクター泣かせの作りです。整形術を求められるのですから。
なでなでセンサーは、圧電素子の下部にばね構造があり撫でる力で圧電素子の破損を防いでいると思われます。
また、頭の骨格と顔の皮膚はタイラップで止められていて、この締め付けが適切でないと小さい女の子がおばあさんになってしまします。
内部を確認すると、まぶたを動かすギヤボックスから出ているリンクとまぶたのリンクが外れていることを確認できました。落下した弾みで外れてしまったものと思います。リンクをつないで、まぶたの動作が回復しました。
【治療後記】
想定していたギヤの破損ではなかったので、容易に治療は終了しました。目を細めて針と糸をもつことを除いては。(^_^;)
九州を出発して6日目に帰宅できました。
【おまけ】
ギヤボックスと固定されている基板にある4つのスイッチは、まぶたが全開、1/4閉、1/2閉、全閉の位置を決めるためのものです。