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おもちゃ病院さど Doctor_Rの治療カルテです。

おみみパタパタ こうさぎミミィ が来院しました。

【申告内容】

 うさぎが動かなくなりました。

【初診】

 電源を入れると内部で回転音がしますが、何かギヤがこすれ合っているような感じがします。

 このうさぎは、ぴょんぴょん跳ねて、口をもぐもぐ、おみみをパタパタできます。小さい子に人気のイワヤのマイコンを使わない機械仕掛けの動物おもちゃです。

 治療に当たったドクターから、治療移管が有り診ることになりました。

  

ギヤの一つに欠けや変形が確認できました。これにより、ギヤが噛み合わずこすれ合っているような音になっていました。ぴょんぴょん跳ねる動きをする時に勘合するので最も負荷が掛かるギヤです。このギヤは、直径3mm程の曲がった軸に入っており、標準的なギヤではありません。軸から抜く事も、交換することもできませんからこのまま治療する他はありません。ギヤBOXを開いて治療を始めます。

しばし、眺めて正攻法の差し歯方式の治療としました。

 

まずは虫歯の抜歯からですが、治療後のセメントで貼り付けて抜けないようにするにはどう治療するかも頭の隅に置いてからです。欠けている歯、変形して歯丈が低くなっている歯をまとめて抜歯します。歯茎は差し歯が抜けにくい形状に加工します。

差し歯の材料は、手元にあったギヤから取ります。ギヤの材質は固いので切断は、超音波カッターを利用しました。

 

材料を抜歯した歯茎の形に合わせて差し、ギヤの外径に整えます。

 

次は、歯の形を紙に写し一つ一つ歯を作っていきます。この時、役に立つのが "両刃ヤスリ” という道具です。本来は、のこぎりの刃の目立てに使用するヤスリですがギヤの歯を削り出すにも便利です。”ツボサン”というメーカのRE-1という小型なものです。

  

  

うさぎの3つの連続動作の仕組みはカムが回転することで、ギヤが移動して勘合するギヤを変えているのです。

虫歯の差し歯は、回転方向の力と可動ギヤの横方向から勘合されるときの力に耐えなければ抜けてしまいます。差し歯と他の歯を合わせて接着し強度を向上させました。

これで、治療は終了しましたので、治療のドクターに骨格を戻しました。

【治療後記】

久しぶりの歯の治療でした。歯の治療方法もいくつかあり、患者さんの状況により選択します。今回は、差し歯方式でした。

この患者さんは、おばあちゃんがお孫さんのために来院されました。元気なって退院です。

 

 

 

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