【申告内容】
ピアノ型オルゴール:オルゴールがなりません。
ディズニーのオルゴール:オルゴールがなりません。
【初診】
まずは、オルゴールの構造からです。
香箱:ゼンマイが入っています。
ドラム:表面の突起が音符に当たりドラムが回転すると振動板を弾くしくみです。
振動板:櫛のように分かれた1本1本を弁と呼びます。音階により弁の長さが違います。
ガバナー:ドラムの回転がギヤを通じて回転します。高速に回転すると、空気抵抗によりスピードが上がらずドラムの回転スピードが抑制されます。
今回の2つのオルゴールもこの構造をしており、オルゴールを鳴らしたり、止めたりするのはガバナーの回転を止めてドラムの回転を止めています。
しくみがわかったところでピアノ型オルゴールからです。
ピアノの屋根の開閉によりオルゴールを鳴らしたり、止めたりしています。屋根の蝶番の所にあるピンが屋根が閉まると押されガバナーの回転を止めるしくみになっています。
ところが、このピンが緑青を吹いて錆び付きピンを押された状態で固まり、ピアノの屋根を上げてもピンが戻ってこないことが原因でした。
ピンを抜き錆び取りして、スムーズに動くようにして治療終了です。
次に、ディズニーのオルゴールです。
まずは、分解からです。オルゴールは本体と、中段部に分かれ2つのツメで本体と勘合しています。
オルゴールフタの蝶番のピンがなく、外れてしまっていました。ゼンマイは、巻ききっていましたが、回転はしません。指で回してあげてもゆっくりゆっくり回るだけです。
回転が重いので、KURE556を回転軸回りに塗布して回転抵抗を軽減したところ元気を取り戻し始めました。しばらくエージングをして元気を取り戻せました。
蝶番の治療です。本体と中段の穴径を調整してΦ2の鉄心を通しました。
仕上げに剥がれたシールを貼付しました。これで、立派なオルゴールになりました。
【治療後記】
いつもオルゴールを担当しているドクターがお休みだったので、手探りで治療を進めました。
ゼンマイや駆動力を伝えるギヤのトラブルでなく、ほっと安心でした。なんとか、留守番役は務められました。
ときどきは、オルゴールのゼンマイを巻いて楽しまないと、すねて固まってしまいますよ。(^_^)