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おもちゃ病院さど Doctor_Rの治療カルテです。

脳を育む すくすくあそびDX が来院しました。

【申告内容】

 2014に購入し、4年前までは問題なく動いていましたが、1年前に使おうとしたら少し音が鳴り直ぐ止まるようになりました。

【初診】

 

 2013年8月に発売された全20曲を収録したメロディユニット付きベビートイです。バンダイと日立製作所の共同プロジェクトで進められているベビーラボシリーズの1つです。

 

 電源スイッチを押しても、無反応です。内部を開けて検査です。

 まずは、外観的に配線外れや電極の腐食も無く、電源ラインを追いかけていきます。GNDは太めのパターンがCOBに入っています。ところがCOBに入っている電源パターンが見当たらないのです。そんなことはあろう筈はなく、制御基板をじっくり眺め直すと振動センサーと両腕を閉じたスイッチ配線の半田付け部が、接着剤で固められておりパターンがよくわかりません.接着剤を剥がすと電源パターンが姿を見せました。

 COBの際(A点)のパターンの半田レジストをやさしく削り導体を出し、電源がCOBに入っているかテスタにて確認しました。

 ところが、B点では電源電圧の3Vが確認できるのですがA点では電圧がでていません。それならば、B点からA点までの間にパターンが切れていることになります。観察するとパターンに”しみ”のように変色している箇所があります。確認のため、C点の両脇の半田レジストを削り導通を確認すると導通が確認できません。C点でパターンが切れていることが確認できました。

 このC点をバイパスしなければならないのですが、パターンの幅が0.25mmしかありません。何とかフラックスを付けパターンに半田をのせてジャンパー線を繋ぎたかったのですが、私の腕が未熟で半田をのせることができません。

 次に考えたのは、導電塗料でジャンパー線を接続する方法です。基板表面は半田レジストが塗られているのですが、導電塗料を塗るのはリスクがありますので、隣のパターンをマスキングしてから塗布しその上から接着剤を塗布して接続部を固定しました。

  

 電源パターンの横のパターンにも”しみ”のようなものがあります。今は導通が確認できましたが、予防保全としてジャンパーすることにしました。こちらのパターン幅は、0.5mm有ったので半田付けで接続できました。ただ、隣にある信号線パターンが、電源パターン幅より広くしている理由がわかりません。逆にすれば良かっただろうと思っています。

 これで、無事電源が入り動き出すことができました。

 

【治療後記】

 電源パターンが行方不明で、捜索が大変でした。(^_^;)

 断線の理由は、導体が錆びて断線したものと思います。半田レジストがかかっているのになぜ?とは思いますが、レジストにピンホールがあり水分の侵入があったのか、他の原因があったのかは不明です。

 

【おまけ】

 このベビートイは、本体のまわりのおひさまとアンパンマンが回ったり、カムを利用していないいないばあをする仕組みになっています。モータの回転をギヤボックスで減速してトルクをあげて、ベルトで駆動力を伝えています。

 ところが、購入後8年が経過しベルトプーリーに亀裂が走り、軸が曲がってしまっています。そのため、ちからの伝達にもムラが出ています。

 今後機械的に動かなく事が予想されますが、治療がむずかしい状態になっていますので経過観察としました。

 

 

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